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中韓NFTトレンド:黒猫事件の解説

初めまして、Sakaiです。
Noteで記事を書くのは数年ぶりでしょう。
まず改めて自己紹介させてください。
実は、現在 CryptoHunter というNFTプロジェクトを運営しており、1枚1枚私の手で書いています。
CryptoHunter - OpenSea
そんな中、Twitterでも殆どWeb3やNFTに関する情報収集と情報発信になりまして、自分が運営するプロジェクトだけではなく、国内海外色んなDAOに入って活動もしています。
今回は、日本ではあまり語られてなく、しかし中国語圏NFT界隈で去年年末一番話題になった「黒猫事件」について解説していきたいと思います。

背景

2022年12月、中国NFT界隈でトップクラスとも言われていた巨大DAO「MimicShhans」は事実上崩壊しました。
自分は7月からホルダーとしてコミュニティ内で活動し、更にべリロン(VeryLongAnimals)とのコラボイベントを企画するなど、深くかかわってきたので、この崩壊を至近距離で観察することが出来ました。
日本ではこの件はあまり語られていませんが、海外では中国語圏で一番インパクトな事件だけではなく、欧米圏のクリプト系メディアでも取り上げていたほどでした。

この件を、アーティストの創作視点、及びコミュニティの建設視点から、得られる教訓は沢山あるので、解説して行こうと思います。

対象コレクション情報

MimicShhansの誕生と進撃

2022年5月、韓国のArtistのShhanさんはコレクションをリリース。
CC0の黒猫を1万体OpenSeaへMintした。
Shhanさんは長年黒いネコを飼っており、NFTを始める前から日々ネコの絵を描いていました。
しかしShhanさんはエンジニアを使用せず、手動で10000体のNFTを、しかもPropertyも手書きで、お手伝いさん1名と共に2週間かけてOpenSeaへアップロードしました。
なのでこれはOpenSea共有コントラクトのジェネラティブコレクションになります。
(* 後ほど語りますが、現在の公式コレクションは独自コントラクトで作り直しています)

0ETHで販売を開始し、2ヵ月経っても1万体の内2000体しか完売できず。


そして絶望の時に希望が訪れる。
偶々MimicShhansは台湾系のメディアに取り上げられ、そして香港→中国語圏へ爆発的に広がり、瞬時完売した。

クリプト中国語界隈では詐欺師が多く、その先入観によって中国人投資家は自国のプロジェクトをdisる傾向があり、しかしMimicShhansは韓国発のプリジェクトであり、デザイン上アジア人の美感覚とも合致しているので、中国語をベースとしたコミュニティがあっという間に形成された。

有能な中国人コミュニティビルダーも複数人現れ、様々なイベントを企画し、大きいプロジェクトとのコラボや派手なオフラインイベントなどを実施。フロアも徐々上がり、絶頂期ではフロア0.3ETHまで上り詰めた。

更に10月にコントラクトマイグレーションを行い、10000体の黒猫がOpenSea共有コントラクトから独自コントラクトへ移転を行った。

これで様々なマーケットプレイスでMimicShhansの取引きが可能になり、いざこれからだ!というタイミングで、コミュニティ内でヒビがちょっとずつ広まった。

以降の内容は有料ですが、私が運営するNFT「CryptoHunter」のDiscordに全文無料公開しています。ご興味あれば是非ご参加ください!
Discordリンク

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