ボスあん、キジェあん、どっちがすき?こちとら、あんジェじゃい!2019 J1リーグ第14節マリノスVS湘南ベルマーレ プレビュー

新しい布陣で2戦連続の4得点は、選手だけではなくサポーターにも自信を付けてくれるもので、その自信を中4日のアウェイ湘南ベルマーレ戦に繋げられるこのウィークデイは、とてもワクワクする時間でした。改めて選手に感謝。

さて、その湘南戦は神奈川ダービーであり、金Jです。マリノスのアウェイ金Jは2戦2勝。昨年は1-0勝利。イメトレは上々です。
セレッソ戦プレビューの冒頭で、順位表のボトム層で抜けているのは湘南だと書きましたが、直近3節を分析すると、湘南はなかなか大変な状況なようで、やっぱり勝たなければならない試合です。
湘南の状況も相まって、プレビューする人としては本当に予想しづらい一戦になるでしょう。

だからではないですが、今までで最大文量です。長文苦手な方は、図だけを見る事をお勧めします。

1,【湘南ベルマーレの特徴】

今シーズンの湘南ベルマーレは、昨年とそこまで変わっていません。本当はビルドアップしたいんだろうなという感じは、多少強くなったかなと思いますが、基本構造は変わりません。3421のサイド攻撃+プレッシング+走力です。

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で、このプレッシングが上手く行っているかと問われると、「NO」です。湘南がこのスタイルを最も機能させていたのは、2015年です。フットボールラボのデータが分かりやすいのですが、KAGIという数値があります。これは、

・相手の攻撃時間のうち、自陣ゴールから遠い位置でボールを持っていた時間の割合が高い

・相手の攻撃が始まってから、自陣のペナルティエリアまで到達するのにかかった時間が長い

と高くなるもので、2015年は50ポイント近辺。現在は41.7とリーグ最下位です。
つまり、湘南のスタイルで言えば、低い位置で相手にボールを奪われているし、プレスを躱されるケースが多いという事。
プレッシングだけでは限界があり、そろそろビルドアップもと言うのは、とても論理的な展開だと思います。
たぶん、結構前からこの構造には着手しようと思っていたと思うのですが、大きな転機は誤審のあったリーグ浦和戦です。

前半で2点リードされた浦和戦で見せた後半のサッカーは、4123の布陣を敷いた特攻型のサッカーでした。

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このサッカーが、誤審の影響と2点のリードを持てた故に起きた浦和の弱腰サッカーに、後半ガツンとハマります。鮮やかに逆転勝利。
また、勝たなければならないルヴァン最終節にも、同様のサッカーを後半にしており、GL突破は出来なかったものの、同点には追い付いています。
そんな中、前節にスタート布陣として、この4123を敷いてきました。この試合、対戦相手の神戸は、プレビューでも書きましたが、手っ取り早いディフェンスの立て直し方法である5バックを使ってきており、特攻型の布陣に対して、安定したディフェンス型の神戸は相性が悪く、タイミングとしては最悪の4-1敗戦。
きっと曺監督は、U20メンバーがいない中、杉岡がコパでいなくなる事も計算して4バックに踏み切ったと思います。
この布陣変更の流れは、出場停止選手(山根と山崎)が2名いるマリノス戦でも継続してくると見ています。4231の可能性もあるけど、それやってきたら凄いです曺監督。

じゃあ、なんで湘南が4123をやるのかという事ですが、それは湘南もポジショナルプレーを取り入れているからです。
ルヴァン決勝では、湘南の戦術をリバプールになぞらえて、「ストーミング」と言っているメディアもあり、「ポジショナルプレー」VS「ストーミング」なんて形で試合を盛り上げてくれてました。
しかし、ストーミングは広義ではポジショナルプレーです。メディア側からすれば、ペップとクロップの対比をした方が盛り上がるので、秩序と混沌みたいに言いますが、ストーミングを構成する攻撃的プレッシングとネガトラ時のゲーゲンプレッシングには、一定のルールがあるわけで混沌なわけではありません。

簡単に言えば、
つぶあん派VSこしあん派や、
カレーのサラサラ派VSドロドロ派
みたいなものです。

より攻撃的にサイド攻撃を重視し、出来ればしっかりとしたビルドアップもしたいし、ネガトラでのプレスは継続させたいと考えると、マリノスの様な4123の布陣を湘南が取るのはごく自然の流れであり、そこには曺監督が戦術家だという事が見て取れるのです。湘南があの浦和戦から、4123を選んだ事には一切の違和感はありません。まぁ、湘南が「ストーミング」であるかは怪しいわけですけどね。ダメだ、ここら辺は長くなる止めよう。

という事で、4バックで来ると思う。当たったら褒めてください。

その他、特徴としては、皆さんご存知のように、トランジションが速いです。もう生命線です。
後は、攻撃も守備も動きや視線が直線的です。どっかのチームの時に説明した気がするけど、ちょっと長くなっているので詳細は割愛します。この特徴は、選手がシンプルな動きになるため、何をするかが分かりやすいという事と、対策や勝負所としてもシンプルになり、体を張ったり、こぼれ球への反応をしっかりするという事が大事になります。走力ではなく、インテンシティです。

うーん、最長の特徴記載になってしまった。

2,【湘南ベルマーレの守備】

では、湘南ベルマーレの守備ですが、前述の通り「プレスしようぜ!」です。しかし、全員でプレスしますというわけでは無く、前の5枚がガンガン担当で、後ろの5枚はブロック守備への移行も考えて、ポジションを取っています。

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だからこそ、あまり深追いはしません。もちろん、上手くハマって全員プレスの様に見える時もありますが、リスク管理をしているなと感じます。2015年はここが全員全力プレスだった様な気がするんですよね。プレビューの人になる前に、5年くらい前から、備忘も兼ねてレビューをやっておけば良かったと反省しております。

つまり、マリノスはプレスを突破出来れば普通にチャンスになります。

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ただ、トランジションが速いので、すぐにブロック守備に移行してきます。深追いプレスを誘い出し疑似カウンターを出来ると良いのですが、今はそこまでを求めるのはやめましょう。突破したら、即ゴールに向かいます。
ブロック時は、日本でお馴染みのスライド型で人に付きますが付き過ぎる事はありません。そこはマークのスイッチが上手く、一定はゾーンとかスペースを守る意識があります。

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ただし、4バックには慣れておらず3バックの守備意識が残っており、ボールサイドのチャンネルが空きます。

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これはスライドする距離の問題でしょう。チャンネル埋めてきたら、CB間が空きます。

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少なくとも、マリノスの4123よりも守備はダメです。これは、マリノスにとって再現性の高い、ハーフスペースからのロークロスで点が取れそうなイメージです。

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後は、特徴の項目でも書きましたが、湘南はトランジションが生命線です。それは、マリノスがボールを奪われた後にすぐ奪え返せると、湘南が前のめりになっている時なのでよりチャンスが作れるという事でもあります。ゲーゲンプレッシングしましょう。失ったらプレス!目には目を!

3,【湘南ベルマーレの攻撃】

続いて、湘南ベルマーレの攻撃です。基本的な構成は、プレッシングからのショートカウンター、枚数の多い中央を絡めたWB(SB)の走力を活かした前進スペース攻略からのクロスの2種類です。WB(SB)は前が空けば走ります。反対に前方に蓋が出来ると困りがちです。これは4バックでも同じです。そのため、WGは絞りがちになります。絞って空いたサイドのスペースをSBが使います。

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IHが使う事も出来ています。あれ、この動きは毎週見てるな。マリノスはここでも布陣変更でSBが絞らない事が活きる可能性があります。サイドに蓋が出来ますので。

湘南の4バック布陣ですが、マリノスの様にビルドアップ練習をしているなら、ボールを持てますが、ポゼッションを出来ないでやるととても危険です。マリノスサポーターは良く分かっていると思います。そのため、負けている試合の途中からやる分には、SBも思いっきり上がれるし、相手も受けてくれるので良いのですが、試合開始からやると、SBの上りは背後のスペースのケアを気にしてしまい中途半端になりがち。

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上がったら上がったでカウンターリスクが高くて怖いですし、

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下がったら下がったでサイド攻撃が機能しない。

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神戸戦、杉岡が活きてないように見えたのはこのためでしょう。梅崎が戻って来れば、片方のWGがサイドに張っても良いんですけどね。もう一つ工夫が必要な状態です。プレスの威力を減らすのを引き換えに、レレウをマルコスの様に使って、湘南も4231にするのが安定しそうですけどね。湘南はもう、弱者じゃないわけだし。

後は、サイドチェンジは下手なので、思う存分こちらもスライド守備をしましょう。また、プレスには弱いです。目には目を!フレイレは、一発裏を狙っているので気を付けましょう。

4,【最後に】

はい、スタメン。

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マリノスは継続ですね。
難しいのは湘南。山根、山崎が出場停止で、鈴木冬一と齊藤未月がU20でいません。山根がいないのは、湘南にとって相当痛いはずです。代わりに、あの小野田君が出てくると見ています。今回はドゥレはいないけど、大人しい三好タイプの先発メンバーじゃないからね。1トップは指宿で、IHにレレウも入ると見ます。

これが終われば代表ウィーク。ちょっと休めます。綺麗に勝利をして、トリフェスも開催したいですね。私は、ユースに行くから行けないけど。

ここまで読んでいただいた方、読後に何かのアクションを行っていただいた方に感謝いたします。

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