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【筆】裸のラリーズと僕


出逢い… 黒い悲しみのロマンセ 或いは Fallin' Love With

僕が裸のラリーズを知るきっかけになったのは2003年頃にさかのぼり、当時大学に入学してしばらく経った頃でした。
音楽に詳しい友人宅にお邪魔して、いろんな曲を聞きながら「凄くレアなやつがある」と言ってきて、それが裸のラリーズでした。

雑誌“et cetera vol.2” 付録7インチレコード

その音源は雑誌 “et cetera” 付録の7インチレコードに収録されていた曲『黒い悲しみのロマンセ 或いは Fallin Love With』でした。
友人はその音源をmp3で持っていて、パソコンから掛けてくれたのです。
その頃はまだこの手のサイケデリックミュージックには疎かったのもあり、なんだか不思議な浮遊感のある音楽だな…というような感想でした。

ちなみに余談ながら同じタイミングで聞かせてもらったのが、THE VELVET UNDERGROUND “White Light/White Heat”、NIRVANA(us) “Nevermind”、SONIC YOUTH “Goo” など。

THE VELVET UNDERGROUND “White Light/White Heat”
NIRVANA(us) “Nevermind”
SONIC YOUTH “Goo”

僕がオルタナティブ・ロックへの道を進み始めるきっかけになった日で、そのスタートにラリーズやヴェルベッツに出会えたことは幸福だったと思います。

閑話休題。
最初の出会いはそんな感じでしたが、頭の片隅にいつまでも残る音楽で、というのもそのロマンセの音源がmp3だから、友人から頂いて家で何度も聞いていたのです。


'77 LIVE

聞き続けるにつれて次第に興味が膨れ上がり、ラリーズのことを調べていって分かったことは、公式のアルバムで “'77 LIVE” というのがあると、こちらがバンドの代表作として言われていると。そして当時は廃盤であり(※2022年にリマスターされ再発してます)大変な希少価値が付いてましたが、東京のレンタルショップ 『ジャニス』ではそのラリーズのCDを借りれると分かりました。

※ジャニスの歴史を俯瞰できる良い記事です。ラリーズのことも少し(後編に)書かれています。
音楽好きを虜にした魔窟、ジャニスの37年の歩み(前編) | レンタルCD&DVD - 音楽ナタリー

さっそくジャニスのあった神保町に向かい、会員証を作り、借りようとしました。すると店員さんから「誓約書を書いてください」と説明が。ラリーズのCDが希少なので、万が一破損や紛失があった場合に弁償義務が発生するので、その誓約をして下さいという趣旨。
ビビりながらも聞きたいので決意して、誓約書に名前を記入、借りて恐る恐る帰宅しました。

'77 LIVE(Rivista Inc.)

前述のet cetera収録のロマンセの雰囲気とはまた違う世界が、そこにありました。
狂気的なギターの轟音、永遠に響くようなエコーがかったボーカル、そしてなにより耽美で切ないメロディ。
それから、繰り返し繰り返し、聞く日々へ。

当時は学生で自由な時間が山のようにありましたので、学校のない休みには一日中家にこもり、朝から晩まで裸のラリーズを掛ける。さらに就寝時間になっても音を止めず、音量だけは控えめにしましたが、眠りながらラリーズを聞く。
文字通り、24時間ラリーズを聞き続ける日を作ったりしてました。
ラリーズとの長いトリップの始まりでした。


終わりに

裸のラリーズに『永遠に今が』という曲がありますが、その歌詞を書いてこの記事を締めたいと思います。

永遠は今あるんだ
永遠に今が続けばいいと
永遠に夜が続けばいいと

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