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とても気さくで素敵な方でした・・・レジェンド・りんたろう監督


手塚治虫さんのプロダクション:虫プロ
りんたろうさんは、東映から入られて、その後虫プロに移られ、手塚治虫アニメの「鉄腕アトム」から「ジャングル大帝」、そして「ムーミン」「新ムーミン」と演出やプロデューサーとして関わられ、その後、松本零士アニメ「キャプテンハーロック」、映画版「銀河鉄道999」と監督も務められた・・・

つまり、私の好きだったアニメ、ほとんど全部、りんたろうさんが関わってられてるんですよ。

私は「りんたろうアニメで育てられた」と言っても過言ではない・・・

「ムーミン」では、原作のトーベ・ヤンソンさんには嫌われちゃった・・・という曰くもついてしまって、いわゆるディスク化されなかったのですが、でも、私てきには、昭和のムーミン、岸田今日子さんがムーミン、西本裕之さんがスナフキンをあてられた、あのムーミンシリーズが大好きでした。スナフキンのギターは今でも耳に残っててちゃんと歌えます。そしてセリフもいくつかは暗記してるし、大学の頃「アニメーション研究会」に入ってて、「さらば!ムーミン谷」というタイトルで評論まで書きました・・・(実は、先日書いた真夜中の発掘作業で、一番掘り出したかったのが、このアニメーション研究会の会報だったんですが、どうしても自分の書いたやつが見つからない・・・(´;ω;`)

「ムーミン」は子供向け作品、日曜日の夜7:30~8:00という「カルピス劇場」の時間枠で放送されてるのに、内容は結構「人生の不条理」「自分にとって大切なもの」「大切な人の大切にしているものは、その人だけのもの、勝手に侵してはいけない」とか「大好きなものを自由に解き放ってあげることこそ愛情」とか、難しい内容だったり、残酷な内容であったり、子供扱いしない内容がとても心に残るストーリーでした。
そして「キャプテン・ハーロック」・・・この頃から背景美術に結構惹かれることが多く、名前を調べると椋尾篁さん・・・そして「銀河鉄道999」・・・
それらに関わってられた、りんたろう監督、もう80歳を超えてらっしゃるのに、金沢まで来てくださり、お話しもしていただけるってことで、私はすっかり舞い上がってました。

おまけに、トークの時は、登壇もしてね〜って言われて、まさに心臓バクバク!!
トークが始まる前、楽屋までご挨拶に伺ったら、もう、気さくな方でびっくり!!
しかもとにかく若々しいし、おしゃれ・・・
登壇の時は隣の席で、その指に、何かとても大きな、キャラクター?のようなのがついた銀の指輪もされていて、とにかく素敵な方でした。

私が「実は、ムーミンの頃から、ず〜っと、りんたろうさんの演出とか好きで・・・スナフキンが初恋の人でした」と告白しちゃうと、「あの頃ね、ファンレター、スナフキンあてにたくさんきてたんだよ」とおっしゃってくださいました。

私は「メトロポリス」もそうですが、「銀河鉄道999」も、巨大都市が一気に崩れ去っていく崩壊シーンがクライマックスで、それを「ああ、なんて美しい」と感じてしまうんですね。阪神大震災、9・11、東日本大震災・・そして、ウクライナやイスラエルの戦闘と、現実に建物が瓦解することが起きてる昨今、それを美しいと言うのは憚られる空気だけど・・・と常々葛藤していて・・・
やっぱり、その辺は、りんたろう氏も「その感覚、結構、アブナイんだよ(苦笑)」と笑いながら、でも、とても詳しく熱弁をふるってくださり、なんかそれを聞いていて幸せ〜な気持ちになりました。
もっとも「メトロポリス」という作品は、公開されてほどなく、現実に「9・11」が起きてしまうという2001年公開という作品で、後からこの映画を観る人にとっては、とても重なってしまう・・・そういう側面ができてしまった作品とも言えますね。

でも、「セリフで多くを語らない」で「絵」で見せていく。
りんたろう氏は「音が浮かんでくる絵」という表現をされていて、「メトロポリス」でもレイ・チャールズの曲が崩壊シーンにかぶさってます。
レイ・チャールズは黒人なのに、白人の歌う歌を歌ったという異端児的存在でもあった。そういえば、少し前に見た「エルビス・プレスリー」の映画では、エルビスは白人なのに黒人の歌を歌った異端児的存在だった・・・とあったけど、りんたろう氏もそこに言及されてました。

スナフキンとかまさしくそうだけど、キャラクターが作画の手を離れて自由に動き始める・・・そういう現象が起きると作品としておもしろい・・・という話があって、私が「キャラクターが一人歩きするって、いうことですか?」と合いの手を入れたり・・・
とにかく、とても人の話をちゃんと聞いてくださり、的確に返してくださる・・・ああ、素敵な人だなぁとつくづくと感じて、私はとても幸せでした。
りんたろう監督は、最近、フランスで映画の祖であるリュミエール兄弟の名を冠するリュミエール映画祭に初のアニメ監督として参加され、最新作「山中貞雄に捧げる漫画映画「鼠小僧次郎吉」も完成された。映画監督をやりたかった・・・という初志を貫徹されてますよね。新作映画についても、映画人として熱く語ってられました。

時間も押しに押したんですが、慌ただしい中でも、気軽にポスター購入者へのサイン会にも応じられてて、私ももう古くて紙の色も変わってたけど、「キャプテン・ハーロック」のロマンアルバムを持っていたので、そこにサインをしていただきました〜!!

また、翌朝の北國新聞にも掲載されました。
ああ、広坂シネマクラブに入っててよかったなぁ〜一生懸命活動しててよかったなぁ、報われたなぁ・・・と感激に浸っていました。
こういうチャンスをいただけて、広坂シネマクラブのメンバーの皆さんに感謝しています。

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