優良銘柄紹介: 日比谷総合設備(受注高10.7%増、売上高11.2%増、経常利益7.4%増を達成!しかし進捗率と営業利益率に課題も)


第1章: 「日比谷総合設備」の企業概要と事業内容

「日比谷総合設備」は、設備工事のエキスパートであり、空調や給排水衛生、電気、情報通信などといった幅広いエンジニアリングサービスを提供しています。さらに、建築物の保守や警備も提供しており、建物全体のケア・マネージャーとしての役割を果たしています。特に、データセンターや大小様々な建築プロジェクトの案件受注に力を入れており、売上げの大きな貢献源となっています。

企業の経営理念としては、「HIBIYA Vision」を掲げています。これは、CSR(企業の社会的責任)を重視した事業活動を通じ、ステークホルダーにとっての魅力を伸ばすことを目指しています。日比谷総合設備は、「光・水・空気と情報」を活用し、建物に命を吹き込むことを使命とし、安全で快適な環境の創造に貢献しています。また、一貫したエンジニアリング力の向上による地球環境への配慮も重要な経営課題としています。

第2章: 「日比谷総合設備」の決算状況と財務状況

業績について見てみると、「日比谷総合設備」は順調な成長を続けています。データセンターなどの大型案件やリニューアル工事が好調に推移し、受注高は10.7%増の873億円、売上高は11.2%増の839億円となりました。利益面でも、業績は好調に推移しており、営業利益は5.1%増の59億円、経常利益は7.4%増の66億円、親会社株主への当期純利益は6.2%増の46億円となりました。

業態別では、設備工事が主力で、売上は9.6%増の735億円。設備機器の販売や製造も伸び、それぞれ20.4%増の73億円、33.3%増の31億円となりました。

一方で課題も見受けられます。第2四半期売上高は15%増収ですが、通期計画の55億円に対する進捗率は26%で、5年平均の37.2%を下回っています。また、第2四半期の売上営業利益率は3.4%に落ち込みました。これは、前年同期(5.5%)と比較しても低下しており、業績の一部が悪化しています。

第3章: 「日比谷総合設備」のビジネスの特長と戦略

日比谷総合設備は、設備工事会社として、空調、給排水衛生、電力、通信のエンジニアリングサービスを提供しています。さらに、建物の保全管理や警備なども行い、新たな分野としてデータセンター関連の事業も手がけています。

ビジネスの特長として、テクノロジーと環境配慮を融合させた革新的なサービスを提供しています。「光・水・空気と情報で建物に命を吹き込む」というミッションを実現するため、建物の全生命周期でサポートを提供し、顧客の要求に応じつつ、地球環境保全への貢献も忘れません。

戦略としては、「第7次中期経営計画」を基軸に、コア事業の収益力増強、新規顧客獲得のためのパートナーシップの強化、そして脱炭素・省CO2を目指した事業領域の拡大を目指しています。これに加え、施工管理の効率化を進めるデジタル化推進や、社内での多様性推進などの改革も進行しています。これらを通じ、日比谷総合設備は持続的な業績成長を目指しています。

第4章: 「日比谷総合設備」の将来の展望と可能性

日比谷総合設備の今後のビジネス展望は光明的です。業績好調、収益力向上の理由は、データセンター関連や大規模再開発案件の受注が順調であり、施工の効率化によるコスト削減が実現しているからです。

しかし、建設業界全体の人材需要増や資材価格上昇などへの対応、また増加する物価や金融引き締めによる景気減速リスクも考慮しなければなりません。これらを念頭に、新たな顧客層の掘り起こしや、脱炭素・省CO2を目指した事業領域の拡大など、変動に強いビジネス展開が求められています。

また、「第8次中期経営計画」への注目も高まっています。これまでの好業績を背景に、さらなる事業拡大や多様化、新しい取り組みや展開が期待されており、これが将来の成長の鍵となるでしょう。



「日比谷総合設備」は、幅広い設備工事を通じて安全で快適な環境の創出につながるサービスを提供しており、その結果が業績の成長に繋がっています。データセンターの大型案件やリニューアル工事の順調な増加により、売上高や利益も増加傾向にあります。しかし、一部の業績が悪化していることも確認され、今後の改善に注目が集まります。持続的な成長を目指す「日比谷総合設備」の戦略や経営方針に注目し、今後の動向を追い続けていきたいと思います。

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