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レビュー 22/23 リーグアン 第9節 トロワ×スタッド・ランス

こんにちは。今回は10月2日に行われた、22/23 リーグアン 第9節 トロワ×スタッド・ランス の試合のレビューをやっていきます。



この試合の両チームのスタメン

赤:スタッド・ランス 水:トロワ



1ゴール1アシスト1退場 伊東純也劇場開幕

前節は日本人対決となったモナコ戦をホームで落としたスタッド・ランス。この試合では上記のような従来通りの3バックでの戦いが予想されましたが、試合が始まってみると全く異なった展開に。

この試合ではグラヴィヨンが右に張って4バックの並びになりました。攻撃時でも守備時でもそれは変わらぬ様子でしたが、特に驚いたのはトップ下に伊東純也を置いた4−4−1−1の守備。


スタッド・ランスの守備の配置

後ろ4人と前4人で綺麗な2ラインを作り、相手の中盤をシャットアウトしました。

先制点は12分。左から右へと展開し、グラヴィヨンが持った右サイドのポケットを伊東がうまくとり、速いクロスに合わせたのはバログン。伊東は直前にも似たような良いランを見せており、良い形でゴールに結びつけることができました。

伊東の守備の負担を減らし、8人でブロックを敷いたスタッド・ランス。しかしながら、伊東は与えられた役割以上に守備にも精力的に貢献し、攻撃面ではやはり得意の右サイドから攻撃を展開していました。

しかしながら、その後は相手ペースとなります。相手に持たれたまま自陣で少し引き気味の守備をしてしまい、高い位置でボールを奪えずに相手のプレッシャーを常に受け続けるといった様子が見受けられました。

後半に入っても、立ち上がりにつまずいてしまいます。グラヴィヨンからのバックスをGKのディウフが適切に処理しきれないままママ・バルデに詰められ、最後はオドベールのゴールを許します。

手痛いミスによる失点ではありましたが、直後に勝ち越しに成功。CKの流れからこぼれ球を拾って、フリップの浮き球にうまくバウンドを合わせた伊東純也が今季3点目を決めます。直前にもバログンの決定機があるなど、すぐにやり返すことができました。

しかし、直後に予想外の出来事が。伊東純也の右足がポロソにアフターで当たって、伊東は一発退場処分に。今節は誰が退場するのだろうと思いながら観戦していましたが、伊東がまさかそうなるとは思いもしませんでした。

親の顔より見た退場劇で数的不利となったスタッド・ランスのオスカル・ガルシア監督はここで驚きの采配をします。64分にフリップとバログンを下げて、アデリーヌとホルムを投入します。特にアデリーヌはまだ18歳の選手。ホルムも21歳で若手ではありますが、少々驚きました。

これだけにとどまらず、70分台にディアキテとカモリー・ドゥンビアを投入したガルシア監督。両者共に19歳で、前にも同じような状況で同じような采配をしたことがありましたが、ここまで肝が据わっているとは。

後ろを6枚にして守備を固め伊東純也の挙げた1点を大事に守り抜こうと言う姿勢を見せますが、間も無くアディショナルタイムに差し掛かろうと言うところで痛恨の同点弾を献上してしまいます。

最後に両軍ヒートアップするようなフランスらしいシーンもありましたが、結果は勝ち点1を分け合うこととなりました。

トゥールーズ戦からこれで3試合連続で退場者を出すことになりましたが(残すはバログンとアブデルハミドぐらい)、11人で戦っている間はポジティブな要素を多く出せたのは事実。そして次節は絶対王者のPSGをホームに迎え入れます。伊東純也が出場することは叶いませんでしたが、縦の推進力は王者相手にどこまで通じるか見ものです。



簡単に引かなかった姿勢に女神が微笑む

今季開幕3連敗スタートからうまく立て直したトロワ。直近のリーグ戦では複数得点でアンジェ、モナコ、クレルモンに快勝して5試合中3勝1分け1敗という状況。

良い状態のまま試合に入ることができ、立ち上がりにリパールの際どいシュートが2発飛び込むなど入りに成功しました。

3−5−2の布陣を基盤としつつも、攻撃時には可変型の4−4−2になったトロワ。アンカーのタルデューを中心に中盤が消されているためにサイドからチャンスを窺いました。

3バックは基本ノープレッシャーでボールを持てており、相手の速攻に対しても帰陣の速い守備で抑えていました。しかし、攻撃に手詰まりを感じ始めると12分に先制点を与えたまま25分くらいまで停滞してしまいました。

さらにアクシデントで中盤のアグメが負傷交代を余儀なくされ、代わってドリブラーのオドベールが入りました。

終盤になって前からの守備が目立ち始め、全体的には押し込んでいるものの前半のうちに追いつくことはできませんでした。

しかしながら、後半になっても良い入りを見せると、ラルーシのプレスからGKがもたついているところをママ・バルデとオドベールが詰めて同点弾を決めました。

しかしながら、その同点の時間も束の間の出来事でした。3分後にはCKの流れから失点してしまい、流れを断ち切ってしまいました。

後半はラルーシの高精度のボールを頼りに左サイドにボールを集めて攻撃を展開。相手が退場して数的優位となったところでウグボなどを投入して攻撃に厚みをかけます。

パワープレーだけでなく裏抜けの姿勢もしっかり見せていた2CF。しかしながら、なかなかねえっとを揺らすことができないもどかしい時間が続きます。

しかしアディショナルタイムに差し掛かろうというところでクロスのこぼれ球を前線に上がっていたディフェンダーのポロソが流し込みました。

一度はオフサイドの判定となるものの、VARによってゴールが認められて同点に追いつくことができました。伊東純也が全ての点に絡んで自らピッチを去ってインパクトを残したのならば、その退場を誘発して同点弾を決めたポロソ劇場とでも言うべきでしょうか。

個人的にはこの試合の実況を担当された桑原アナウンサーの「ママ・バルデ」と言うフレーズ(?)が脳裏に焼きついた次第ではありますが笑笑、積極的な姿勢が実を結び立て直すことに成功しました。次節はアウェーでのニース戦。CFで起用されて覚醒しつつあるママ・バルデを中心としたチームアタックは見ていてとても楽しいです。



10月2日 22時00分 22/23 リーグアン 第9節 トロワ×スタッド・ランス

会場: スタッド・ドゥ・ローブ

得点(アシスト): 12分 バログン(伊東) 51分 オドベール 54分 伊東(フリップ) 90分 ポロソ

ポゼッション率: トロワ 67%  スタッド・ランス 33%

総シュート数(枠内): トロワ 19本(6本)  スタッド・ランス 5本(2本)

パス本数(成功率): トロワ 556本(89%)  スタッド・ランス 276本(72%)


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