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Vol.10-「令和2年7月豪雨での球磨川氾濫の水害被害」インタビュー ”「想定外」に備えておく”

前回は県職員の方々のボランティア支援とくるまを無償で貸し出す支援団体についてお話ししました。今回は「想定外」に備えておくです

「想定外」に備えておく

「これからでもそういう想定外とかどんどん起きてくるんじゃないかと心配しています。今まで災害に遭わなかったところで、もし今まで経験したことないレベルの災害がおきるとして人口が多いところだったらどうなるのか。地域温暖化や気候変動がおきていて、これまでにはなかった規模の災害がこれまでにない頻度で現実に起きていますし、これからは行政だけに任せておくんじゃなくて民間でも備えておかなければいけないと思うんです」

「一度被災した人間はまた起こるかもしれないと不安がある。一方行政の立場としては一回被災をしたので行政職員としてはまた同じことを起こしちゃいけない。なので訓練をしたり備蓄用品を備えたりします。道の駅も今“災害対応型道の駅”ということで、国交省が特定の指定した道の駅をそういう拠点にするような動きが全国的にあります。ところがこれだけ水に浸かると、結局備蓄倉庫も浸水して使えないしマンホールトイレのグッズも流されて使えない。発電機も用意してたけどつかえないんです。うちの場合はそうでした。」

「そんな経験をしたからこそ大事になってくるのは“ネットワーク”だと考えています。一箇所で立派な備蓄倉庫や発電機、または立派な災害対応型貯水池を作ってもそこが被災地になると全く使えなくなります。なのでミニマムな災害対応型の施設をそれぞれネットワークで持っておいて、ある所が被災したらそのネットワークを使ってその被災地支援に集中するということしかないんだろうなと考えています。」

「もう一回言いますが、一箇所に立派な災害対応型施設を作ってもそこがもしダメだったら全く使えないんです。例えばこの上流にあったダムも電気が止まりました。予備電源も完全に水没して使えなくなったので、完全にフルゲートオープンしてしまって。そういったことを考えた時に、一箇所でなんとか災害対応するというよりは、小さな災害対応型ネットワークを持っておく前提での備えを考えておく、ということがこれからは必要ですし、安全なんだろうなと思っています」

インタビュー#11に続く

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