高橋 越前

世間を騒がすJ事務所創業者騒動で2023年内での引退を発表した東山紀之氏。

その報を聞いて真っ先に脳裏に浮かんだのは、

必殺と大岡越前どうすんの!?

であった。

2007年から続く現在の『必殺仕事人』は、連ドラとして放送された『必殺仕事人2009』(今のご時世、どうせ1クールだけだろうと思っていたらまさかの放送延長で2クール放送)以外はだいたい年一回の特番(放送無い年もあった)なので、多少思うところも無い訳ではないけど、地上波制作&放送していただけるだけでありがたいと思っていた。

東山紀之氏は松方弘樹さん主演の『名奉行遠山の金さん』の北町奉行所同心(のち、隠密廻り同心)・水木新吾役で時代劇のノウハウを会得されたので、藤田まことさんの中村主水の域に達するのは難しいかもなと思いつつも、立ち回りや所作や着物の着こなしなどの不安要素は無かった。

本町奉行所同心(『必殺仕事人2012』より)・渡辺小五郎として新たな必殺の顔となってしばし、2013年にもう一つの大役を東山紀之氏は受け継ぐ。

過去に幾度となく映画やテレビ時代劇の主役となり、はたまた『暴れん坊将軍』シリーズや『丹下左膳』や『白獅子仮面』などこれまた数多の作品に脇役として登場した名奉行の呼び声も高い大岡越前守忠相である。

大岡越前を主人公とした作品の代表作は、加藤剛さんが1970〜1999年に全15シリーズ&2006年の2時間スペシャルと長年にわたり忠相を演じられたTBS系月曜夜8時のナショナル劇場『大岡越前』であると多くの方が思っておられるでしょう。

その『大岡越前』を新キャストで新たに制作し放送されたのが2013年。

製作元はC.A.L
制作協力は東映太秦映像
タイトル題字は朝比奈宗源氏が書いたもの
音楽はアレンジされてはいるがかつて山下毅雄先生が手掛けたもの

主要登場人物

榊原伊織
猿の三次
雪絵
村上源次郎
辰三
徳川吉宗・・・

となれば、TBSでの新シリーズと思う。

が、放送はNHKBSプレミアム。

そう、TBSでの第16部ではなくNHKでの放送なのである!。

この間に北大路欣也さん主演『名奉行大岡越前』が東映制作、テレビ朝日系で2005年と2006年に2シリーズ放送(スタッフ、キャスト、タイトル題字、音楽、登場人物、越前のキャラクターみな違う)されたから、今度も別ものかと思っていたら、加藤剛版大岡越前のリメイクだから驚いた。

ちなみに、TBSがキー局で放送された時代劇で自分が一番好きな作品が『大岡越前』であり、好きな時代劇10シリーズの中に入る作品の一つも『大岡越前』である。

一つのシリーズの話数は少なく(スペシャル時代劇として3話ずつ分割放送された第1シリーズが9話で、あとはだいたい8話、第5シリーズは7話)、スペシャル版のみの年や放送の無い年もあったが、この10年間、制作、放送されてきた。

2017年のBS新春時代劇大岡越前スペシャルでは、加藤剛さんがゲスト出演(それまでも&これ以後もナショナル劇場版に出演された役者さんのゲスト出演はある)され、新旧越前役者の共演も実現し、越前役を託された感もあった。

近年テレビ時代劇の制作が難しくなり民放地上波局の新作連ドラ時代劇は壊滅したに等しい。

毎週同じ曜日の同じ時間にテレビ時代劇が観られるのは、ほぼ大河ドラマとBS時代劇だけになっている。

そのBS時代劇で何年もシリーズを重ねているのは『雲霧仁左衛門』と『大岡越前』。

雲霧を制作している松竹&松竹撮影所(かつての京都映画)は、雲霧仁左衛門や必殺仕事人や来年放送&映画公開の新たな『鬼平犯科帳』など結構新作時代劇を今も制作しているが、東映の方はと言うと、映画や2時間枠の単発時代劇は作ってはいるが、連ドラとしての時代劇は、この『大岡越前』とBS-TBS版『水戸黄門』(第三シリーズやらないのかな、もう)くらいなもの。

現代劇の『科捜研の女』を制作してはいるが制作本数ガタ減りな感は否めず、かつて『大岡越前』や『水戸黄門』を制作していた東映太秦映像も今は無い(会社としては東映京都撮影所に吸収された形に)。

言ってみれば、

東映が制作する連ドラとしてのテレビ時代劇の最後の砦が『大岡越前』

だと思っている。

東山紀之氏の引退発言を知った時、『大岡越前』が終了したら、東映の連ドラとしてのテレビ時代劇は無くなるのでは?という思いが頭をよぎった。

そんな中に伝わった高橋克典さんを忠相役に迎えての『大岡越前』制作のニュース。

嬉しかった。

ほっとした。

まだ新しい『大岡越前』が観られる

と、安堵した。

テレビ東京系 新春ワイド時代劇『戦国疾風伝〜二人の軍師〜』黒田官兵衛
『大江戸捜査網2015〜隠密同心悪を切る〜』十文字小弥太

BS時代劇『子連れ信兵衛』松村信兵衛

大河ドラマ『麒麟がくる』織田信秀

等、時代劇経験もあるので回を重ねていけば南町奉行もハマってくると思います。

高橋克典さん流の大岡越前守忠相を見せていただきたいです。

只野仁シリーズやサラリーマン金太郎のイメージからすると、遠山の金さんの方が高橋克典さんらしい気もしないではありませんが。

他の配役陣が続投なのか交代なのかは分からないけれど(第6シリーズから徳川吉宗役となった椎名桔平さん、まだまだ椎名吉宗が見たいです)、新シリーズに期待大です。


(追記)
東山紀之氏が新会社の社長に就任しないで芸能活動復帰

てな話が出て来たとか出て来てないとか言われているけど、もう新たなBS時代劇『大岡越前』忠相役は高橋克典さんに決まったのだから、万が一東山紀之氏が芸能活動を継続されるのなら、新たな作品を立ち上げてください。

今はそう思ってます。





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