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「 覚めたい夢 」

始発前ひと気のない街  響く靴音
銀色のアスファルトロード  独り歩いた

目を閉じても迷わない真っ直ぐな道

ポケットの缶コーヒーはすっかり冷えて
甲州街道には星が降ってた

ふと気づく、見慣れない歩道橋がある

目を凝らすと道路の向こう側にキミ
「渡っておいでよ、待ってるから」

見た目は普通の橋だけど、どこかオカシイ
戻ってはまた逆戻り
辿り着けない

いつのまにこんなにも彷徨うなんて

長い長い歩道橋 ずっとずっとその先に
あるはずの階段が見つからない

手を振るキミの影は三日月より遠い

こんな筈じゃなかったのに
いつの間に迷ったんだろう
ある筈の階段が見えない
見つからない
悪い夢を見ている、
それはわかってるけど
さがさずにいられない
ある筈の下り階段

誰かボクに気づいて!
誰かボクを見つけて!
誰かボクを起して!

今すぐに
力ずくで


ⓒ Kazue

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