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「あの花」の安城鳴子は海外に行っても恥ずかしいという話

 その昔、ノイタミナ枠で放映されていた、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」というアニメがあった。その中の登場人物で、主人公達の幼馴染が安城鳴子というキャラクターである。

 安城鳴子はあだ名が独特であることが話題を呼んだ。安城鳴子を略して「あ◯る」である。主人公たちは当時小学生だったのでこの単語の意味を知らなかったが、後で意味を知って彼女はショックを受ける。

 そんな悲運に見舞われた安城鳴子さんだが、彼女の名前は海外に行ってもヤバい響きになってしまう。海外で「ナルコ」といえばすなわち麻薬のことを意味するのだ。narcoという接頭辞は本来は麻痺や昏睡に関する単語に使用する。例えば日中に眠気を抑えられなくなる病気のナルコレプシーなどが良く知られている。ただし、一般には「ナルコ」といえばやっぱり麻薬の意味である。コロンビアの麻薬密売人を描いた「ナルコス」というドラマもあった。麻薬カルテルやら麻薬輸送用の潜水艦やら、麻薬絡みのあれこれはだいたいナルコなんちゃらといった単語にされる。

 安城鳴子さんは恐らく世界の大半の国で麻薬っぽい名前だと思われるだろう。残念ながらスペイン語でも「ナルコ」である。多分、安城鳴子さんは名前を使うのではなく、愛称を使った方がいいだろう。例えば「あ◯る」であれば、発音が違うので外国人は下品な意味と受け取らないはずだ。

 安城鳴子さんの呼び名問題は根が深いのだった。

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