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“オッペンハイマー”を観て

クリストファー・ノーランらしく、フィルム・ノワールでないが、映像や世界観にグレーな印象を受ける。
エンリコ・フェルミ賞を受賞した知識人であり、先入観をもつが、あくまで人物像に焦点が向けられ、戦争の映像が一切ないのは意図的だと受け取れる。
冒頭の星が圧縮する空想世界は、ブラックホール発見に繋がったが、原爆を完成させる起源にもなる。
知的探求の好奇心が倫理観を越えるといったとこか。
人一倍強い探求心が周りを惹きつけるが、制御が効かないため、デカダンス的な衝動にも受け取れる。
世紀の偉人とは、そういった者なのだろうか。
良い人が好い人とは限らない典型例なのかもしれない。

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