見出し画像

#81 車椅子越しに見えた世界(2024/5/10)

おはようございます。
本日朝活に成功しているさくまるです。

先日、車椅子を押すという経験をしました。

雨の日

知人に足が不自由な方がいます。

ある雨の日、その方が言いました。
「このビルの入り口、段差があって雨の日は滑るんだよね」

私は、段差なんてあったっけ?と思いました。
見てみると4.5cmくらいの段差がありました。

「健康な人は気にならないと思うけど、私には大きな段差なんだ。御影石だから雨が降ると滑るの。」

いやはや。
5cmの段差を全く気にせず過ごしていた自分に驚きました。


段差対策

この段差ですが、足が不自由な方が通りづらいのはもちろんですが、車椅子の方は通れません。

ビル入り口の段差にスロープを

こういった板を設けることで車椅子の方でも段差を乗り越えることができます。

スロープができたので乗り降りはできるようになりました。

ですが、自走式車椅子の方は、このなだらかなスロープですら力を込めないと上れなかったり、滑るのではないかという恐怖心があるといいます。

一方、電動式車椅子の方はこのくらいのスロープであれば難なく上れるとのことでした。

ちなみに写真の左側のものは、アルミ素材で重さが7kgほどで1万円くらい。

右のものは軽い素材で3kgくらいで持ち運びしやすいですが、軽いためズレやすく滑りやすい。価格は7万円くらいだそうです。

持ち運ばないのであれば左側の重たいもののほうが使い勝手が良さそうでした。

ちょうどスロープの上部が引っ掛かっている部分が御影石です。

雨の日はここが濡れて滑ってしまうため、滑り止め対策が必要になってきます。


街の中を歩くと

知人の車椅子を押しながら街を歩くと、トラップの連続でした。

歩道のわずかな段差が上れないのです。

見づらいですが、横断歩道から歩道に上がるところに段差があります

おそらく1.5cmくらいの段差です。

段差に直角にタイヤを当てるの上れないため、斜めにタイヤを当てて上りました。

私が後ろから押していても上れなかったので、自走式の方はひとりでは相当な勢いをつけないと上れないのではないでしょうか。

これでは街歩きはとてもできないなと感じましたし、知人も不便すぎて1人では出歩けないと話していました。

そういえば、私も街でベビーカーを押すときに同様の場所でいつもつまづいています

ベビーカーは車椅子に比べて軽いですので、前輪が完全に引っかかってしまい後輪が浮き上がり前のめりになります。

ベルトはしていますが、子供が落ちそうになるのでヒヤヒヤしていたのを思い出しました。


さいごに

車椅子を押す、という経験は記憶にある限りだと小学校の授業ぶりなのではないかと思います。

その際に、スロープは後ろ向きで降りる等習ったと記憶しています。

ですが、そもそもスロープさえない場所もある。

足腰が丈夫な人には、そこにスロープが必要な段差があることさえ気付いていない場合がある。

私は自分にとって都合のいい世界しか見えていなかったのだと痛感しました。

自分もベビーカーで歩道の不便を感じていながらも、なんとかなってしまっていたし、歩道はこんなものだと思い込んでいたため、改善すべき点だと気付きませんでした。

『ユニバーサルデザインを普及しよう、誰もが暮らしやすい街にしよう。』
そういったことはよく聞きますが、今までは具体的にどうしたらいいのか検討がつきませんでした。

今回、車椅子越しに普段の街を見てみたらその着眼点に気付くことができました。

街の中の全てをすぐに改善することはむずがしいかと思いますし、経験しないと気付けないこともあると思います。

そんなときは「自分の不便は誰かの不便かもしれない」と想像を巡らせるところから始めたいと思いました。

この記事が参加している募集

この経験に学べ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?