このリーグの一等賞になりたいの、俺はっ!!2019 J1リーグ第22節マリノスVS鹿島アントラーズ プレビュー

清水戦での悔しい敗戦から1週間。落ち込んだりもしたけれど、マリノスサポーターは元気です。エリキが来た!ようこそエリキ!渡辺の獲得発表!ようこそ渡辺皓太!おい、落ち込んでる場合じゃねぇぞ!小倉さんが、ここまでやってるぞ。反攻するぞ!という気持ちになっているサポーターは多いはず。

私の心も、鹿島のグルメは何を食べようかなとかで満たされており、リーグ戦では2012年以来となるカシマサッカースタジアムでの勝利を胸に、プレビューのアップをするだけとなりました。

相手はすぐ下の順位の鹿島アントラーズ。勝たないといけません。ここで叩けば、4位以下との距離が空きます。首位を追いかけるにあたって、この地固めというのはとても大事で、地固めをしていたら首位に立っていたなんてのは、よくあることです。

前節の清水に引き続く442型のチームで、かつ優勝争いのライバルとなり得る鹿島をなぎ倒す事が、一戦一戦を成長していくという証になります。必ず次のセレッソ戦にも繋がる試合。勝つことでしか得られない自信を共に!

では早速、鹿島アントラーズとの前回対戦を振り返りましょう。

1,【9節ホーム鹿島戦の振り返り】


前回の鹿島戦の前の試合も、結構ショッキングでした。0-3敗戦の札幌遠征。その後に行われた鹿島アントラーズとのホーム第9節。平成最後の試合が『The CLASSIC』というのも、サポーターとしては気合が入った一戦でした。

この試合、マリノスは先制を許すものの、2-1で逆転勝利をおさめました。試合巧者と言われている鹿島アントラーズを相手に。

札幌戦の敗戦から、CFをマルコスに戻しゼロトップ風味にスタートするマリノス。鹿島はマリノスCBには自由を与えるも、喜田へのパスコースはぼんやり制限、44ライン間の中央を封鎖し、IHの落ちる動きにも釣り出されず、ボールを受けるタイミングでパスの直線上を潰す。最後はやらせない見事なゾーンディフェンス。

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対してマリノスは、4123でスタートするもIHのポジショニングが悪く、鹿島の44ライン間に侵入が出来ず、なかなかゾーンを突破できませんでした。何のために落ちるのか、自分がいたスペースは誰が使うのか、自分がどの位置にいれば、喜田は助かるのか。どの位置に動く事で、喜田を動かすのか整理出来ていませんでした。

そんな中、中央で孤立してしまった喜田がボールを奪われて失点します。442攻撃の基本型であるSHで相手SBを引き付け、味方SBのオーバーラップて見事に攻略されました。

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これはCHが少なくなる4123の弊害です。WGが相手SBのオーバーラップに戻れなければ、CHが上手く対処すべきなのですが、奪われたところでもあり、対応出来ず。4123に対して想定される442の攻めでした。4123だとCHが真ん中にいるため、奪われると好き放題やられてしまいます。IHが下りてこようと、CHではないので、守備意識は弱いのが痛いところ。

前半はこの得点だけで、0-1で終了します。後半、マリノスはポジショニングの微調整を行います。IHが自分だけではなく、他のポジションの選手を上手くHSやハーフレーンに動かし、ポジションチェンジを頻繁に行う事で、相手守備陣を混乱させられるようになります。

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すると、

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これによって、ゾーンブロックがズレはじめる鹿島は、若いCB2枚に難しい判断をさせなければならない状態に追い込まれ、最後を守れば良いよねの理念が崩れます。まぁ、これも鹿島CBにとっては良い経験だと思いますが。。。

そして、このポジションチェンジの良いところは、4123の形はあまり崩さないため、前線に運べてしまえば奪われたとしても、そこから守備に嵌めやすくなる事です。そうそう、4123の良いところはここ。守備で嵌める事。だから、プレス圧力が無ければ、早めに前に付ければよいのさ。

そして、これが得点につながります。同点ゴールは前線から嵌めた事で生まれました。サイドに追い込み、中央で刈るという理想の展開。

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そして、2点目は前述したCBへの負担から発生します。完全にポケットになったスペースを突いて、マルコスが凄いシュートを決めてくれました。この展開を見て、鹿島らしくないと感じた方もいると思いますが、じわじわと追い込んだマリノスの攻撃に乾杯です。

この一連の攻撃は今回も通じるはずです。
それでは、いつものように、鹿島の守備と攻撃を見ていきましょう。

2,【鹿島アントラーズの守備】

では、鹿島アントラーズの守備から。彼らの特徴である442のゾーンディフェンスは変わらず、人につく場合は取れると思った時に限ります。なので、マリノス相手には食いつかないと見ます。スライドはゾーンなのでしてきます。トランジションは速く、適切な守備ポジショニングでボールを奪う事が、攻撃のチャンスになる事をよく分かっているチームです。前回対戦の1点目が、まさにその証左。

最終ライン&2CHのメンバーとしては、やはりリトリートしてくると考えます。CBの守備に課題が残るため、集団で守ろうと考えてくるのですが、『最終ラインが不安よな。CHとSH動きます。』

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からの、『CHとSHが動かされた。最終ライン不安です』

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をグルグルしているので、やはり前回対戦同様の崩しは有効だと思います。ただし、最近の鹿島は、後ろ4枚が前4枚に比べて幅が狭く構えます。

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まぁ、442では良く見る形ですが、押し込まれるならば、CHやSHを『動きます』から『落ちます』に明確に変えて、割り切って最終が守ります。これはそのまま、マリノスへの対策にもなり得ます。マリノスが押し込めば、チャンネルをCHやSHを落としてでも埋めてくるでしょう。

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こうなってしまうと

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マリノスはじっくりやればこうなってしまうことを覚悟しなければなりません。解決策は2つ。
リセットして速い展開で崩す、無理やり崩すか。

[解決策①リセット]
鹿島は押し込まれた形から、メインポジションに復帰するのも速いので、困ったら後ろに下げれば、勝手にリセットされます。

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再度ポジショニングをしましょう。

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疑似カウンターとまでは行かないまでも、後ろに下げて、442に戻すことで、鹿島の44ライン間を少し広げるくらいは出来ます。

鹿島は戻された時には、ゾーンを組みなおす事になるので、44の幅を上手くCBが維持しなければならないのですが、毎回完璧には出来ません。やはりCBは鹿島の弱点になっているなと感じます。きっと、ずっとやっていれば上手くなりそうなので、試合に出しながら成長させる鹿島イズムの怖さも感じます。まぁ、今は使わせてもらいましょう。

こうなれば、速い展開での崩しを何度でも狙うことが出来ます。これに関しては、マリノスが押し込む試合展開の場合に、鹿島に限らず有効だと考えますので、手に入れたいスタイル。圧縮しすぎた時は無理に崩そうとしない判断が出来るかが重要です。

では、速い展開をどうやるか。やはり単純に44ライン間に縦パスを入れる事でしょう。必然、マルコスは落ちない方が良いですが、落ちちゃうよね。という事で2パターン。

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縦パスの通り道を作って、畠中ズドンですね。大津も動いて、一発で裏を狙っても良いです。まぁ、ここまであっさりと鹿島ブロックが動くとは思えないので、道を作るというイメージがあれば良いです。どう作るかを注目しましょう。

今度はマルコスが落ちる場合。ライン間に人がいなくなるので、SBとWGで44ライン間のスペースを使わないといけません。

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こっちは図だと分かりにくいですが、相手の前方4枚ブロックに対して5枚でぶつかりますので、マリノスの中盤は必然と中間ポジションになるよねと。
それでも鹿島DFが動かなければ数的優位で攻めますし、動けばライン間に縦パス。
この時大事なのは、WG又はSB、場合によってはSBとポジションチェンジしたCHが、ライン間にボールを受けに行くこと。図ではWGを絞らせています。

一度ライン間にボールが入れば、WGやIHのポジションの選手からのロークロスで崩せます。以下は前図の続き。

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簡単にやるならば、WGが仕掛けてロークロスのシンプルver

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鹿島のCBは、後ろも前も弱点になっているので、マイナスクロスでCBの前の44ライン間を突くか、GKとCBの間のファーにロークロスです。
もう、徹底的にロークロスしたい。

[解決策②無理やり崩す]
押し込んだまま相手を崩す場合。鹿島はチャンネルを埋めてくると思うのでな、バイタルまたはバイタルHSを上手く使いたいです。

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いつもの通り、HSを無理やり狙うよと見せといて、狙うのはその手前という考え方です。ここで、ドリブラーがボールを受けられれば、相手は混乱するでしょう。そこにドリブラーを持ってくるためのポジションチェンジも大事になるわけです。ボールを持てたら、

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いつものHSからのロークロスに拘らなければ、これをやって欲しいところです。サイドチェンジをしなくても崩せるはず。

3,【鹿島アントラーズの攻撃】

続いて、鹿島アントラーズの攻撃です。前提として、鹿島というチームは全体での優位を考えてバランスを崩す事はせず、局地で少ない人数で攻略するための方法を考えるチームです。攻撃はオーソドックスな442です。

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図では構造のため両サイド絞っていますが、あまり両方とも絞る事はありません。ボールサイドは逆サイドだけ。

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ビルドアップでは、2CBは開く事で、SBをオーバーラップしやすくします。トップのセルジーニョは落ちて受けに来る事が多く、ビルドアップを助けます。これにより、ボールを回せるようになりますし、セルジーニョだとそう簡単には奪えません。セルジーニョはビルドアップの出口またはドアマンになるわけです。

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セルジへの縦パスは嫌だからと、パスコースを消すと、

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どちらにせよ、マリノス4バックに対して、鹿島前線4人を当て込むので、逆サイドの大外をSBがオーバーラップすると、後手になりやすくなります。また、CFがサイドに流れたら、SBとSHは中を使います。自然と生まれるポジションチェンジをしてきます。

ここまでくれば、狙ってくるのはチャンネルですね。

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この一連の流れを、ボールを奪ってから瞬時に行えるため、当然、ポジティブトランジションは速いのです。この速さについていき、常にブロックを作る事が出来れば、おのずとピンチは少なくなるでしょう。結局、今日も今日とて、トランジション勝負なわけです。

この際、奪われたのがマリノスの前線で、低い位置から鹿島のビルドアップが始まったのであれば、チャンスです。鹿島の最終ラインのビルドアップは覚束ないので、こちらも前回対戦同様に狙いたいところです。

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4,【最後に】

さて、スタメン。

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マリノスはチアゴが戻って来ます。エリキの登録は間に合わず、CFは大津でしょう。大津の動きに合わせたWGのポジショニングに期待。
鹿島は左SBに山本が入るとみます。あとは、変わらないと予想。右SBは小泉が良いとの事だが、マリノス相手に使って来るか疑問。よりバランスを見るなら、レアンドロのところにセルジーニョ。トップに伊藤と土居でしょう。ずっちいスタメン予想。何だかんだと、レオシルバがいないのは、攻守ともに大きいと思います。
マリノスは点がなかなか入らなければ、4123に変更するでしょうが、果たして、誰が入るかというのも気になります。

まとめます。攻撃はリセットか、迷わずに押しきるかのどちらかに振り切ること。守備はトランジション勝負。
攻撃する時間はいつもの様に多いと思います。中途半端な攻撃は鹿島のペースを生んでしまいます。反応!反射…音速!光速、で攻撃に振り切って勝ちたいですね。

ここまで読んでいただいた方、読後に何かのアクションを行っていただいた方に感謝いたします。

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