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vive XR eliteは価格にさえ目を瞑れるなら買い

HTC VIVE新製品「VIVE XR Elite」体験会 Day 2 〜メタバースデイ〜
に参加してきました。
無印viveとpro2をメインに使用してきており、focus3とflowも一時的に使用していたためそちらとの比較でのレビューになります。

pro2の時の体験会はオフィスみたいなところでしたが、今回はイベントスペースでした。

結論から

  1. 179,000円(税込)は高いが、価格に見合った性能はある。

  2. 見やすさ付け心地は最高クラス。

  3. MRは慣れが必要そうだが、見やすく面白い。


付け心地について

グラスモード

バッテリーを外したグラスモードでは、viveflowと同じように眼鏡のようなツルを耳に掛けて鼻と側頭部で支えるような仕組みです。
非常に軽いのですが、耳に掛けるだけでは重さが鼻のあたりに集中しやすく結構圧は感じました。
flowの時には無かった補助ベルトがついており、頭頂部か後頭部にベルトを掛ける事が可能でベルトの長さをしっかり調整する事で圧が分散されるようになっていました。
また、補助ベルトがなければずれやすく激しく動く必要があるゲームでは調整が必須であると思います。
ツルの部分の締め付けなどは調整できないため、頭や顔の形によってグラスモードの装着感は結構変わってくると思いますので、グラスモードでの使用を最優先する方は一度つけてみてから購入を検討した方が良いかもしれません。

ゴーグルモード(写真を撮ってなかったので公式から)

バッテリーを付けたゴーグルモードは、後頭部に圧が分散しpro2のように後ろのダイヤルを回して締め付けを調整する仕組みなので非常に安定します。また、focus3と同じように後部にバッテリーがあり、かつバッテリーの方がやや重い為前面の重さを殆ど感じなくなり個人的にはグラスモードより快適でした。
つけた瞬間は後ろに引かれる感じがあり違和感ありましたがすぐに慣れました。

pro2と人気の二台との比較。https://vr-compare.com/  より引用

見えやすさ

pro2と比較するとviveflowは明らかに狭く画質が落ちた印象を受けましたが、本機は見え方の質が落ちた感覚はなくpro2よりスイートスポットが広い印象を受けたためpro2よりも快適な印象を受けました。
普段使っているコンテンツで長時間使用して見ないとpro2より良いとも言い切れませんが、長時間使用に足る快適性はあると思われます。

MRは凄く面白い

今回はこちらのコンテンツをXR eliteで体験しました。
私はVRchatプレイ時間1200時間程度の初心者ですが、1200時間くらいやってると目の前に可愛い3Dモデルの子が居るのは日常になっているので新鮮な体験にはならないかと思っていたのですがMRで見る感覚は別ものでした。初めてVRに触れた時のような感動がありました。
手や身体を見るとリアルの自分の身体があるのに目の前に3Dモデルの子が居る。というのは面白い違和感があります。また、XReliteのMRは鮮明ではあるとはいえカメラ越しのややぼやけた映像を通して解像度の高い3Dモデルを見る事になるので現実世界が偽物でMRの世界が本物なのじゃないかと錯覚するような印象すら受けました。スマホで見るARとは別物です。
questproやPICO4でMRを体験した事が無かったので、他の機器とは比較できませんが今後MRも流行っていきそうだなという期待が持てました。MRは自分の足で歩いて見回す事が面白いので、スタンドアロンな本機は最適と思います。
とはいえ、今はコンテンツが殆どない状態かと思いますので新鮮なMR体験の為に本機を買うのは"無し"だと思います。MR体験が最大の目的であるのであればまだまだコンテンツが揃うまでの"待ち"の段階であると思います。

パススルーの画質、見え方

上記のように他のXR機器は使用経験がない為比較できません。
スマホでTwitterのほど小さな文字は見えるが、見えやすい位置にまで持ってこないと読むことは出来ないくらいの画質でした。単眼での見え方はイメージとしてGoogleマップのストリートビューを見ているような印象でした。
つけたまま歩いたりするなどは容易にできるが、やはりカメラ越しに映像を見ているという感覚は強くパススルー映像のみではそれほど感動はありませんでした。
また、カメラ越しである事と単眼のためか近距離の距離感は掴みづらく参加者の二人がコントローラーを上手く手渡したり置いたりできず落としていました。これは恐らく長時間の使用で慣れる事はできると思いますが、最初は結構違和感があると思います。
パススルーモードとの切り替えはメニューボタン二回押しで簡単に切り替える事ができ、VRCで会話をしながら酒を取りに行くといった事もHMDを外さずに出来そうです。(パススルーモード中にVRCがどういう挙動になるかは聞き忘れました)

魅力的だが価格と今後の可能性を考えると"待ち"が最適となるか。

左XR elite 右viveflow

XR eliteはflowの付け心地と眼鏡不要の焦点距離調節、focus3のカウンターウェイト機構やハンドトラッキングを組み合わせた、まさにここ数年のvive製品の製品の良さをかき集めた集大成という印象を受けました。focus3は業務用、flowはマインドフルネス用をうたっておりどちらも光るものがあるものの個人が一般的なVRHMDとして使いづらく何に使えばよいのか…という印象を受ける製品でしたが、本機は個人用でもありPC接続も売りにしているためメイン使用HMDとして使える製品です。
唯一無二の軽さと付け心地、持ち運びの容易さ。パススルー性能の高さ。と明確な目的があって使用するには良い製品と思いました。欲しいです。
ですが、やはりネックとなるのがこの価格の高さです。

軽さや付け心地の競合製品となるmeganexは約25万。パススルー性能の競合製品となるquestproが約22万とそこと比べると明らかに安いです。人気のvalveindexフルセットは約17万。pro2はフルセット21万。と、まぁ機能的に見ても適正かとも思われます。
しかし、valveindexやpro2のフルセットは今後より進化した後継機が販売された際にコントローラーやベースステーションを引き継いで使用しHMD本体のみを購入して使用できる可能性が高いので初期投資は高いとはいえ乗り換えがしやすいものです。(実際私も、それにより無印viveからpro2への移行が比較的安価にできました。)

本機はflowとfocus3の良さを掛け合わせた集大成といえる製品ですが、これを買ってしまうと大抵のケースにおいてflowとfocus3を所持していた場合それらが不要になってしまいます。コントローラーはfocus3と同じもののようなので(スタッフの方に伺いました)、focus3ユーザーのために本体のみ購入できるようにしたり(左右で約4万浮くと思われます)focus3のバッテリーを予備として使えるようにするなど(別物で流用できないようです)既存の製品からの買い替えが損になりづらいようになっていればこの価格に対する印象も変わったかと思います。
flowとは価格差が大きいのでしょうがないところもありますが約18万する本機も1~2年で上位互換機種が出てしまう恐れが付きまといます。

画質や視野角、ビットレートなどで上位となる機種が出る事はある程度仕方のない事ではありますが私が恐れているのはLighthouse対応の上位機種が出る事です。VIVE Cosmosのようにオプションで対応できるようになるというのが理想ですが、XR eliteは対応せずXR eliteの機器を流用できないLighthouse対応機種が出るといった事になると数年以内にまた18万以上の出費をしなければならない恐れがあるため購入に踏み出しきれず、まだ"待ち"の段階であると考えてしまいます。

その他気になる点

・マイク性能
・イヤホン端子がないらしいので、耳元のスピーカーの音をマイクが拾い過ぎないか
・VRCでの移動、表情変更がスティックを倒しながら"押し込む"という操作(focus3と同じ)が必要で非常に動かしづらい印象を受けたが設定で変更できるか

等と気になる事も結構あり、早期予約特典のコンテンツも余り日本人向けじゃなさそうで(Green Hell VR以外知らない)最速で使いたいって方でなければ様子見した方がいいかなという印象です。
また、付け心地は他のHMDより個人差が出そうな印象を受けたので、高い買い物ですし何かしらで体験してから購入を考えた方がいいと思います。

体験会参加させて頂いておいてこういう結論になるのも申し訳ないですが、魅力的な製品である事は間違いないのでこれを読んで下さった方も今後体験会などあれば是非参加して見て下さい。


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