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<MBTI比較⑦>ESTJとISTJの違い

 今回はESTJとISTJの違いである。16タイプ診断の界隈にこの二種類の人種はほとんどいないだろう。中高生であれば興味本位で他人からやらされることも多いだろうが、20歳すぎるとほとんど興味を持たないと思われる。世間一般でこの二種類の性格の持ち主は多いにも関わらず、16タイプ診断で「私はESTJです!」という人は少ない。というか皆無だ。

 ESTJとINTJは気質が結構似ている。どちらもマジメで勤勉だ。ユーモアの類はあまり解せず、社会で決められたことをきっちりと守るタイプだ。学校では成績優秀であったことが多いだろう。同じ成績優秀者でも、XSTJとXNTPは全く話が噛み合わないだろう。知的好奇心で突っ走るXNTPと、内容に興味はないが、マジメに勉強することを重視するXSTJでは水と油だ。私にとって高校の勉強は楽しくてたまらなかったのだが、宿題をやるタイプではなかったため、ISTJのような生徒からは嫌われていたと思う。

 ESTJとISTJの真価が発揮されるのは社会に出てからだ。彼らはルーチンワークを苦にしないし、組織の命令をきっちり守る。「役に立つこと」それ自体を重視する人々である。マシンのように働く彼らはINFPやINTPから見ると人間離れしているように見えるだろう。

 とはいえ、ESTJとISTJの見た目は大きく異なる。今まで見てきたどのタイプよりも大きいかもしれない。

ESTJは体育会系、ISTJはガリ勉

 ESTJは概ね陽キャだ。小学校では必ず一軍にいただろう。常に休み時間は外でドッジボールをしている。ただし、ESFPやESTPのような遊びを次々と考えるタイプではない。中高時代は部活に熱心に取り組むことが多く、しばしばキャプテンを任せられる。一軍ではあるが、休み時間は部活の練習をやっていることが多く、渋谷の街に繰り出すタイプではない。アメリカのスクールカーストで例えるところの「ジョック」だ。一部の大人からはこうした生徒は模範的な少年として扱われる。

 一方のISTJはそこまで陽キャタイプではない。イメージは卓球部だろう。文化部や塾で忙しくて部活に来ないタイプもいる。いわゆる学級委員長キャラだろう。ISTJはあまり面白いタイプではないので、一軍にいることは少ない。二軍の、目立たないが漏れないタイプという印象だ。勉強は得意で、中間期末は高得点を取ることが多い。しかし、難関校受験や高校課程など、勉強が難しくなってくると、ISTJはINTJに勝てなくなってくる。

ESTJは出世志向、ISTJはコツコツ型

 ESTJはかなり出世志向が強い。ENTJのように主義主張や自己像があるわけではないのだが、とにかく上に行きたがる。特に理由はないのだろう。E型は所属集団の中で優位に立つことを重視するし、ESTJは特に組織的行動と相性が良い。

 ISTJはESTJほどの野心はない。ただマジメな印象だ。仕事はきっちりやるべきだと思っているし、実際に仕事ぶりは熱心だが、マウントを取ったり華やかな地位を手に入れようというモチベはない。それよりも自分のテリトリーを守る方が大切だ。熟練した一流の職人や、個人競技のアスリートという人種はISTJらしいだろう。

ESTJは会社員向き、ISTJは事務職・技術職向き

 ESTJの強みは随一の組織適性だ。したがって会社組織のような場所ではESTJは無類の強さを発揮する。ESTJは組織の考え方に染まるし、従順なソルジャーとなることが得意だ。

 一方のISTJはESTJに比べておとなしい。うるさい職場や人付き合いを要求される職場との適性も良くないだろう。自分ひとりのペースで黙々と働ける場所の方が好きなはずだ。ISTJは事務職や技術職といった職に適性がある。飲み会を重視する大企業はストレスだし、アンフェアだと思うだろう。

一見わかりにくいESTJという人種

 私にとってはESTJという人種は長年の謎だった。陽キャではあるが、ESTPやESFPのような享楽性が全くないのである。一方でENTJやENFJのように、なにかの考えがあって頑張るタイプでもない。

 この疑問は16タイプを知ることで解消した。ESTJの人々はISTJが外向的になっただけだったのだ。見た目は陽気なのだが、中身はISTJと変わらないと考えると、途端に腑に落ちた。ESTJをよく見ると、たしかに自分からユーモアを言うことは少ない。反応が大きいので「面白い」という風にされているだけだ。ESTJの人間は会社の飲み会だと司会進行や注文役との相性が良く、このような人種が主導権を握るとしばしば「儀式」のようであまり楽しくない飲み会が誕生する。

 その反面、ISTJは非常に分かりやすい。絵に書いたようなマジメ人種だからだ。IS型は影が薄い事が多いが、ISTJはかなりキャラが立っている。マンガにもISTJキャラはしばしば登場する。16タイプの中でも最初に把握できた人も多いだろう。

まとめ

 今回は16タイプの中でも比較的界隈に登場することが少ない、ESTJとISTJを取り上げた。16タイプの愛好家はこれらの性格タイプに異質さを感じる者も多いようだ。

 しばしば16タイプの中では「悪役」のように扱われるESTJだが、実際はそこまで有害なタイプではない。あまり自己主張がないので、単にエラい上司という雰囲気に留まる。ESTJは集団に染まるので、個人として何かを行うことは少ないはずだ。ESTJが誰かを追い詰めるときは、組織がその人を追い詰めている時と考えるべきだ。個人としてのESTJはさっぱりとした人が多く、ESTPやENTJと比べて危険性は低い。

 ESTJもISTJも例えるならば「機械」のような性格である。忠実に職務を果たし、社会の役に立つのがライフワークだ。仕事のようなタスクが与えられていると彼らは安心感を感じるはずだ。我々の社会は彼らの地道な奮闘によって支えられているのである。

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