勝てる漢の必須条件!秋はギャップを作れる奴がJを制す!2019 J1リーグ第26節マリノスVSサンフレッチェ広島 プレビュー

2週間。2週間も空いたのだよ!
こんな試合ペースが秋は続くわけで、プレビュー書くにも、チームの成熟度を上げるにも有り難いが、まぁ実に他のチームの試合を見てもつまらん。

そりゃ、俺も『とり9』とか行きたかったよ。みんなでマリノスの話したかった。でもさ、9月いっぱいは、酒もカロリーも控えているわけで、我慢したよ。
だからさ、何が言いたいかと言うと、10月は行くからな!なんなら、横浜への引っ越しも辞さないよ。

あぁ、待って!
話の枕で居なくならないで、いつもの形に戻すから!

という事で、実に3ヶ月ぶりのナショナルマッチウィークを越え、終盤に入るJリーグ。
ホームで迎えるのは、サンフレッチェ広島。25試合で18失点と、リーグ最小失点の難攻不落チームではあるものの、複数失点する試合もあり、マリノスの攻撃力であれば、何とかなるんじゃないかと思っています。

広島の戦力で言えば、パトリックは前節戦ったガンバへ移籍、現在はレアンドロもドウグラスも怪我でいないため、個人の脅威は下がり、はてさて、どうやって守りどうやって攻めてくるか、JFKは思案をしているところでしょう。

またマリノスは代表に、畠中、ケイタ、ナベ、ブンちゃんを送り出しており、疲労して帰ってくる彼らを使うのか注目される試合でもあります。

それでは、まずは前回対戦の振り返りから。

1,【10節アウェイサンフレッチェ広島戦の振り返り】

サンフレッチェ広島との前回対戦は、令和になって初めて行われたJ1リーグ。テルが見事にJ1令和初ゴールを決めてくれて、1-0で勝利をしました。あの時の広島は、実に堅かった。もちろん、芝の長さ問題もありましたけどね。

当時の広島は、マリノスとあたる9試合までで僅か5失点。正直、今よりも堅かった印象です。何故か?一つ仮説を立てるならば、前線のメンバーが日本人で構成されており、統率がしっかりとれていたからではないかと見ています。

また、前回対戦時のプレビューで大きく外してしまったのは、広島のチェイスの仕方と試合中の布陣変更の2点でしょうか。これがそのまま、この試合のポイントになり、今節に繋がります。

まずは布陣変更から。前半の途中。守備からの攻撃が上手く嵌まらない広島は、541の布陣から442に変更を行ってきました。

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広島は541でも十分カウンターは繰り出せていました。では何故、442にしたのか。
1つは、噛み合わせの問題です。

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これだと、マリノスに自由にボールを持たせてしまうため、大きいのは奪うポイントを前に持って行くという事です。

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これによって、チャンスの質を上げるというのが、JFKの狙いだと思います。

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分かりにくい方は、走る距離=疲労なので、その疲労は次のプレーにも影響するって思ってください。
ロングカウンターをやるには、スピードのある選手がいないとゴールに結びつけるのは難しいのですが、当時は足の速いタイプ(対チアゴという意味でも)のFWは広島にはおらず、あのまま後ろが重い541を続けるのは愚策でした。

必然、前から追いかけたい広島。これが、この考えが、マリノスに先制点をもたらします。
剥がせぬ事はない広島のプレス。しかも、マークマンについて行ってしまうので、前後分断が作られやすく、ディフェンスラインとプレス隊の間にはスペースが空きます。

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これを利用して、鮮やかにテルのゴールが生まれます。

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最初のボールを受けたテルが、喜田に落としたら、まっすぐに前線へ。

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リードされた広島は、試合途中のプレスを再整備、奪ってショートカウンターで攻め切れない時には、しっかりサイドで人数をかけるクロス戦術を実行してきており、ほぼプレビューに近い展開に。広島のゴールが認められない幸運もあったかもしれない、それでも勝つ事が大事。そんな試合でした。

この布陣変更とチェイスの仕方に関しては、今回もポイントになると思います。

では、今回の対戦ではどうなるのか、見ていきましょう。

2,【サンフレッチェ広島の守備】

まず、サンフレッチェ広島の守備ですが、基本は5バックで541(5221)ブロックです。綺麗にミドルゾーンでゾーンディフェンスを敷いてきますが、最初の方は、最終ラインは低くなく、完全撤退ではないので裏のスペースが狙えます。

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後ろに人数が揃っているので、スライドもゆるやかな速度で充分。
ここから、広島がリードすると、CBとCHの間を埋められ、完全撤退気味になり易いので、ちょっと厄介になります。常に先行したい試合です。

ただ反対に、前からプレッシングをしてくる事もあります。基本的には、ビハインド時や点の入る気配がない時に、城福さんの指示で前から嵌めようとするか、自動的に1トップの外国人FWがプレッシングをかけてしまうので、引きずられるように2枚のシャドーと2枚のCHないしはWBが前に行ってしまう傾向があります。

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今節は、外国人FWがいないので、1トップに引きずられるケースはないのではと見ていますが、果たしてどうでしょうか。さらに、広島のプレスの特徴は、振り返りでも言及したように、前後分断になりやすい事です。ブロックとプレスの使い分けの統率までは至っておらず、特に3CBがついて来れません。

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とはいえ、ネガティブトランジションが速いので、分断されてもすぐに戻ってきてしまうんですけどね。前回対戦の様な速攻を繰り出したいです。

続いて、前述したように広島はゾーンディフェンスですが、清水のワンワンディフェンスに近く、一度マークをはっきりさせる(捕まえさせてあげる)と、ついて来てくれます。

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どこで誰が誰を釣るか、とても大事です。
基本情報はこんなところでしょうか。

じゃあ、マリノスと噛み合わせると、

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この様に、もったいないディフェンスになります。541であれば、マリノスは後ろで持てるでしょうが、反対に段階的ビルドアップをしたとしても、がっつり付いて来る広島のディフェンス相手では、前線が渋滞し、ノッキングする可能性があります。

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これはこれで困ります。この場合、広島を自陣に誘いこんで前後分断をさせ、疑似カウンターを炸裂させたいところです。

また、前回対戦の様に442に布陣を変えてくる可能性もありますが、これは前から刈り取るディフェンスなので、そうなるとこうなります。

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こちらでは、勝手に前後分断になるので、前回対戦よりもスムーズにプレスを躱せるようになっているマリノスは、リスクはありますが、チャンスは作りやすいのではと見ています。
じゃあ、442で引いて来たらどうする?というのがありますが、442ブロックはしてこないでしょう! その前提で進めます。

速攻であれば、このやり方で崩せますし、意図せずにカウンターの形になる広島のCKもチャンスを作りやすいと言えます。

となると、広島が引いた場合、もしくは困ると書いたマリノスが押し込めそうな場合において考えます。
要は遅攻での攻撃ですね。

5バックで弱点になるのは、CBの両サイドであるHVです。ここを釣れるかが鍵であり、いわゆるチャンネル、(CBとWBの間、チャンネルが空く。CBとWBは切り離せます。)またはHVが配置されるハーフスペースまたはハーフレーンの攻略を行いたいという事になります。

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また、広島の3CBの中央を担う荒木が、マリノスCFを見る事になりますが、まぁ、CFにくっついてきます。それぞれ、こんな感じで食いついてくる事になります。

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①方向にFWが押し込めば、ライン調整が大変に。

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この通り、押し込めば、必然的にHV攻略のためのゾーンは縦に伸びます。このHVが管理する54ラインのライン間を狙う事が大事になります。

ここまで情報をインプット出来ていれば、いくつか崩す方法が見えてくると思います。

①単純にチャンネルを使って、HVを釣る。

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チャンネルケアにHVを引きずり出す形。

② WBをWGでピン留めして、マルコスでHVを釣る。

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③WBをSBでピン留めして、WGでHVを釣る。

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④CFが広島の3CB中央を動かす。

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さらに、④で最終ラインを下げれば、ライン間が空くので、④に関してはCBを動かすだけでも、①~③との複合の効果が大です。広大に食いつくエリアを広げたHV。ここを狙いたいのが今節です。秘技縦ずらし。

3,【サンフレッチェ広島の攻撃】

続いて、サンフレッチェ広島の攻撃です。やはり、基本はWBからのクロスと外国人FWの個人技、そして前線3枚の連携です。今回は個人技部分がほぼほぼ無くなります。

布陣は3421から4141または4231(442)っぽくなります。

この可変型はCHの選択によって微妙にやり方が変わりますが、CHのどちらかが落ちて4バックになります。

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この時、東がシャドーにいれば、4231っぽくなり、東が前線とのリンクマンの役割を担います。

ここから、WB(厳密には、可変した後なのでSH)とCHのポジションチェンジで、相手のマークにずれを作るケースもあります。

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ここからは、3通りの進行方法があります。

①サイドオーバーロードとアイソレーションの活用。

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必ずアイソレーションしてという約束があります。特に左オーバーロード偏重で、右はアイソレーションの形が多いです。

②1トップが落ちてきて、WBの上がる時間とパスコースを作る方法。

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この様に、シャドーとCHの間に入り、斜め前のパスコースを作ります。前進している間に、WBを上げてクロスです。

①②共に、最終的にはクロスで完結させますが、ファーサイドクロスを意識しているので、マリノスにとっては注意が必要です。ファーサイドクロスからの折り返しとか怖いです。

③後方に人数をかけて、シンプルに1トップにロングパス。

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ボールが収まればWBを上げて押し込みますし、シャドーと連携して前進を狙ってきます。ただ、この役割をスタメン候補の渡が出来るかというのがポイントで、じゃあ代わりに誰を狙うのかと言えば、川辺なんじゃないか思います。

こう考えると、必然的にCHのコンビは青山と稲垣にして、川辺を一列あげるのではないでしょうか。

因みに、青山がいると東のリンクマンはなくなる傾向です。というよりも、川辺とシャドーを組むと起きるというのが正しい理解かもしれません。この際、東はリンクマンの代わりに柏のチャンス製造機に変わります。また、東と川辺のコンビだと東が前に行き2トップっぽくなり。川辺はダイナモ的に動き回ります。

ここまでで、では何に注意をすれば良いの?という事ですが、やはりFWに欠員が出ているのが広島にとっては辛く、攻撃が上手くいかないケースの方が多くなるのではないでしょうか。こうなると広島は、442プレスからのショートカウンター狙いになるのではと考えます。

プレスではこう嵌めましょうくらいは図にしましょうか。

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もう、露呈している弱点なので言いますが、ファーサイドクロスでやられたら、仕方なしです。気落ちせずに行きましょう。

4,【最後に】

さて、スタメン。

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ここまでの試合の中で最もスタメンが読めないマリノス。マテウスの怪我の状態が分からず、代わりに代表帰りのケイタとし、あとは、いつものメンバーで予想!

広島は、ドウグラスもレアンドロもいないので、1トップは渡。青山と稲垣がCHに入ると予想します。

まとめます。
マリノス攻撃時はHVをどう釣るか、スペースをどう作るかですね。
マリノス守備時はファーサイドクロスは仕方なし、その前に前プレで前進を防ぎましょうです。

さぁさぁ、今節は言葉が要らないとても大事な一戦です。最高の雰囲気で三ツ沢をトリコロールに彩りましょう!

ここまで読んでいただいた方、読後に何かのアクションを行っていただいた方に感謝いたします。

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