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理解力はない方がいい?

始めの一歩!

ルードゥスアカデミーに入学してくる子供たちに対して、いつも講師は言います。

『知らない・わからないことを、どんどん質問してくださーい。』

ルードゥスアカデミーの授業においては、プリントもテストも、全て間違った答えに〇まる印をつけます。

『これが、大事なところなんだよ!君にとって意味があるもの!宝物!』

『たくさん間違って!たくさん質問してくださーい!』

『わかった?OK! じゃーもう一度自分で解いてみて! で、まだ腑に落ちないところ探してきても―1回!質問してー!』

クラスの編成人数、2名~4名の中での日々のやり取りです。

まず、『わかりません』という言葉を発することに対して、

萎縮しないように

恥ずかしい、なんて思わないように

気持ちを変えてあげます。そこから始まります。始めの一歩。

ルードゥス アカデミーの生徒たちには、全員の共通の宿題が毎回だされています。

『学校の授業でわからなかった事を持ってくること。学校以外でも、生活の中で疑問や腑に落ちない事、あったらなんでも持ってくること。』


『わからない』と言えない日本の子どもたち

どうやら、子どもたちは「わからない」という事に対して相当の劣等感を感じている子が多いと、講師は感じています。

マンツーマンで丁寧に説明していると、完全に理解していないのにもかかわらず、わかったつもりになってしまう子どもたちが殆どです。

『そんなに、理解力を発揮せず、ゆーっくり考えてみて!もっとくらいついてきて!』(って口癖です)

わからないとなると、低い点数がつけられて評価されてしまう 偏差値重視テストになれている子どもたち。

点数が低いと、先生や親に叱られてしまう。

点数が低いと、高校も大学にも行けなくて、将来どうなるの?

わからない事を減らして、理解して、点数をあげなきゃ!な日々に多忙な子供たち。。。

分割されている学習 

現代の学校教育では、学習内容は教科ごとに分かれており、その教科の中にも単元があり、単元そのものも相互の関連付けが希薄になっていることが多いです。 

そして、これを当たり前に私たちは学んできました。

しかし、教える立場になって痛切に思うことは、こんなにも細分化した学習に慣れてしまうと、さまざまなことを関連付ける思考が乏しくなり、相対的に考えたり、応用に発展させて、非常におもしろい気づきを体験する、という学びの究極の楽しさと感動になかなか到達しません。

とーってもつまらないです。

細分化されている世の中

これは、例えば総合病院などに行くと、それぞれの病気の症状で受診する科が異なることに似ています。

わたしはここの講師ですが、子供たちをサポートするために心とからだの勉強もしています。そして、整体師やアロマセラピストとして、カイロプラクターと患者さんをケアすることもありましたが、人間の病気の症状は、その人のからだと心の全てに関わってつながっているので、例えば肩こりや頭痛は、肩をほぐしたり、頭痛薬を飲むことで完治は決してしない事をよく知っています。(私のホリスティック教育の原点です)

昨今の世界の一番の深刻化が進む問題である「地球温暖化」も、生命のバランスの全体が細かく分断化されてしまっている結果なのではないでしょうか。

多くの企業は狭い視野で自分たちだけの利益追求に走り、廃棄物や有害物質の他への影響の考慮が欠けています。

つまりは、分断されていると、全体を統合的に見ることが出来なくなります。

人は常に、自分と他人という観念で生きています。

『自分』と『他』をわけてしまうと、差別という観念が生まれます。

『自分』と違う考えや信念を持つ『他』は敵対の対象になります。

『自分』を『他』という存在の外に置いて敵とみなすとき、敵を滅ぼす爆弾はたやすく作れますが、『他』を『自分』の中の一部とみることができれば、そう簡単には爆弾は作れません。

話が少しそれました。本題に戻しましょう。

わたしたちは、非常に多くの人、命、世界、と繋がっています。

自分で狭いしきりを作ってそこに自分を押し込めてしまうと、実は私たちの生命のバランスは崩れてしまいます。今、その究極まで自分たちを追い詰めてしまったわたしたちは、いよいよそれに気づいて、自分でつくった人口のしきりを取り払う時が来ているのではないのでしょうか。

自分と他の関りとつながりに注意を向けると、

そこにはとても大きな、

そして大切な気づきがあります。

失われたバランスが戻ってきます。


理解力はない方がいい?

理解力は大切だと思います。 物事の状況や仕組みを正しく把握して、大人になって様々は関係者とお仕事を進めていくのには大切な能力です。

しかし

このルードゥスアカデミーの中では、いったん『理解力』なるものを外してもらっています。よーく考えてから、理解する。そのプロセスを大事にしています。 

子供たちと面と向かって、何度も問答を繰り返していると、、ある瞬間  突然、子供の目が「キランっ」って光って、

「あああっ! そっっっかあ!!」

って言います。 (この瞬間が最高に気持ち良いわたし。)

世界は広いし、わからない事、理解できない事、不思議な事がもり沢山! すぐに理解なんてしなくてもいいよ。ゆっくり見て、感じて、味わって。

知らない事に出会って、それを知って感動し、たくさんの事に気が付いて自分が成長していく。この楽しさと興奮をいつまでも追及していってほしいのです。

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