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<MBTI比較㉓>INTJとINFJの違い

 今回はINTJとINFJの違いである。両者はいずれも頭のいい性格タイプとされることが多く、実際に学業成績で上位にいた人が多いだろう。私の知る限りでも、小学校や中学校でINTJやINFJの人物は難関大学に進学した者が多いと思う。

 INTJとINFJは雰囲気が一見似ているが、やはり気質は異なる。INFJをINTJとミスタイプすることはあるが、逆はあまりない。今回は謎めいた両タイプの違いについて考えていきたいと思う。

INTJは自己主張が強く、INFJは控えめ

 両者の間に横たわる非常に顕著な特徴だろう。INTJは自己主張が強い。少なくとも内心ではかなり強固な持論を持っていることが多い。堂々と主張する人もいればネットに放流する人もいるのだが、主張が存在しないINTJはあまり見たことがない。

 INFJにも主張はあるのだろうが、INTJのように主張することはまずない。INFJは自分の話をすることが少なく、内心で言語化できていないことも多い。一見沢山話しているように見えても、本心を主張しているというよりは、相手に気を遣っているケースが殆どだ。相手への気遣いが会話内容の芯に位置するのはFJ型あるあるといったところか。何かを考えていそうに見えるが、それが全く外に伝わってこないのがINFJという人種である。

INTJは競争心が強く、INFJはそこまで

 INTJは競争心が強い。何らかの点で問題を解決したり勝利に導こうと考える。INTJは独自路線を行くので、必ずしも世間が考える出世競争に乗るわけではないが、自分なりの路線と勝利条件は考えているだろう。INTJは自分の好む業界のヒエラルキーは信奉しており、意外に権威主義的な側面が見られる。

 INFJにはこのような競争心は見られない。INFJは熱心に働くが、これは自分の能力が人に認められたいということではないようだ。INFJは他人に対して優しいし、積極的に攻撃を仕掛けることはない。むしろ他人に喜んでもらいたい意識の方が強いと思う。

INTJはやや目立たない、INFJはかなり目立たない

 これまた両者の間にある違いだろう。INTJは底まで人前に出て何かをするタイプではないし、人間関係が広いわけでもない。ただし、INTJは独特の存在感を放っている。競争心の強さや自己主張の強さは外部にそれとなく伝わってくる。しばしば能力面で頭角を表すこともあるだろう。

 INFJはINTJと比べると目立たない。N型の中では最も目立たないタイプと言ってもいいだろう。人前で何かをすることを好まないばかりでなく、主張も控えめだ。INFJは人間が妙にできている人が多く、他人とのトラブルの回避がうまい。これまたN型の中では一番だと思われる。控えめだが無言で伝わってくる人望がある優等生というのがINFJの外観である。

INTJは学術寄り、INFJは社会寄り

 INTJは学術的な思考回路との相性が良い。数学・自然科学・社会科学といった物事への関心がINTJは強く、しばしば卓越した理解力を示す。INTJは高度専門職との相性が良く、法律・医学・ITといった項目への適性も高い。

 INFJはINTJほど物質的な興味があるわけではない。INFJは医療のように人間に関わる業界は好むが、数学や建築に興味を持つケースは多くない。INFJは何らかの形で社会貢献することを望む人々であり、学究それ自体が目的になるケースはINTJに比べると少ない。

INTJの瞳は鋭く、INFJの瞳はキラキラしている 

 理由は良くわからないが、両者の見た目の違いに良く見られる傾向だ。INTJは鋭い目つきをしており、隙のない雰囲気が特徴だ。子供だましの通用しない知識人といった感じだろうか。

 INFJの瞳は妙にキラキラしていることが多い。常に理想と未来を見据えているからだろうか。三島由紀夫・三浦春馬・ビンラディンといった人々の済んだ瞳は非常にINFJのそれに近いだろう。

INTJは孤立主義、INFJは常に人を欲する

 INTJは全タイプの中でも一番自律性が高いとも言われている。自分の考えをしっかり持ち、あまり目移りすることがない。T型特有の図太さも持ち合わせている。INTJは自分の考えることを実行し、他人の干渉を受けるのを嫌う。また、ENTJのように周囲に称賛されたいというモチベーションも乏しい。したがって、INTJは孤高の雰囲気を持つ。つるむのが嫌いなのだ。

 INFJも控えめという点では良く似ている。しかし、INFJは常に人を欲している。INFPやENFPのような友達感覚ではなく、もう少し節度を持った間合いに近いが、INFJは人と関わることを欲する。その間合いとやり方はINFJの考え方によって人それぞれだろう。

INTJは知識人、INFJはカリスマ

 両者は自分の考え方を発信して影響力を持ちたいという願望を持つことがある。ただし、その雰囲気は異なる。

 INTJは知識人的だ。議論を好むタイプではあるが、ENTPやINTPのようにざっくばらんではなく、自分の考えを理路整然と語るスタイルになる。異論反論に対する許容度は低い。反論されるような中途半端な意見は放出すべきでないと考えているところがある。

 INFJはカリスマ的だ。INTJのような理屈ではなく、心に響くような言葉選びを無意識に心がけている。INTJと違ってINFJの語りかけは論理が破綻していても何故か付いていきたくなる事が多い。この点はNT型とNF型で決定的に違うところだ。NF型からすると、NT型が自分の意見を相手に受け入れさせる時に、なぜ相手を怒らせるような言い方をするのか不思議でたまらないだろう。NT型が「論破」だとすれば、NF型は「感化」という言葉が近いように思える。

まとめ

 今回はINTJとINFJの違いについて論じた。両者は控えめな雰囲気が特徴的で、理想に走ることが多い。ただし、他の雰囲気は大きく異なる。INFJは自分語りが少ないためINTJと誤解されることがあるが、INTJがINFJだと思われることはまずない。当事者同士もお互いを全く違う存在だと考えているだろう。INTJはそこそこの野心家で、人を能力で見るシビアなところがある。INFJはより慈愛に満ちた性格で、人を切り捨てるのが苦手だ。

 両者の弱点は理想と現実の折り合いを付けられるかという点にある。INTJの悩みは業界で評価されないとか、自分の立てた目標が達せされないといった外的な要素だ。INFJの悩みは自分の不甲斐なさで相手に迷惑を掛けるとか、日頃の人間関係に罪悪感を感じるといったような内的な要素だ。トラブルになった時に周囲を批判するのがINTJ、周囲に知られぬまま1人で潰れていくのがINFJと言えるだろう。
 
 とはいえ両者の社会的な成功度は高い。勉強が得意で、社会の求める物事を吸収する能力に恵まれているからだ。優秀な両者は理想と折り合いを付けながら、社会で活躍し続けている。

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