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<MBTI>世界の国民性を16タイプで考える

 前回の記事では日本人の国民性はISFJであると述べた。https://note.com/luciferlove/n/n65f39f14e8e7

 感想ベースになってしまうが、他国の国民性についても書いてみたいと思う。


韓国

 韓国人の国民性はESTJである。韓国人は非常に賢く、日本人よりも勤勉だ。競争心も遥かに強い。近年の韓国は無限競争社会と言われる。受験戦争を勝ち抜いた後は就職活動で戦い、入ってからも延々と出世競争である。韓国企業は権威主義的で競争的だ。こうした特徴はTJ型に良く当てはまる。韓国人は独特のプライドの高さがあり、どうにも他国人を見下しているように見えなくもない。

台湾

 韓国と比べると台湾人は穏やかだ。賢さは変わらないが、より寛容で心穏やかに見える。理工系の強さは韓国と同様で、台湾企業のTSMCは世界最大の半導体メーカーだ。台湾人の国民性はINTPと言えるかもしれない。

インド

 インド人の国民性は東アジア人とは大きく異なる。アメリカでは同じアジア人でも両者の社会的成功度が大きく違うことが指摘されている。東アジア人は医師やエンジニアが多く平均所得は高いのだが、大成功はしないのである。一方で南アジア系はGAFAの社長になったり国連大使になったりと大活躍だ。現在のイギリスの首相はインド系だ。インド人はとにかく雄弁で頭がよく、物怖じしない。彼らの国民性はENTPといえるだろう。

 余談だが、インド人ENTPと考えるとインドの成長が停滞している理由も分かる。N型は頭はいいが手を動かすのは嫌いだ。したがってものづくりとの相性が悪い。インドはIT産業こそ発展しているが、製造業が弱いことが成長にブレーキを掛けている。新興国の労働者階級に雇用を提供する手段は製造業以外にないからだ。インド人はインド以外で金持ちと言われる原因かもしれない。

カンボジア

 私は以前、カンボジアに旅行したことがあるのだが、現地の人が揃いも揃ってニコニコしたいい人だったのは驚いた。大人しくて控えめでノンビリしているのである。この国のどこにポル・ポト派がいたのか不思議でたまらなかった。隣国のタイは微笑みの国と言われるが、カンボジアもそんな感じだった。

 カンボジア人の国民性はISFPだろう。平和を愛する国民性と政治的争いは別物である。紛争と国民性に関する相関は存在しないと見て良さそうだ。

 なお、凄惨な内戦の最中もカンボジア人は温厚だったらしい。ポル・ポト派の兵士ですらそうだった。内戦が集結して暫くの間はポル・ポト派の幹部は堂々と首都で生活していた。特に復讐しようという人はいなかったらしい。今でも中級幹部以下はお咎めなしだ。いくらなんでも寛容すぎないかと思う。

ドイツ

 日本人はしばしばドイツ人に似ているといわれる。ただ、両者の国民性はかなり異質だ。どちらも製造業に強く勤勉なところは似ている。ただ、ドイツはとにかく規則に厳格で、冗談が通じないとされる。これは規律それ自体は重視していない日本人とは異質だ。ドイツ人のステレオタイプはISTJと言えるだろう。

 なお、ドイツでは南部のカトリック圏の国民は情に厚く、北部のプロイセンの住民は官僚的と言われる。一般に言われるドイツ人のステレオタイプはプロイセンのものである。

 ナチスドイツは両者を悪魔合体させた存在だ。バイエルン人は情に厚いが政治的に過激とも言われる。ナチス幹部はバイエルンの出身が多い。ナチスはバイエルンの過激さをプロイセンの官僚制の下に実行させたのだ。

イタリア

 これに対してイタリア人の性格はパリピそのものだ。イタリア人はESFPだろう。イタリア人はとにかくかっこよく、モテる。ニコラス・ケイジもレオナルド・ディカプリオもイタリア人だ。陽気で社交的で争い事からは身を引いて楽しく生きる人たちなのである。ムッソリーニの演説を見ていても、ヒトラーの狂ったような演説とは異なるセンスの良さを感じる。この国にレイシズムは似合わないのだ。

フランス

 フランスと言えば芸術である。産業革命でイギリスと大差がついても、絵画や文芸といった分野では他の追随を許さなかった。フランス人は詩的な表現を好むし、独特の気取った感じがある。フランス人の国民性はINFPだろう。

 フランスの哲学者のテキストを読んでいると、論理や洞察と同じくらいに表現の流麗さに気を配っているように思える。ドイツ哲学が堅くて難解な印象なのに対し、フランス哲学はよりソフトでキャッチーな見た目をしている。「エラン・ヴィタール」とか、「エクリチュール」とか、どこかで使ってみたい用語である。

スウェーデン

 日本の社会評論家は北欧を理想郷と見がちである。北欧は豊かで文化的レベルが高く、個性を尊重する国という事になっている。ここに関してはほぼ偏見だが、スウェーデンの国民性はENFJだろう。相互を尊重し、豊かに暮らしている意識高い系の国である。グレタさんもこの国の出身だ。

ロシア

 ロシア人の国民性は陰鬱で内向的な点が日本に似ているかもしれない。ただ、ロシア人の国民性はINTJだろう。 ロシア人は感情表出が少なく、人前で笑わない。国家元首からしてゴリゴリのINTJである。

 寒すぎて外に出ないで思索に耽るのか、ロシア文学は抽象的で奥深いものばかりだ。20世紀初頭の芸術を見ていると、ロシア・アヴァンギャルドを始めNTっぽい特徴が垣間見える。また、ロシアという国は産業に弱い一方で、軍事・宇宙・数学・音楽・チェスといった特定の分野には突き抜けている。こうしたところもNTっぽい。進学校やツイッターに生息するオタクはなぜかロシアの話が好きな人間が多いが、NT同士で共鳴しているのかもしれない。

アメリカ

 アメリカ人の国民性は伝統的にはESTPだろう。ヨーロッパ人の目から見るとアメリカ人は実用主義的で、文化水準が低いように見える。その反面金は持っている。ヨーロッパ人から見たアメリカ人は「金持ちカウボーイ」なのだ。かの名作の「グレート・ギャツビー」は近現代のアメリカを象徴する作品なのである。

 ただ、近年に関しては妥当か分からない。アメリカの気質を支えていた製造業は衰退している。代わって産業の中心となったのは都市部の知識産業だ。米系企業に象徴されるように、こうした人々の気風はENTJに近い。リベラルエリートの中心に位置するカルチャーだろう。

 したがって現在のアメリカはESTPを基調とする「赤いアメリカ」とENTJを基調とする「青いアメリカ」に分断されている。トランプは正真正銘のESTPであり、ヒラリー・クリントンがENTJと思われるのは両者を良く象徴している。

当てはまらない国

 中国やイギリスといった国はどうにも私の感覚で当てはまる性格タイプが存在しなかったので除いた。特にイギリス人の国民性に関しては私も良くわからない。貴族階級と労働者階級で全く雰囲気も価値観も異なりそうだからだ。

実際の国民の性格について

 なお、これまでに述べた性格タイプはあくまで一般に言われる国の個性をMBTIに当てはめただけである。実際の人口比とは別物だ。おそらくどの国でも性格タイプの人口比はISFJとかISFPが多く、ENTJやENFJが少ないという結果になると思われる。国民性というのはあくまでネタであり、真面目な社会学的検証には耐えない。

 また、実際に訪れると途上国の人間は総じてPっぽく見えることがほとんどだ。人種や宗教は関係ない。途上国はどこもかしこも管理がルーズなのだ。

 これは豊かな集団が貧しい集団を見た時に感じる普遍的な感覚かもしれない。幕末の日本に来た欧米人からは日本人はルーズに見えたようだ。外資系投資銀行に勤める人間が日系事業会社の人間を見た時の感想も似たようなものだろう。パフォーマンスの高い集団ほどJ型の要素が求められるのだ。先進国の人間がしばしば途上国のゆとりある生活を羨むのはこれが原因かもしれない。

 権威主義国家というといかにもJっぽく聞こえるが、実際に権威主義の国の国民はP型が多い。J型の国民は矯正しなくても言うことを聞くのでわざわざ権力で押さえつける必要はない。例えばパンデミックの際に日本人は全員がマスクを付けたが、外国では法律で矯正しないとマスクを付けない国が多かった。しばしば権威主義と構成員の関係性は矛盾をはらむものとなる。

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