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書き初め20字小説 勝手に豆島賞

2024年が始まりましたね。
気付けば本年もレギュラー部員として(特に何もせず)部室をぶらぶらしております、豆島です。
さて、年明けから恒例の20字小説企画が行われておりました。今回はひとつも書けなかったのですが、多くの作品を堪能いたしました!

年明けの希望に満ちた小説から、被災地に思いを馳せる作品、いつ読んでも楽しい青春、胸キュン、ほっこり小説から、エロ、グロ、SF、ミステリー!

素敵な小説がたーくさんありましたが、誠に勝手ながら「これ好きだわ~」を読みながらマガジン(非公開)に集めていました。

今回の企画は、「賞金なし。順位付けなし。」
気軽に書いて欲しい! という小牧部長の意図ですが、私個人が勝手に心に残った作品をピックアップすることは「別に構わぬよ~」という了承を得ましたので(こんな言い方ではなかったが)、以下の作品を紹介させていただきます!(順不同、ほぼ投稿時間順?)

まずはこちら。

言わずもがな、前回の 小牧幸助文学賞 入賞者の青豆ノノさんの小説。
コメント欄を読むと、元旦の地震のことが頭によぎる方が多かったらしく、そう読むとぎゅっと抱きしめてあげたい気持ちに激しく駆られます。
ただ、ミステリ好きの私としては一読目で全く違う絵を思い浮かべ、「姪」「ここ」が想像力を膨らませてきて暫く妄想の中でミステリー小説として楽しんでいたのでした。
ノノさんの20字はどれもこちらの想像力を物凄く掻き立ててきます。その20の文字列だけではなく、その前後、背景、人物などがぶわっと一気に浮かび上がるので秀逸だなぁと感じざるを得ません!
ノノさん作品はひとつに絞るつもりでしたが、↓こちらも大好きです。

さて、ノノさんか。ノノさん以外か。みたいなローランド節はさておき、他の方の小説をご紹介。

書き忘れましたが、私は基本的に20字以外の情報は無視して20文字のみ咀嚼、嚥下して楽しみます。
この作品もタイトルは「箱根駅伝」(それはそれでもちろん善き)ですが、駅伝限定せず多くの人の共感を得る、希望あふれる小説。
「その通りだ! むしろそっちの方が好きだぁぁ」と声を大にして言いたくなる、負け犬の私を奮起させる小説でした。

こちらもタイトル全無視して想像を爆発させた私のきもいコメントが残されています。この発想、すごくないですか? あなたなら、どんなストーリーを続けますか。

20文字しか味わわないと言いながら、これはつい画像こみで物語を浮かべてしまう。この女性が気になってしょうがない。
年賀状の相手は現在南半球に居るのかな、どんな間柄なのかな、久しく会ってないだろうな、過去にどんなやりとりが……などなど。上質な大人の恋愛小説だと勝手に想像しながら暫くうっとりしました。

これはちょっとリアルというか。書き手さんなら共感の嵐では。20字むずいよね、うんうん。
ただし、羨ましいのが隣で支えてくれる彼氏がいること。いいなぁ。微笑んでくれる彼がいたら、きっともっといいもの書けるよ、と一人寂しく負け惜しみを嘆き散らかす夜でした。(既婚者だけど)

我が家にもポチ的なおイヌがいるので、これは泣いてしまう。なんか、きっと致し方ない状況だったのだと思う。ポチが見捨てられたとはなるべく思いたくない。ということは、雪の中で「灯りが見えたよ、あと少し頑張って」と振り返ったら…という感じかもしれない。どのみち相当せつない。
20字という制限の中での情報の取捨選択に悩むところですが、「足跡」じゃなくて確実に「人」と限定する「靴跡」なのも上手いと思いました。

切ないイメージがくっきり浮かぶ小説。文章中とコメント欄に情報がありますが豆島は無視して想像します。20枚って産まれてから成人まで? なにかの時から20年? とにかく長い年月の間。となると……あんな状況、こんな状況……妄想が膨らみます。いつか渡せるといいな。

これね。絶対後悔しちゃうやつね。映画では泣いちゃうけど、現実ではつい無言で出かけたりしちゃうのよね。と反省しつつ。
みなさんもこの20文字で物語が浮かびますよね。登場人物の人柄もちゃんと描けてる気がして上手いと思いました。

〆切すべりこみ小説。あっ、これ! 前回の文学賞で、銀座の交差点で昔の男の匂いを感じ取る人の話が書きたくて上手くまとめられずに諦めたことを思い出しました。そうそう。これこれ。ああ、そうか上手いなあ、と。
嗅覚って一瞬でいろいろ蘇りますよね。青春でも恋愛でも、ミステリーにもつながる、いろんな背景が想像できる小説と思いました。


以上、勝手に豆島賞でした。
もちろん賞金はありません! (`・ω・´)
いばるところじゃないですね。すみません。

気になる小説はもっとあったのですが絞りました。また、レギュラー部員さんの作品はなんとなく避けました。すみません。
全ての作品は読んでいませんが、規定に沿ったものはなるべく目を通し、楽しませていただきました。
20文字の、美しい・キャッチーな「フレーズ」と感じるものが沢山ありましたが、背景やドラマを感じるものが個人的には好きなので、そう感じるものを選びました。
振り返って見たら「怖い」ものがないですね。読んだ時点のメンタルによるものだと思います。


たった20字、読むのは一瞬。
短い時間で濃厚な時間を味わえる「20字小説」最高です。
皆さま、素敵な小説をありがとうございました。

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