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土づくりと堆肥

有機農業に興味がある人は多いと思います.
無農薬は難しいけれど,減農薬に取り組む農家さんも増えています.
安全な野菜,安心できる農作物を食材にしたいとはだれもが思うところです.

筆者の住む近くの街で家庭から出てくる食品残渣を堆肥にして,それを農作地に施肥し,農作物を育て,それを食卓に載せる,いわゆる地域内循環を目指した取り組みをしています.そこから堆肥と土づくりの関係について相談を受けました.

そこで調べたこと,わかったことを,コラム風に書き記し,興味のある方とシェアしてみようと思います.わたしも農業分野では素人ですので,お気づきの点がありましたらご指摘いただければ幸いです.

ということで,まずは堆肥とはなにか,ということをお話ししようと思います.


堆肥は稲わらや野菜類の茎や葉などの農作物を収穫したあとに残る残渣を肥料とするものです.これらの収穫後の残渣のほか,食品残渣,家畜糞や下水処理施設から排出される下水汚泥を原料とすることもあります.

これらの原料を微生物で発酵させて,堆肥にします.麦わらや野菜の茎や葉などについている微生物,土の中に住んで微生物などがこれらの原料を食べて分解します.稲わら,茎や葉,家畜糞などはそのままの形では作物は吸収できません.微生物が分解します.

一例として窒素成分に注目して説明しようと思います.微生物が原料中に含まれるタンパク質を食べてアミノ酸に分解,さらにアンモニアを作りだします.アンモニアになると作物が吸収できるようになります.アンモニアはさらに硝化菌という微生物によって硝酸になります.硝酸もまた作物が吸収できる形の化学的な形です.条件によっては硝酸から気体の窒素ができるようになります.気体の窒素は作物は使えない形です.

このように,稲わらや野菜類の茎や葉などが微生物の作用を受けたあとに作物が吸収できるような形になりますので,堆肥は肥料成分がゆっくりと長い時間かけて出てくるという特徴を持っていると言えるでしょう.

逆に化学肥料は,窒素成分に注目すれば硫酸アンモニムや塩化アンモニウム,硝酸アンモニウムなどの形で市販されています.これらは水に溶かせば,すぐに作物が吸収できる形になります.化学肥料は速効性があるといわれる理由です.

次回は土づくりの話題に触れます.

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