言ってもらえるうちが花
昔、ラッピングサービスのアルバイトをした事があります。
店頭に贈り物をご持参いただき、ラッピングをして差し上げるというお仕事でした。
私の中で、ラッピング(包む)というのは、
とてもやさしく、あたたかいイメージがあります。
単にお包みするのではなく、贈る方の想いも一緒に包んで差し上げる、そんなあたたかいお仕事だと思います。
ですが、私はそんな素敵なお仕事を長く続けることが出来ませんでした。
従業員は全員女性でした。
お仕事が終わると皆さんとても優しい方でした。
ただ、お仕事となると、厳しかった。
働いて日の浅かった私に、従業員の北村さんは
ラッピング技術を教え込もうとしてくださったのだろうと思います。
勤務後の練習で、包んでは
「はい、やり直し!もう一回」の連発。
当時、まだ若かった私はそれに耐えられずに
一年も経たないうちに辞めてしまいました。
やりたかったラッピングのお仕事だったのに。
今、歳を重ねてから思い返せば、もう少し我慢をして続ければ良かったと思っています。
一生懸命に教えていただいた北村さんにも申し訳なかったと思います。
ただ、あの時、教えていただいたラッピング技術は今も私の中に残っていて、プライベートでラッピングを頼まれると包むことがあります。
その度に思うんです
人は「言ってもらえるうちが花」なのだと。
今なら良く分かります。
言われなくなったら、おしまい。
言ってもらえるうちは有り難い事なのだと。
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