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正源宗之の雑歌詩集より『問答』

闇夜に泣かぬカラスの声を聞け
禅問答の様な事を聞いた事がある
あなたは見えますか 
聞こえますか
僕には到底聞くことはできない
見ることもできない

私には聞くことができます 
私は難聴です
だからどんな声も健常者の方が聞こえない声ほど
よく聞き取ることができるのです

そうですか 
ではカラスの姿を見ることができますか

できます 
わたしは盲目なんです
ですから健常者の方より心眼がすごく発達しているんです
皆さんには理解できないでしょうね

それでは
あなたは闇夜に自分の影を踏むことができますか

できません
大切な大切な自分の体です
その影を踏むなんて絶対できるはずはありません
たとえそれが影であってもです
あまり愚かなことを聞かないでください

僕は大切なことを忘れていたようだ
健常者なるが故に
自分の体の大切ささえ忘れていたのです
皆さんは如何ですか
もっと自分を大切に
そして他の人 すべての方に
やさしくあれるように致しましょう
     
     正源宗之『問答』

(正源の娘のひとり言)

人権週間です。
気持ちをうまく言葉にして伝えることって難しいなと思います。
考えて言ったつもりでも相手に嫌な思いをさせていないか、
逆に言われて傷つくとか、ありますよね。
どちらも気持ちがしんどくなります。

人権と言葉って切り離せないと思いませんか。

私は正源の物事をみる目がほしいなと思います。
正源さん、ちょっと貸してくれる?

そっかぁ
昼間でも自分の影を踏めないのは自分を大切にしなさいってことなのか…
ちびっこと影踏み遊びしてて
アイタタッてふざけてあげてたけど
あれはホントに痛いんだ
体かなあ
心かなあ

闇夜の自分の影って
どんなに深い色をしているんだろう

「自分の大切さ」 
「他者の大切さ」
人権週間、約75年も考え続けてきて、まだ課題があり続けるんですね。







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