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<MBTI比較㉕>ENTPとENTJの違い

 今回はENTPとENTJの違いである。

 PJ軸の違いは状況によって分かりやすくもあり、分かりにくくもある。普通の小中学校のような場所では子供はP型であることを求められるので、J型の人間もある程度P型にように振る舞うことがある。社会人の場合はJ型らしく振る舞うことが求められるので、P型もある程度J型のように振る舞うことが求められる。大学の場合は一番P型とJ型の違いが分かりやすく、容易に見分けることができる。会社でP型に見える人物は確実にP型だが、J型に見える人物がどちらかは簡単には分からない。小学校の場合は逆である。

 ENTPとENTJはどちらも自分の考えを外部に発信することを好み、社交的でエネルギッシュなタイプである。どちらも他者、特に優秀な人間との繋がりを求める傾向があり、社会で活躍することを人生の目的とするところがある。また、多かれ少なかれ目立ちたがりである。SNSのような承認欲求競争には巻き込まれやすいと思う。

ENTPはユーモラス、ENTJはつまらない

 両者を見分ける上で一番重要な点だと思われる。

 ENTPは大体いたずら好きそうな顔をしており、かなりユーモラスだ。公の場でふざけることを躊躇しない。流石に社会的な立場などもあると難しくなるが、飲み会のような場では本性を明らかにしてくれるだろう。

 ENTJはユーモラスなタイプではない。元々冗談が思いつくタイプではないのだと思う。ENTJは社交的で、積極的に人と交流するタイプではあるが、「社交」の域をでないだろう。ENTJのコミュニケーション相手は社会経済上の必然性に関わることが多く、純粋に楽しいから一緒に関わるというケースは少ない。

ENTPは常にふざけており、ENTJは冗談が通じない

 ENTPは常にふざけている。色んな意味で自由奔放な人間であり、そう生きるのが人生の目的になっている。ENTPがマジメな表情をしている時は、そうしないといけない時に限られる。ENTPにとって真面目さとは手段でしかなく、必要がなければすぐに普段のふざけた態度に戻るはずだ。ENTPの見分け方は社会経済上の必然性が無くなった途端に本来の姿が現れることだ。例えば強面の大物政治家がブログでは変な冗談を飛ばしている、といった具合だ。

 一方でENTJがふざけている姿を私は見たことがない。彼らは常に生産的な方向に活動を進めたがるし、必ずしも具体的でなくとも、「役に立つ」という観点から活動を進めるところがある。小中学校ですら、ENTJは遊びを社交の一環と捉えていたフシがある。一軍の遊びに頻繁に参加し、顔を打っておけば集団内での地位が向上するからだ。

ENTPは自由人、ENTJは仕切り屋

 ENTPは好き勝手に行動する。仕事中に問題のない範囲でふざけたり、といった感じだ。したがってENTPは組織や集団への従属性に乏しい。ENTPが天邪鬼的なキャラクターと捉えられる原因だろう。人前で目立ちたいのだが、組織の決め事には従わないので、反論者というポジションになってしまうのだ。実際にENTPの有名人、たとえばホリエモンや落合陽一のような人物は既存社会の常識に反抗したがるところがある。

 ENTJも組織にそこまで従属するタイプではないのだが、秩序というものにはそれなりに信頼を置いているタイプだ。したがって組織や集団といったものに、ある程度は合わせることが多い。単なる組織のロボットになるのではなく、組織の決め事を守った上で自分なりの自律性を見出し、上がっていこうとするタイプだ。

 両者の違いは一般的なイメージにも現れている。ENTPは議論好きだが、アイデアの発散に興味があり、実際に組織を率いてプランを着実に実行するところには興味がない。ENTJはより現実的で責任感が強く、アイデアは実現して始めてアイデアだという信念がある。したがってENTJはしばしば司令官とか経営者と言われる。ENTPは気まぐれで新しいアイデアを出したり、権威に論戦をふっかけたりするが、ENTJは遥かに慎重である。

ENTPは目立ちたがり、ENTJは上昇志向

 ENTPもENTJも競争心が強いタイプなのだが、両者のエネルギーの向け方は異なる。ENTPは自由人であり、やりたいことをやるのを重視する。ENTPは目立つ行動を取れれば良いと考えるところがあるし、良くも悪しくも型に囚われない。

 ENTJはより秩序正しい上昇を志すので、組織や集団での自分の立場をメタ認知し、それをもとに出世していこうとする。「出世」という概念はENTJの価値観ととにかく相性がいいと思う。ENTPは手段は問わず、最終的に儲かるか有名になれればいいと考えるが、ENTJはもう少し社会的な評価の枠組みに適合している上昇を志す。例えば国会議員をやめてコメンテーターとして活躍している杉村太蔵氏はENTJの視線では落ちこぼれだが、ENTPの視線では成功していると捉えることもできる。

ENTPは地頭は良くても成績が悪く、ENTJは成績優秀

 両者の違いの一つだろう。ENTPは世の中の平均よりも頭がいい人が多く、進学校のような場所ではたくさん見ることができる。しかし、飽きっぽく不真面目なので、必ずしも成績優秀とは限らない。進学校から落ちこぼれて適当な大学に進学したが、起業で頭角を表すと言った人物はENTPが多い気がする。

 ENTJはそのようなことはなく、かなり成績優秀である。しかも独特の能力主義・完璧主義的なところがあるため、成績以外の物事に関しても張り合う傾向がある。文武両道の出来杉君タイプがENTJの理想だろう。

まとめ

 両者は目立ちたがる・革新的・完璧主義・競争志向という点で良く似ている。ただし、自由に動きたがるか、秩序正しく動きたがるかという一点が大きく食い違い、両者の気質の差異をもたらしている。

 ENTPは革新それ自体を好むアイデアマンであり、柔軟な発想が強みだが、実現面にそこまで重きを置かない傾向がある。したがって組織や集団ではENTPはそこまで好かれないことが多い。ENTJも似たようなところがあるが、自分が先頭にたって他人を率いることがを志すので、より組織的な行動に向いている。ENTPは身軽な状態がベストであり、ENTJにとっては大組織のリーダーと言う状態がベストである。

 また、雰囲気も異なる。ENTPは基本的にふざけているが、ENTJは一貫して優等生的だ。実際にP型とJ型の違いの多くはこの一貫性にある。P型は必要がない時は自由気ままだが、J型は公私共に一貫していることが多い。

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