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呪われた彼女(意味が分かると怖い話)

 付き合って2年くらいたった時だ。恋人が気になることを言い出した。

「私って呪われた女なの」
「呪われてるって?」
「私と今まで付き合った男性はみんな死んでいるの。突然の不整脈で亡くなったり、家が火事になって亡くなったり、夜釣りの最中に海に転落して亡くなったり・・・前に結婚を約束した人はクロイツフェルト・ヤコブ病というまれな病気にかかって亡くなったの」
 クロイツフェルト・ヤコブ病といえば大学院時代に隣のラボのいけすかない奴が研究していたやつだな。

「それは災難だったな。それで自分が呪われていると思ったんだ」
「だから、別れてほしいの。あなたのことが愛しいからこそ、こんな呪われた女に巻き込まれてほしくないの。あなたには死んでほしくないの」
「ハハハ、そんなわけないじゃないか。俺が死ぬわけないよ。大丈夫さ」
 俺は笑い飛ばした。
「どうしてそんな自信を持って言えるの?」
「どうしてって言われてもなあ」
俺はそんな呪いとやらに絶対に巻き込まれない自信があった。














答え
「俺」は相手の女性のことを長年ストーキングしており、近づく男性を片っ端から殺害していた。だから自分だけは絶対に巻き込まれないと確信していたのだ。最初の人物は塩化カリウムか何かを注射されて、最後の人物は「俺」が隣のラボから盗んだ変異プリオンを飲まされて殺害されたものと思われる。


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