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盗用(意味が分かると怖い話)

 俺は売れないコピーライターだ。この業界はセンスがすべて、いかに努力をしても目が出ない人がほとんどだ。そして業界を去っていくことになる。糸井重里みたいになれる人は一握りだ。ジブリのキャッチコピーなんてどれもこれも本当にセンスがいいよなあ。

 俺は苦肉の策で盗用に手を出すことにした。過去のセンスのいいキャッチコピーを全部パクってウェブサイトに使うのだ。もちろんこんなことをしたら逮捕と思うかもしれない。しかし、抜け穴は存在する。世界には著作権法の国際適用に関する「ベルヌ条約」に入っていない国があるのだ。そうした国のサーバーを利用すれば訴えられる危険性はない。仮にそれが日本向けのサイトであってもだ。

 俺は早速過去のジブリ作品のコピーをパクることにした。
「このへんないきものは まだ日本にいるのです。たぶん。」
「好きなひとが、できました。」
「私はワタシと旅にでる。」
「カッコイイとは、こういうことさ。」
「生きろ。」
「4歳と14歳で、生きようと思った」
「トンネルのむこうは、不思議の町でした。」
「猫になっても、いいんじゃないッ?」
「おちんこでたりもしたけれど、私はげんきです。」
「ふたりが暮らした。」

 糸井重里のキャッチコピーは本当に心地が良い。悔しいが、これが才能の差だ。この業界にいるからこそ、わかる。

 早速ウェブサイトに引用したところ、たちまち騒ぎになった。著作権法違反の対策は徹底しているので、反論しようがあるまいと高をくくっていた。しかし、問題視されているのは、そこではなかったようだ。














答え
 キャッチコピーの最後から二番目、よく見るととんでもない下ネタになっている。
 人間は単語の最初の文字と最後の文字が合っていれば問題なく文章を読み取れるらしいというネタ。さいょしと、さごいの、もじが、あてっいれば、もんいだなく、ぶんょしうを、よとみれる、らいしという、ネタ

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