ホワイトウルフ

白熱した1点差の試合
勝つことしか考えられない
狼の兄は咆哮をあげていた
洗礼を敵地で浴びせられた年若の同類の報復が奪還の唯一のすべに思えたからだ
勝ち気に総毛はよだち、敵の規則をかみくだく本気の歯ぎしりに自分の歯は割れたが、痛覚の鈍痛を攻撃性にすべて注ぐと大きなまちがいを叩き潰し奪還奪還かえせと暗示を自分にかけていた
だが気持ちと裏腹に体は動かず沸騰した血が体中に平和を一瞬でも思いだすな反撃のチャンスを悪魔には、やれない、そう教えているのだった
勝たないと勝たないと
命を尊重しそうな相手ではない
クジラの腹の中から失ったものをとりかえす
今回彼がしたいのは決闘以上の決闘だった
ボークぐらいだとは思えなかった
故意でしかなかった
彼は思った
お遊びの闘いを試合と考えているなら本物の闘いで何を失うか痛み分けではっきりさせようじゃないか
ランナーズハイのいかれかけた羊たちの沈黙を片手にする男に、にらみをきかした
勝たない選択肢は存在しない
これ以上、喪失する訳にいかない
目の炎は緩やかに青い光を宿しはじめる
定刻には平和は完全に終わる
諦めたような悲しさを嘆きに変え、慟哭をすると、退路をまもなく全部たつと、静けさの増えた心を警戒して激しさに残さず全て変えて、むしゃくしゃとちへどを喉からすべて吐くと理不尽じゃないか理不尽だ理不尽だ理不尽だ濁ったいろの雲を作るに似て、かなしげなうめき声を痛ましく、まき散らすのだった
執念は活力に変わり、いたみが何か遠くなって来た
よ、よわむしじゃないんだ
あとちょっとのヤツだったんだよ
理性の歯止めをもぎ取り、渾身のちからに全身はビショビショになり、現実を牙で喰いちぎろうとした
生活のあぶらあせの匂いがきしみかけた激しい葛藤に拍車をかける
愛情のおもかげがそよと揺れると人だった事は悪夢さながら過ぎ去り、白い狼とドーベルマンの姿が闇夜に浮かび上がった
骨をくわえ、砂漠の方角にふたつの猛獣の影が疾走してゆく

相互援助そのものは、大切と、思います。有償のことをする余裕を持って、無償の活動を敢えてする系のスタイルを、とってます。 プライスレスに、人生を再始動したい人には情報を提供出来るかなとおもいます。OK??? 企画倒れは充分警戒したいし、格闘技なら階級低め、組織ならNPOは、穴場。