優良銘柄紹介: 保土谷化学工業(売上高2期連続増加、だが経常利益は39.1%減少!経営能力が試される一年となるか)


第1章: 「保土谷化学工業」の企業概要と事業内容

保土谷化学工業は、化学の専門家として、機能性色素や機能性樹脂など様々な製品を製造している事業者です。そして、その製造には有機合成や高分子化学技術が駆使されています。このような技術を持つ彼らは、農薬製剤や除草剤の製造販売も手掛けています。それらの事業の根底には、「お客様が期待し満足する高品質の製品・サービスを世界に提供し、環境調和型の生活文化の創造に貢献する」という経営方針があります。

そして、その経営方針のもと、保土谷化学工業は2021年度より新たな中期経営計画「SPEED 25/30」を実行しています。その計画は、自身のビジョンに基づいたものであり、それを通じて企業活動を進めています。

第2章: 「保土谷化学工業」の決算状況と財務状況

保土谷化学工業の決算状況を拝見すると、売上高は2期連続で増加しています。しかし、その増加率は約3.5%となっており、さらに営業利益は減少しています。さらに詳しく見てみると、利益の減少率は前期比で42.4%にも及んでいます。

また、経常利益も基準とする前期比で39.1%の減少を見せています。さらに、親会社株主に帰属する当期純利益も31.6%の減少が見られます。このような結果は、原燃料価格の上昇や諸経費の増加、及び販売減等が影響していると考えられます。

売り上げは増えていますが、それが利益に結びつくことができていません。これは企業の経営能力や環境変化に対する対応力を試すものであり、今後の経営の方向性に影響を及ぼす可能性があります。

財政状況については明確な数字が出ていませんが、ROE(資本効率)の低下傾向から、資本効率が悪化していると推測されます。それはバリュエーションの低下、そして株価の低下に繋がる可能性があります。

第3章: 「保土谷化学工業」のビジネス上のユニークな点と事業戦略

保土谷化学工業は、一般的に化学製品製造を行うメーカーではありますが、その活動範囲は様々な領域に及びます。有機EL材料、イメージング材料といった先端技術で使われる機能性色素から、基礎化学品、農薬製剤、除草剤まで幅広い製品の製造・販売を行う多角化が特徴です。その製品一つ一つに、有機合成や高分子化学技術を駆使しています。

保土谷化学工業の事業戦略は、「化学技術の絶えざる革新」による高品質製品・サービスの提供、そしてそれが「環境調和型の生活文化の創造」に貢献するという経営理念に基づいています。その具体的な実現策として、新たな中期経営計画「SPEED 25/30」を設計し、そのビジョンを達成すべく企業活動を推進しています。

第4章: 「保土谷化学工業」の今後のビジネスの展望、成長余地

保土谷化学工業を前進させるためには、競争環境の変動、新規事業導入に伴うコスト増、新型コロナウイルスの影響、エネルギー価格の上昇、物価上昇、国際情勢の不透明性といった多角的な課題を解決する必要があります。

特に注意すべきは、営業利益が前期比で42.4%も減ってしまったことです。これは主に、原燃料価格の急騰や諸経費の増加によるものです。

これに対応するために、保土谷化学工業は自社の技術力とネットワークを活用し、研究開発に注力する方針を掲げています。なお、アグロサイエンスセグメントや物流関連セグメントで見られる営業利益の増加からは、成長余地が存在することがわかります。

これらの強化とコスト削減に取り組むことで、収益力向上とビジネス拡大が達成可能と予想されます。ただし、経済環境や事業環境の変動に対応し続けるためには、中期経営計画「SPEED 25/30」の適切な実行とともに、柔軟性を保つことが重要となります。



「保土谷化学工業」は、機能性色素や機能性樹脂の製造に加え、農薬製剤や除草剤の製造販売も行う事業者で、専門的な技術力を保有しています。売上は2期連続で増加しているものの、利益面では減少が見られ、資本効率の低下も懸念されています。これらの状況は企業の経営能力及び環境変化への対応力を試すもので、今後の保土谷化学工業の経営方針と戦略に注目が集まります。新たな中期経営計画「SPEED 25/30」を進行中の同社、その成果とともに企業の取り組みを監視してまいりたいと思います。

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