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<MBTI比較㉙>INTPとINTJの違い

 おまちかね、INTPとINTJの違いである。両者共にマニアックな知識を持つ頭のいい性格タイプであり、INTPもINTJもネット上にわんさか存在する。特にネット上で発信する側に回るのは両タイプがほとんどである。それほどまでにINTPとINTJはインターネットとの相性がいい。当然、16タイプ性格診断にも両タイプは興味を持つことが多く、性格診断のアンケート結果を見ると一般社会で中々お目にかかれ無いはずのINTJが大量に存在している。

 また、両者はやや社会不適合気味なところがあるタイプでもある。小中学校のスクールカーストで上位に来ることはまずなく、体育会系適性も非常に低い。大学のようなところとは相性がいいが、マッチョイズムを押し出す会社とは相性が悪いだろう。

 今回は両者の違いにフォーカスし、考察していきたい。

INTPはオタク、INTJは微妙

 INTPの特徴はオタクだ。これ以外の表現は思いつきそうにない。興味があることをとことん突き詰めるタイプであり、しかもマニアックな知識を大量に保持している。S型の場合は収集家や体験で終わりそうなところを、INTPはやたらとオタク語りし始めるようだ。また、創作意欲も高い。

 これに対し、INTJはオタク的なところはあれど、INTPには遥かに劣る。INTJは目標達成志向の強い能力主義者であり、自分の好きなことは「趣味」として判断の枠に入れ込むことが多い。INTPのように興味の赴くまま好き勝手に知識を収集するという傾向はそこまで強くないだろう。中にはある種の出世志向なのか、体育会系や陽キャのように振る舞おうとし始めるINTJもいる。

INTPは自由人、INTJは堅い

 両者の大きな違いだろう。INTPはいわゆる「天才博士」のような振る舞いが多い。自由気ままに好きなことを突き詰め、新しいことで評価されるのを好む。一方で興味の無いことは放置だ。髪の毛ボサボサの「博士」キャラは確実にINTPだろう。ENTPほどではないが、INTPもかなり反権威的な傾向が強く、年次が上の人間や業界の慣例を無視したアイデアを生み出し、しばしば顰蹙を買う時がある。

 一方でINTJはもうすこし「堅い」。INTJも学術的好奇心は強く、学者の道に憧れる人間が多いが、より権威的な傾向が強い。INTJは論文の評価とか、学会での序列を気にする傾向が強く、自分の専門に対して好き勝手に語るということも少ない。INTJを例えるならば「天才博士」というより「大学教授」だ。INTJはINTPに比べて異論を許さないという傾向が強く、しばしばアカデミアの見解に反する人間に対して苛烈な攻撃を加えることがある。

INTPは会社向きでなく、INTJは大抵が有能

 INTPは興味のあることや得意なことであれば成果を発揮するのだが、一般企業で集団に混じって出世していくような環境には不向きだ。INTPはしばしば高学歴難民のような状況になりやすい。一般企業で働いたり出世することにさっぱり興味が持てない人間もいる。INTPは専門職向きであり、ジェネラリスト的な業界には向かないだろう。

 INTJの場合は少し異なる。INTJは興味よりも評価や権威に重点を置くタイプだ。INTPと違って「ちゃんとしている」ことにこだわる傾向が強い。したがってINTJの方が仕事や組織社会との相性は良い。とはいえINTJも専門職向きであることは間違いないだろう。

INTPは勉強がそこそこでき、INTJは勉強がかなりできる

 INTPもINTJも賢いとされる性格タイプだ。実際にIQを測ってみると両タイプが一番高いらしい。INTPもINTJも抽象的な思考を得意とするし、難関大学に在籍していることが多いので、たしかに頭がいいことは確かなのだろう。

 ところが、INTPとINTJの学業成績を比べるとINTJの方が上位であることが多い。というのも、INTPはそこまで勤勉ではないし、興味によって科目にむらがあるケースが多いからだ。INTPは内申点が悪い傾向にあり、公立高校の入試では苦戦するケースが多いだろう。

 INTJはより勤勉で成績優秀なので、偏差値は高い。超難関大学はINTJの出現率が一般社会では見られない水準となっている。全タイプで最も成績がいいのは間違いないだろう。

INTPはアイデアマン、INTJは権威的

 これまた両者のあまり見えにくい違いである。INTPは柔軟な思考を持っているため、新奇なアイデアに対して好感を持つことが多い。間違っていてもいいからとりあえずアイデアを口にしてみたいという人間がいいのである。

 INTJの場合は遥かに権威主義的であり、不確定の情報に関しては嫌悪することが多い。INTJはかなりエビデンス重視である。したがって少しでも間違っていたり、業界の定説に反した言説はINTJにとって極めて不快に感じられる。断定的な判断を好み、硬直的なJ型の性質そのものか。

 INTJはかなり攻撃性の高いタイプと言われるが、INTPも不用意に人の批判をする傾向が強いので、どっちもどっちかもしれない。

正直なINTP、逆算思考のINTJ

 両者のNT気質の出方の違いを一言で言うとこうなるだろうか。INTPは考えるのが好きだが、単に好きなことをやっているだけで、何かに役に建てようとするのは二の次だ。目標云々ではなく、自由気ままに振る舞うのがINTPという人種だ。

 INTJの場合は目標達成志向が強く、目標から逆算して計画的に物事を進める傾向がある。INTJから見るとINTPの振る舞いは非効率・非合理的に見えるし、遊んでいるように見えるだろう。INTJが何かを頑張っている時は、基本的に本人の価値観から導き出された何かしらの目標があり、それを達成するために合理的な行動を逆算しているのだ。

まとめ

 両者は高学歴にもインターネットにも多いタイプだ。世間の言論活動の半分は彼らによるものかもしれない。INTPもINTJも隣の席の同僚と話すのは苦痛だが、遠い誰かに文章を読ませるのは得意である。

 ただし、両者にはそこそこの違いがある。INTPはあまりマジメなタイプではなく、好き勝手に趣味を極めているタイプだ。集団や組織に対する従属性に乏しく、そもそも興味が乏しいため、しばしば高学歴社会不適合に例えられる時がある。

 INTJの場合、もう少し勤勉で組織的なので、出世度は高いだろう。大体の業界でINTJは何かしらの強みがあるスマートな人物として捉えられており、INTPに比べて欠点を隠す傾向が強いので、しばしば隙のない人物に見られるだろう。INTPに比べて遥かに「社会」で出世することにこだわっているようだ。隠遁生活を志向する者もいるが、それにしても本人なりの確固たる信念を持っていることが多い。


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