2019 J2リーグ第7節ジェフユナイテッド千葉VSFC琉球 プレビュー

2019シーズンのJ2初現地観戦は、千葉対琉球。マリサポ目線で見ると、2013年マリノス、2018年夏の3バック時マリノスと同じモデル志向を持ったチームの対戦。カード発表時に観戦を決めていた試合です。本音を言えば、エスナイデルさんには頑張ってほしかったけど、江尻監督はベースは引き継ぎつつ改良しているので、これはこれで楽しみ。

1,【両チームの特徴】

ホーム千葉は監督を交代し3戦目。エスナイデルさんの時に培った、スペースを作り、使うのプロセスと、メインティンポジションの概念は引き継ぎ、3バック(守備時は5バック、攻撃の押せ押せ時は1バックに近い)で守備を安定させてきました。これは昨年の夏場のマリノスと考え方は一緒です。精度を求められるパスサッカーである事に変わりはありませんが、各ポジションの役割を整理し、ディフェンスを厚くした事で安定し始めました。3421のバランスは崩さず、シャドーはセントラルウインガーみたいになりつつ、ポジション取りはハーフスペースのレーンを意識しているので、個人的には結構好きな形です。

一方、アウェイの琉球は、マリサポには懐かしい樋口監督のサッカーです。4231です。基本はバランス重視。中央で失わないように、サイドを攻略場所のメインにし、ペナルティエリア内のハーフスペースを目指します。FWはクロスのターゲットになり、フィニッシュする役割とポストプレーが求められます。トップ下は自由、基本的にはボールサイドに寄るかな。サイドハーフは槍にも弓にもなり、内に絞る場合はサイドバックが上がり、ボランチがバランスを取ります。思い出される2013年マリノス。何にせよ、攻守のバランスが良いサッカーです。

2,【千葉の攻撃時に予想される展開】

琉球の守備ですが、基本はネガティブトランジション時や、相手の状況に応じてプレスに行きますが、無理はしません。取れなければ高い位置でのブロックにスムーズに移行させています。最終ラインと中盤ラインの距離感が良く、中央は網として機能しています。ここらへんも、2013年マリノスと同じ。千葉は、中央突破をするならば、1TOPめがけて『放り込む』方が可能性がありそう。琉球のサイドの守備は、ラインをボールサイドにスライドさせて、すぐさま危険になるエリアに対して、まずは人で埋めてきます。こんな感じで。

ここでも無理はしないので、大外ではボールを持たしてくれますが、ブロックの中に入ると刈り取りに来ます。ただ、サイドの個人の守備能力が高いわけではないので、『質的優位を出せるサイドアタッカー』がいれば突破出来る可能性はあります。また、ラインのスライドが遅れれば、チャンネルが弱点になることもあるので、サイドチェンジ』をして、大きな展開をどれだけ作れるかが重要です。もう一つ、琉球は押し込まれると、『バイタル』が空きますので、千葉としてはそこも突きたいところ。

これを踏まえて。前述の様に、千葉は攻撃時にシャドーがハーフスペースを使う意識が強く、大外はウイングバックのエリアです。時々、シャドーがウイングの位置に移動すると、ウィングバックが中に絞りますが、ケースとしては少なめ。より大外を回る事の方が多いです。そうした中でも、千葉のシャドーの人材であれば、サイドに流れて勝負が出来ますので、あえてこの数を増やしてくるかもしれません。また、無難に行くならば、ウィングバックを攻撃的にするものの一対一では戦わず、パスワークで押し込み、バイタル空けてボランチで仕留めるプランもありそうです。分析3試合では該当者が見つからなかったのですが、サイドチェンジが上手い人がいれば、ウイングバックの幅取りでも勝負は出来ます。
とはいえ、千葉の課題は攻撃面なので、細かい指示だしをして混乱を招くよりは、上記を諦めセットプレーを取りにいく事を第一にしても良いと思います。

3,【琉球の攻撃時に予想される展開】

続けて、千葉の守備ですが、完全に5-4のブロックを組んで来ます。ゾーンプレスの連動はまだまだで、『ライン間』を取られる事もありますが、5バックが瀬戸際で頑張り、突破されても何とかしている印象です。

堅い守備組織ですが、しっかり『チャンネル』は空きますし、現在は基礎の段階なので、スペースを埋める意識が強く、『中間ポジショニング』には弱いと見ています。また、ポゼッション時に中盤で奪われると、3バックしか残っていないのでピンチになりやすく、琉球は『ボランチへのプレス』のみ強めにするというのも、攻撃の面では有効になりそうです。

これを踏まえて。前述の様に、琉球はサイドを攻めるチームですが、今まではサイドに人数掛けて、ディフェンスをサイドに寄らせ、真ん中スルーパスを繰り出していました。しかし千葉ディフェンスは5-4ブロックの為、人数は足りており、全体がボールサイドに寄ってくるイメージはありません。あえて真ん中は捨て、サイド攻撃をより先鋭化し、人数をかけて、元々のサイドを崩すチームモデルを活かす方が、千葉ディフェンスを攻略出来そうです。中途半端にバランスを気にすれば、千葉のゾーンプレスにかかってしまうでしょう。普通に、このサイド先鋭攻撃が出来れば、千葉の弱点になりそうな『チャンネル』『中間ポジショニング』に関しては、既にサイドの位置で実現出来ているので、攻略できるのではと見ています。他にも攻略方法としては中央でオーバーロードを起こすというのもありますが、樋口監督はやらないでしょう。どちらかと言えば、守備時に頑張って、千葉のボランチを潰し、ウイングバック上がってる裏を狙うという、簡単な指示の方を落とし込んでいるのではと見ています。

4,【最後に】

ここまで書いてきましたが、よく考えると、今季初のミッドウィーク開催ですね。記載した様な細かい仕込みは望めませんね。と考えると、お互いに中盤(特にボランチ)を刈り取る守備をベースに、潰しあいする事になりそうです。
意図せずに、または個人戦術レベルで、記載した状況が生まれる可能性があるので、こちらとしては見る観点は変わりません。 千葉対琉球ですが、マリサポとしては、2018年の3バックマリノス対2013年の樋口マリノスのチームモデル対決という事をイメージして、観戦しようと思います。実に楽しみな試合。

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