向精神薬の個人的評価表(睡眠薬編)

○マイスリー(ゾルピデム)
『超短時間作用型の睡眠導入剤のなかでも(日本国内のみなら)一番素早く効くスリーピングドラッグ。安心お休みなさい、といったおクスリ。依存性はベンゾジアゼピン系より低い、だと? 嘘吐くな、こやつは下手なベンゾ系より余程依存しやすいぞ!?』
(10mg)
催眠鎮静/●●●●
抗不安 /●●●
筋弛緩 /●●
抗痙攣 /○
発現速度/●●●●●
持続時間/●
依存性 /●●●●○
乱用性質/●●●●●
非ベンゾジアゼピン系
Tmax/0.9h
T1/2/2.3h
剤型/5-10mg
 飲んだらすぐに布団に入ろう。それさえすれば、睡眠の安寧は保証してくれる。
 ただし、超短時間型睡眠導入剤のなかでの催眠効果は弱い方に属す程度の強さなので、スマホやらパソコンやらを『寝るまで~……』などと弄っていると眠れないときがある。だから、やや注意が必要である。
 というより、乱用する場合は『飲んでから寝ないで耐える事』が必要になる。つまり、医療用途での使用とは真逆である。
 お酒と共に飲むと健忘症や奇異反応が発現する確率は、ベンゾ系の睡眠薬の中でも高いほうになるであろう。とはいえ、元々超短時間作用型睡眠導入剤のほうが夢遊病や健忘が起こりやすい。
 飲んだらすぐに、寝ること寝ること!
 ちなみに、この睡眠薬に関してのみいえる特徴がある。それは、副作用のなかでは珍しく『多幸症』と記載されているのである。添付文書にも注意書きがなされている。
 これが現れる人たちからしてみれば、睡眠薬のなかでは一番依存度が高い物であるといえよう。
 寝ないでいると、この多幸が現れやすい気がする(主観)。
 ちなみにデパスのスニッフや舌下はほとんど無意味という事実が、熾さんという御方のおかげで判明した。逆に、マイスリーやベンザリンはスニッフする意味がある睡眠薬ということも推測できた。ただし、鼻がもげるので注意されたしw

○ハルシオン(トリアゾラム)
『一時期裏で1シート1万円というボッタクリ価格で売られていたらしい。皆さんご存知、シャブの落とし薬ーー俗称は、青玉』
(0.25mg)
催眠鎮静/●●●●●
抗不安 /●
筋弛緩 /●●●
抗痙攣 /●●
発現速度/●●●●●
持続時間/●
依存性 /●●●●
乱用性質/●●●●●
ベンゾジアゼピン系
Tmax/1.2h
T1/2/2.9h
剤型/0.125-0.25mg
 とにかく眠るならコレにかぎる!
 一時期バッシングされていたが、その理由のひとつは看護師(薬剤師?)のおちゃらけ問題。もうひとつのバッシング理由は、当初海外で処方され始めた頃の最大処方量が1mgであり、銀ハル=0.5mg、金ハル=0.25mgという単位で、早くも健忘やら幻覚やらなんやかんやと多発してしまったからである。
 日本では半分からはじまった。しかし、実は最大処方可能量は特例としては0.5mgである。辛い不眠症の方への配慮だろうか?
 マイスリーの安心したまま眠れる感覚(ぬくぬく幸せ入眠♪)とは異なる効き方をする。こちらはマイスリーと比べ、一気に眠気が襲いかかってくる。そのため、やや強引な催眠作用といえよう。
 シャブの切れ目対策として、この『銀春』や『赤玉(エリミン5mg)』がセットで売られていたりもした。が、違法薬物の売人から購入した場合と、向精神薬メインの売人から購入したときの価格には、かなり大きな差がある
 値段に関しての話は、のちにある閑話休題として挟むコラムに記述するが、倍以上もの値段差があったということだけは記載しておこう。
 ちなみに私がシャブの落とし薬として一番多く使っていたのは『ベゲタミンA』という睡眠薬(抗てんかん薬)である。そちらについての詳細は、睡眠薬項の後半辺りに掲載させていただくので、そちらの参照を願いたい。
 当初、色だけから判断していたため、銀ハルが0.125mgだとばかり思っていた。のちに勘違いに気がつけたが、金色のほうが、普通なら成分量多そうじゃな~い?
 オリンピックだってそうだしさぁ……。

○ルネスタ(エスゾピクロン)
『苦味さえ無ければ……そう思わずにはいられない。効果は好みなのに、どうして君は苦いんだ……苦いのさえn(ry』
(3mg)
催眠鎮静/●●●●
抗不安 /●●○
筋弛緩 /●
抗痙攣 /○
発現速度/●●●●○
持続時間/●●
依存性 /●●●○
乱用性質/●●
──────────
非ベンゾジアゼピン系
Tmax/1h
T1/2/4.8h
剤型/1-2-3mg
 苦味が最大の欠点であり最凶の嫌らしさでもある。あの苦味こそが本薬品の最難にして災厄である特徴であるといえるであろう。
 苦味さえなければ……苦味さえ感じなければ、マイスリーと同じくらい好きになれた可能性さえ秘めているのに、副作用『苦味』だけで、その可能性がスッパリ消されてしまったなんとも惜しい睡眠導入剤である。
 ただし『苦味が癖になる』と言う方もいるぐらいなので、ハマるひとは苦味にもハマれるようになるのだろう。
 ……あれかな?
 サザエとか貝類等の肝系統が大好物だったり、濃過ぎる緑茶が大好きだったりする人間には合うのかもしれないね。 

○エリミン(ニメタゼパム)
『外装が真っ赤なせいで危ない薬に見える。実際に、シャブの落とし薬としてセットで販売されていた。そのせいで危険ドラッグに思えなくもないけど! 実は、効果も長さも優秀な子!』
(5mg)
催眠鎮静/●●●●○
抗不安 /●●●
筋弛緩 /●●●●
抗痙攣 /●●●●
発現速度/●●●
持続時間/●●●●
依存性 /●●●●
乱用性質/●●●●●
ベンゾジアゼピン系
Tmax/2h
T1/2/12h
剤型/3-5mg
 当時1st(※1シートの略。10(T)錠=1stが基本である)の値段は5000円以上で売られており、おそらく時間が経つに連れて高騰していくであろうことが推測できる、謎のベールに包まれた怪しいPTPシートのベンゾ系の中時間作用型の睡眠導入剤のひとつである。
 ハルシオンに等しくこちらもシャブの切れ目対策としてセットで販売されていた。向こうが銀ハルであるならば、こちらは俗称『赤玉』である。まさしく5mgの外装は、毒々しく危険な雰囲気を纏っている、まさにアングラと言いたくなるほどのものである。
 シャブの切れ目やブロンのODで発現する副作用対策という理由ではなく、単なる憧れで乱用したがる方が大勢いる点も、エリミンの特徴だといえなくもないだろう。
 理由としては、外見のアングラっぽい雰囲気さ、販売終了となったことで正規のルートから入手する方法はもうないという稀少性の強さ、憧れなどが、乱用してみたくなる理由なのだと推測できる。
 効果の体感としては、正直に言ってしまえばベンザリン(ネルボン)と似たり寄ったりだ。あまり効果は変わらないが、こちらのほうが短く作用しふんわりといった謎の強さがのしかからないため、ネルボンと比べ翌日まで眠気を持ち越す割合が低い。また、催眠作用の強さは同じだとしても、こちらのほうがやや早めに最高血中濃度に到達するため扱いやすい。
 最後に忠告したいが、エリミンの密売価格が高い理由は『効果』そのものや、乱用のしやすさ等では決してないことを述べさせていただく
 エリミンは、『アングラな外見』かつ『稀少性が高い』ため『入手難度が高い』ことから、値段が大きく跳ね上がってしまっているだけである。
 ブランドを考慮せず、作用の強さや使い勝手の良さのみで評価した場合、つまりは、バイアスをかけずに純粋に評価するとしたら、『ベンゾジアゼピン系睡眠導入剤(中時間作用型)のひとつ』でしかない。
 たしかに弱くはなく、作用は強めの分類である。また、健忘なども現れやすい。そのため優秀な乱用睡眠薬である。だが、代替薬が無いというほどの、唯一無二な効果とはいえない物だ。
 あまりに暴利な価格で購入する方がいたら、少し待ってほしい。
 エリミン5stを30000円などのボッタクリな値段で金銭を無駄に浪費するくらいなら、そのお金を持って心療内科にかかり、ハルシオンやサイレース、マイスリー等を、毎月28日分処方してもらったほうが明らかに、比べるまでもなく、金銭に似合う等価な睡眠薬が貰える。
 最初は処方してくれなかったとしても、マイスリー(10mg)+サイレース(2mg)+ワイパックス(1mg)程度なら、早める手段を考慮しながら相談すれば、意外にも容易く到達できる。そしたらあとは毎月通院するだけで、安定して睡眠薬が貰えるようになるのと同義だ。
『一回の診察代(1500円)』+『処方薬代(3000円)』=『計:5000円』で、サイレース+マイスリー+ワイパックスが、それぞれ3stずつ手に入るようになる。
 当初考察した例え話みたく、エリミン5stに30000円使うくらいなら、30000円弱で『サイレース』+『マイスリーorハルシオン』+『ワイパックスorエチゾラム』を18st(180錠)入手したほうがお得感もあり、実際にも有益だといえるだろう。
 買うなら1stで十分だーーと、過去の私にメールしたい気持ちに駆られてしまう……。ううっ、勿体ねぇ……なんだよ4stで28000って(つまり10錠7000円)。
 どれだけボッタくられた気持ちにさせられたのか、今の私ですら鮮明に思い出してしまうのだ。
 これについては、もしかしたら、自作小説『依存性薬物乱用人生転落砂風奇譚』に書かせてもらうかもしれない。

○サイレース(フルニトラゼパム)
『ブロンODのおともに一錠スニッフいか……ゲフンゲフン!ナンデモナイデース! ベンゾジアゼピン系睡眠導入剤のなかで最優秀だと評される機会が多く、実際にもいろいろ頼れるスゴいヤツ=悪用や乱用されやすい優れた薬物代用品No.1!!』
(2mg)
催眠鎮静/●●●●●
抗不安 /●●●●
筋弛緩 /●●●●
抗痙攣 /●●
発現速度/●●●●
持続時間/●●●○
依存性 /●●●●●
乱用性質/●●●●●
ベンゾジアゼピン系
Tmax/1.3h
T1/2/6.8h(※フルニトラゼパムは、半減期辺りから体外に排出される量が緩やかになるため、2半減期や3半減期が普通とは異なる。そのため、半減期が7時間だが『中時間作用型』として扱われているという一部特殊な睡眠薬である。記載する範囲で他の睡眠薬にはこうした特徴がないため、半減期まででだいたいの作用時間が把握できるため、フルニトラゼパムに限り少々特殊な理由があるので半減期が七時間でも中時間作用型にカテゴライズされていると覚えておいたほうがいいかもしれない。6時間以上10時間前後以下の半減期のため、通常は短時間作用型に当てはめられるのだが、半減期から退薬速度が急に緩やかになるため中時間作用型なのである。)
剤型/1-2mg
 国内・国外問わず、販売開始からしばらくした時点で、既にデートレイプドラッグとして悪用されてしまい、海外では社会問題になるレベルで蔓延していたのだという。
 また、ヘロインやコカインの作用増強剤としてひそかに乱用もされていた。
 当初は白色の素錠で、なおかつ気になるほどの苦味もない他人使用されやすい錠型であったため、このままでは大変な事態になりかねないとなり各社対策をすることになった。
 日本含むメインの対策は、錠剤を素錠から厚めのフィルムコーティング錠を蒸着して、水分に触れると微量でさえ真っ青になるくらい着色料がふんだんに盛り込むことである。
 また、一部の州や国では、まさかのまさか、対策として『フルニトラゼパムを麻薬と同類に扱うよう改訂する』という暴挙に出たところもある。ちなみに、現状でも麻薬扱いのままであるため、旅行時には細心の注意が必要な睡眠薬だったりする、意外にも実際にも結構危うい睡眠薬といえなくもないだろう。
 デートレイプドラッグ→飲料や酒類に混入させた物を対象者に知らせずに服薬させる。フルニトラゼパムは強く、かつ発現速度も早い、なおかつ副作用が現れやすいと三拍子揃っているため、一過性の健忘が発生しやすいのである。そのため、端から見ると恋人関係にしか見えないのだが、実際には無意識に近い相手を引き連れホテルや自宅に連れ込み睡眠中にレイプしてしまうといった悪用ができやすいドラッグという意味で、デートレイプドラッグという俗称が名付けられたのであろう。
 ヘロインやコカインあるいは両方のドラッグカクテル“スピードボール”を、より強く楽しむために乱用されたり、ブロンをODしながらフルニトラゼパムを微量スニッフすることによりブロンの多幸感(疑似的な多幸的感覚の実感度)を上昇させたり、あるいは単品でもODやアルコールと共用してラリったりと……レクリエーションドラッグのなかで選ばれる確率の高さでは筆頭候補なのではないだろうか?
 乱用はともかく悪用は害悪だと断じる私からしてみると、あるいみ悪用のみに対策され、乱用対策にはノータッチだった点は良かったとさえいえる。……いや、スニるための粉末にするのにかかる労力と時間は確かに増してしまったのだが……。
 もちろん、通常に使うひとからしてみても、非常に優秀であるといえよう。
 本剤とハルシオンやマイスリーといった超短時間作用型の睡眠導入剤を併せて使った場合、入眠障害や中途覚醒、早朝起床から熟眠障害など、不眠症の各種症状のいずれにも適応してくれるため、不眠症ならとにかくコレだけでも大抵は網羅するように緩和してくれる優秀なsleep drugなのだ。
 ハルシオン並みに早くはないが、入眠障害に使えないとまではいえない程度には効果発現速度は遅くない。30分あれば実感し始めるため、入眠障害にも使えるのである。
 また、勝らずとも劣らない力価である。その反面、効果はしっかり七時間ほど有効なため、中途覚醒の症状の緩和とした場合、フルニトラゼパムは各種睡眠薬の中でも最優秀といっても過言ではない対症療法薬といえるだろう。
 早朝起床や熟眠障害に関しては、あと一歩足りない感じも否めないが、平均的な生活サイクルに似合う半減期=七時間くらいで効き目がなくなるので、決して合わないわけではなく、熟眠障害に対してなら適している可能性も高いだろう。早朝起床のみ、足りなければ長時間作用型が必要になってくるだろう。
 単品でここまで不眠症対策を網羅している物はそうそう存在しない。適応症例の範囲が広く、また、効果はベンゾ系で1位2位を争うほど強いーー。
 まさに、best ofSleeping pillの名に相応しい逸品である。
 ブロンODに併せてスニッフするのは、意外なほど効果の違いを実感しやすく、すご……くはないが、試していない方には試してみては? と推奨していると誤解されるような事を記述してしまうほど素晴らしい睡眠薬なのだ。
 依存性はベンゾのなかでもピカ一であり、同時に悪用されたり乱用されたりする比率の高さを恐れてしまうタイプの医師は、あまり容易くは処方してくれない。中にはフルニトラゼパム、ハルシオン、デパスは処方しないと決めている病院もあるため、目的がコレなら医師や医院をある程度見分けなくてはならない。とはいえ、あり得ないくらいお気軽にポンポンポポポンポンポポンポンポンッと処方してくれるような医師も存在する。
 これについては、ヤブか否かではなく、その医師のポリシー、というより抗不安薬や睡眠薬の捉え方が関わってくる。名医でもフルニトラゼパムやデパスを処方する医師はいる。また、まともな睡眠薬さえ出さないような医師にもヤブ医者は存在しているため、見極めが肝心だろう。
 少なくとも二ヶ月程度、要は三~四回は通院しないと判断に難しいだろう。
 これ単品狙いなら『なかなか眠りに入れず(主に生活を阻害してくる症状は、入眠障害と)、また、眠れても数時間で起きてしまうため(中途覚醒の二つだと主治医に認識させる)、熟睡できない(※熟眠障害の可能性も示唆)日が続き困っています』と告げるだけで、どの睡眠薬を辿るかは別でも、最終的にフルニトラゼパムにたどり着いてくれる。
 魔法の言葉→『なかなか眠れず寝れてもすぐ起きてしまう』

○ネルボン/ベンザリン(ニトラゼパム)
『とにかく眠く怠くなる薬。起きても暫く怠さは抜けない。フルニトラゼパムからフル作用を抜いた結果がニトラゼパム? ニトラゼパムがフルパワーに調合した逸品がフルニトラゼパム!? ……そんなわけじゃ、ないみたいだねっ!☆彡 かつて通院していた整形外科で『短時間作用型だよ』と処方された経験のある睡眠薬。いつの思い出か、既に忘れてしまい、わたしなんだか悲しくなる~っ……』
(10mg)
催眠鎮静/●●●●○
抗不安 /●●
筋弛緩 /●●●○
抗痙攣 /●●●●●
発現速度/●●●
持続時間/●●●●●
依存性 /●●○
乱用性質/●○
ベンゾジアゼピン系
Tmax/1.3h
T1/2/26h
剤型/5-10mg
 マイスリーより短い睡眠薬、なければマイスリー以外の超短時間作用型睡眠導入剤を処方してもらえないか通いつけの整形外科に赴き相談した。その結果、処方されたのは、私の理解には到底追い付けないチョイス、長時間作用型の睡眠導入剤ニトラゼパムであった。謎スギィーッ!!
『短時間作用型だよ』と説明する口と、中時間作用型を差し渡してくる手が、まったく一致していないというね。ちなみに、いくら個人経営の街中にヒッソリ佇む系の整形外科とはいえ、内科や外科含む全ての病院に勤めている医師のなかで、数ある睡眠薬からニトラゼパム単剤をチョイスしたうえ短時間作用型(入眠障害対策)として処方する医師などそうやすやすとは見つからないだろう。いても、同格くらいヤブか専門外の医師から数えるくらいしか存在しないと言っても過言にならない。そるくらい非常に稀少な医者といえよう。
 さすが、かつての職場の従業員間で迷医(ヤブ)と称されている実力は並程度には収まらない! さすが!(ついでに! 最終的に全治二ヶ月と診断してくれた中指の刃傷怪我、二年以上経っても違和感が無くならず変な痺れが残ったままなんですけと! これは仕様でしょうがないんでしょうか!? 全治二ヶ月って完治と別の意味なんですかぁあぁああ教えてくださぁああああいッッッ!)
 効果は弱めから作用が始まり、やがて眠気が強くなりだし、いつの間にか眠っているといった効き方をする。
 しかし、長く作用するという利点は不利点でもあり、翌日の寝起きから暫く、数時間ほど眠気と倦怠感が残留してしまうため、早朝起床や熟眠障害などを患っていない患者が使用すると、日常生活に支障が現れる可能性が、かなり高いと言ってもいいだろう。
 基本的に超短時間~短時間作用型の別の睡眠導入剤と供用して使われるため、はじめのうちにこちらだけ半錠から半々錠で試してみるのもいいかもしれない。こちらは効き過ぎると怠くて仕方ないのだ。
 ちなみに、スニッフすることで体感する効果が変わる睡眠薬は、完全に主観だが、これを含め四剤のみだった(ニトラゼパム、フルニトラゼパム、エリミン、マイスリーの四剤。これ以外でもスニッフ未経験やそもそも入手経験皆無の物があるため、それらについてはなにもいえない。また、個人の体質により左右される。ナンバー1ではない、オンリー1があればいい!)。
 スニるとエリミンに類似した効果を体感し、私的に珍しい睡眠薬best5に入る勢いで驚いてしまった睡眠導入剤のひとつでもあるのだ。

○ベゲタミンA(コントミン+フェノバール+ヒベルナ)
『半錠だけでも異常なレベルに効く、残酷ともいえる強い催眠作用。飲んだら最後、その日はまともな動作ができず普段の生活を送れなくなること山のごとし、異様な眠気の強さは雷のごとく! まさに、とある向精神薬に関する書籍(※薬ミシュラン)に記されていた『飲む拘束着』という異名にふさわしい! やや早めに作用し強烈な催眠の濁流を押し込めてくる超時間作用型の脅威度インフレ系の睡眠薬! ベゲタミンッ!』
(1T)
催眠鎮静/●●●●●
抗不安 /●●●●
筋弛緩 /●●●●○
抗痙攣 /●●●●
発現速度/●●●○
持続時間/●●●●●
依存性 /●●●●●
乱用性質/●●○
──────────
睡眠薬(※抗てんかん薬としても扱われている。)
Tmax/1.4h
T1/2/119h
剤型/配合錠A 配合錠B の配合成分の比率等が異なる二剤
 Aは赤色、Bは白色、ともに糖衣錠であり、睡眠薬の中では大きめの薬である。
 元はてんかん用に使われていた薬で(今も?)、どちらかといえば強力な睡眠薬として活用する例が大半なのではないだろうか(どちらにしても、現在は製造停止からの処方終了と流れるように辿っていき、現在では正規に入手する手段は存在しない。一部の酷い不眠症の通院している患者には困る方も少なくなく、代替に出せるような睡眠薬もそうそうないため大変悩んだと書き残している心療内科医や精神科医の方のブログ記事もまま見受けられた)。
 他の睡眠導入剤と大きく異なる点は、まず最初に挙がるのは強さの次元。
 ほかの睡眠薬にも、確かに強さの違いは有りすぎるぐらいある。しかし、それらはベンゾ系睡眠薬の強さを、例として『強弱カテゴリー第2類』として、ベルソムラや抗不安薬を睡眠薬の代わりに使う場合を『強弱カテゴリー第3類』としてみる。
 こうしたとき、ベゲタミンは『強弱カテゴリー第1類』にカテゴライズされる強さを誇っているのである。
 とはいえ、効き方は、とても良い効き方とはいえない。確かに強く作用するが、通常のベンゾ系に多々見受けられた『ホッとする入眠前の安心感』がないのだ。
 飲んだら、時間が経つに連れて段々と動きたくなくなっていく。無気力にさい悩まされたかと思うと、次は眠気が現れると共に、思考力は次第に低下を始める。そして、強まっていく催眠には、素面では到底敵わない。最大の催眠作用によって、意識は有無を言わさず剥奪されてしまうのだ。
 飲んだら最後、眠ること以外に何も考えられなくなってしまうともいえよう。寝ないよう耐えても、一度眠るまで無気力や倦怠感は収まらない。
 横になった瞬間(いや、横にならずとも)、ストッと眠りに落ちてしまう。そして、そのまま長時間起きられない、長く深い眠りに封じ込められるのだ。
 眠る瞬間の心地好さなどという甘い感情は存在しないどころか皆無。正直に言わせてもらうなら、ベゲタミンAを2錠以上飲まなければ眠れない、という難病レベルとさえいえる辛い不眠症の方は、極稀にしか存在しないのではないかと推測してしまう。
 睡眠薬OD(過剰摂取)での自殺は難しく不可能と言っても過言ではない(ただし、後遺症の有無は考慮しないものとする)ーーというのが、医薬品や乱用スキーなひとから自殺や自傷に詳しい知識人の方まで共有して抱いている共通認識である。が、そんななか、こいつは例外である。
 間違ってもODしてはいけない、と断言しよう。たとえばハルシオンなどは万単位の錠数でも死に至る量とはいえないらしいが、ベゲタミンAは30錠前後が致死量なのである。10錠ですらポックリ逝って起きないままの状態に変貌する恐れさえもある危険性のやや高い向精神薬といえよう。
 外来で処方されることは元からなかなか少なかったらしいが、ついに2016年製造が完全に停止された。御臨終である。大往生といえる旅立ちであった。今までの成果に感謝を告げながらお別れを口にしようじゃないか。
 そして、数少ない処方されている患者への対策は、医師により頻度や特徴は変わるものの、大きく分けて二つの手段どちらかひとつを取ることになるのは想像に難くない。
①ハルシオン0.5mg+ロヒプノール4mg(+抗不安薬)といった、やや暴力的な処方量で対抗する。
②処方している睡眠薬は特に変えない、もしくは最大量まで増やすに抑える。それとは別に、処方制限に掛からない範囲(カテゴリー)の向精神薬から不眠に有効な薬をチョイスするといったテクニカルな方法(コントミンや
 ちなみに、私が覚醒剤に依存していたとき、切れ目の落としに使っていた割合1位の眠剤である。
 いくら覚醒剤とて、ベゲタミンAの強力な入眠作用には抵抗しきれない。いや、抵抗したら健忘しながら暴走してしまう。

○ベルソムラ(スポレキサント)
『意外に効く……ていどの効果しか期待できない。擬似ナルコレプシー状態を誘発するという、不思議な作用をするおクスリ』
(20mg)
催眠鎮静/●●●
抗不安 /○
筋弛緩 /○
抗痙攣 /○
発現速度/●●●○
持続時間/●●●
依存性 /●○
乱用性質/○
──────────
オレキシン受容体作動薬
Tmax/1.5h
T1/2/10h
剤型/15-20mg
 マイスリーの感覚に近い。マイスリーが弱くなったらこんな効果なのかな~といった入眠剤。しかし、作用時間が長いせいか翌日に少々引きずるのが難点。使いがっては良くもなく悪くもなく、普通といった感じ。嫌いではない。

○リスミー(リルマザホン)
『お前さー、もうマイナートランキライザーに転職しろよ! 何度裏切られたことだか......。遅くて弱くて安心ね!』
(2mg)
催眠鎮静/●●○
抗不安 /●○
筋弛緩 /●○
抗痙攣 /○
発現速度/●●
持続時間/●●●○
依存性 /●○
乱用性質/○
ベンゾジアゼピン系
Tmax/3h
T1/2/10.5h
剤型/1-2mg
 10時間効果ですが、実際には感じ取りにくいため、もっと短い可能性が高い。つまり、実際に作用する時間は数値より……短い。
 そして、効果発現までにかかる時間があまりに長い。長時間作用型の入眠剤並みに発現するまで間が空くほど……遅い。
 しまいには、入眠不可だった結果などから、効果が確り実感できず、というか抗不安薬より弱い催眠作用、かといって抗不安作用もほぼない、抗けいれん作用も筋弛緩作用も、ベンゾに基本備わっている効果が体感できないくらい……弱いッ。
 いろいろ考えた末、たどり着いた答え=リスミーの使い道なんてひとつも……ない。ひとつも……なかったッ!
 おまえ本当にベンゾジアゼピンかよ?
 もしもしたらペンソシアセヒン系のマイナートランキライザーなんじゃないの?
 睡眠導入剤に、『いつ効いたかわからない』っていう依存性に対する気配りは不要だから!
 効く=入眠しなきゃ基本的に意味ないカテだから!
 そもそもおまえの場合は気配りとかではなくて、単に『眠れないから効いているのかすらわからなかった』だけだから!
 眠れないまま、かといえわかりやすい抗不安や筋弛緩作用はないまま……ただ怠さをかさ増ししただけだろうがッ。
 抗不安作用・催眠作用どちらにも突出しておらず、かといって筋弛緩作用も皆無で使えぬ。抗けいれん作用も、おそらく微弱だろうと予測できる。
 利点として唯一挙げられるのが、未だに個人輸入が可能であるという点。それが唯一にして最大のメリットとぶっちゃけてしまおう。

※リスミーに対する限りない無礼千万に読めるかもしれない。あくまで私の五体(5-TAI)ーー体質、体重、体型、体調、耐性といった五つーー私の5タイでの一個人の意見&感想でしかないと、改めて述べさせていただきたい。
 許して、リルマザホン!

○エバミール/ロラメット(ロルメタゼパム)
『短時間型の睡眠薬では最近は睡眠薬全体で二番目に好きロラメット! キャー、ステキ、ダイテッ! フルニトラゼパムを処方されている現状、もうひとつの睡眠薬として選んでいるほど好意度はアップしている真っ只中。むしろサイレースやめてロラメット2mg/dayにしてほしいくらいだ(なぜかデパスにめっちゃ似てるんだもん☆ミ)』
(1mg)
催眠鎮静/●○
抗不安 /●●●●●
筋弛緩 /●●○
抗痙攣 /●
発現速度/●●●●
持続時間/●●●
依存性 /●●●○
乱用性質/●●○
──────────
ベンゾジアゼピン系
Tmax/1h
T1/2/10h
剤型/1mg
 飲むと目眩といった副作用が出たため、自分の体質にはあわなかったーーと思いきや、現状(2018年)処方してもらっている睡眠導入剤二種の内のひとつにしているくらい気に行っている。
 催眠作用は、正直デパスに毛が生えたレベルでしかないため、フルニトラゼパムと共用が常となっている。
 ロラメットの素晴らしさは、思わず睡眠導入剤だと忘れそうになるほど強い、抗不安作用に秘められているのだ!
 正直、睡眠薬にしては高い、ではなく、エチゾラムやロラゼパムと同じくらいの力価を誇っている!
 そして弱いながらも催眠作用はあるため、フルニトラゼパムと共に不眠対策に使うと、より安心するような睡眠へ誘ってくれる……そんな睡眠薬ロラメット。
 おすすめ睡眠薬五指の一指に数えられるくらいおすすめしたい。

○レンドルミン(ブロチゾラム)
『マイルドだけど使い勝手はなかなかいい。短時間作用型もなかなかやるじゃんかコイツ~ッ!』
(0.25mg)
催眠鎮静/●●●●
抗不安 /●●●
筋弛緩 /●●
抗痙攣 /●
発現速度/●●●●
持続時間/●●●
依存性 /●●
乱用性質/●○
──────────
チエノジアゼピン系
Tmax/1.5h
T1/2/7h
剤型/0.25mg(0.125mg)
 入眠障害・中途覚醒の両方とも対処できるオールマイティーな効果範囲でありながら、効果の強さも良い塩梅。
 フルニトラゼパムを限りなくマイルドにした感じの作用であるが、だからといって、決して劣っているとかいいたいわけではない。
 サイレースと比較すると非常に穏やかな効き上がりであるため、使い勝手はこちらなほうがいい場合もあるだろう。
 短時間作用型は、なぜかどれも中途半端だよな~ーーと思っていたときの自分を殴ってやりたい。デパス、レンドルミン、リスミー、ロラメットというペンソシアセビン系ひとつを除けば、どれもこれもいいレベルのラインナップだな、そういえば……。

○デエビゴ(レンボレキサント)
『サイレースが全く効かなくなったベンゾ耐性持ちに有効か!? ベルソムラより効き目がハッキリしていると噂のデエビゴ、頼むぞ!』 
(10mg)
催眠鎮静/●●●●○
抗不安 /○
筋弛緩 /○
抗痙攣 /○
発現速度/●●●
持続時間/●●●●○
依存性 /●○
乱用性質/○
オレキシン受容体拮抗薬
Tmax/1.55h
T1/2/31.55h
剤型╱2.5-5-10mg
 ベルソムラより効く気がする。非ベンゾ並みの効果があるかと聞かれたら確かに効くかも……。
 ただ吐き気のような不快感が寝る前に現れた。副作用か否かはこれから使っていくうちに判明するだろう。
 依存性が薄い点は優れている。ベンゾに耐性がついているなら使ってみるのもいいかもしれない。
 ベルソムラより速めに薬効が現れベルソムラより早く効果が切れるため眠気が残らないようになっている……らしい。本当か? 正直、サイレースなどでも眠気が残った感じがしない自分にとってはあまり気にならない部分だが……。効き始めるタイミングはベルソムラとそんなに変わらないぞ。
 半減期が一日以上あることからわかると思うが、これも飲み続けていくうちに薬効が強まる薬である。なので一回しか試していない今、評価するのもおかしいかもしれない。なのでパラメーターは後々変わるかもしれないことを留意してほしい。
 三日試した感じだと、使うたびに薬効が安定してくる。たしかに眠気が日中残る。主観だとベルソムラより眠気は残る。悪夢は見ないが、夢見の頻度がやけに上がる気がしてならない。

長くなってしまいすみません。次回は精神刺激剤にしようかな。抗精神病薬や気分安定剤はほとんど試したことないですし……。

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