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レビュー 22/23 リーグアン 第8節 スタッド・ランス×モナコ

こんにちは。今回は9月18日に行われた、22/23 リーグアン 第8節 スタッド・ランス×モナコ の試合のレビューをやっていきます。



この試合の両チームのスタメン

3度目となるリーグアンでの日本人対決。スタッド・ランスの伊東純也は予想通り先発メンバーに選ばれ、モナコの南野拓実はベンチスタートとなりました。



横の揺さぶりが徐々に効いてきて

久しぶりの4−4−2の近年のモナコの伝統的なフォーメーションで臨んだこの試合。前節はリヨンとの強豪対決を制しただけに、勝ってまた勢いに乗りたいところでした。

序盤は4バックでの試合勘が取り戻せていないのか、守備面でばたつく場面が見られました。

攻撃面では2トップがどちらも降りてきて中盤を助けていました。しかし、なかなかそこから効果的な攻撃がうみだせず、苦労します。

そんな中、開始わずか20分で相手が1人失うことになり、数的有利になって少し戦いやすくなる条件が整いました。

相手が数的不利になって低いブロックを敷いてくる中、モナコはそのブロックを崩すことにかなり苦戦します。戦い方としては外回りの攻撃で、最終的には中央で崩すことを狙いにして組み立てていました。

後半開始早々にその横の揺さぶりが実りました。ディサシが運んで、大外のゴロヴィン目がけたボールは、ゴロヴィンがダイビングヘッドで流し込みました。

直前に左サイドで組み立てをして、相手が横のスライドで間に合わなかったところをうまく突いて均衡を破りました。

その後は前線の2人がよりボールに触れてチャンスに絡むようになり、ウィングが外にはれば、数的有利の状況を生かして間をディサシやフォファナが顔を出す流動的な動きが徐々に生まれるようになりました。



この瞬間を待っていた!! 明るい兆しになりうるリーグアン初ゴール

64分に南野拓実とジェルソン・マルティンスを投入して、さらに攻勢に出たモナコ。

南野はこの試合でもボールをもらってからプレーを考えるようなことがあり、試合に溶け込めていない様子が伺えましたが、終盤になって待望の瞬間が。

GKのキックから、エンボロが相手ディフェンスを一枚剥がしてフリーの南野へ。

1対1の状況を、ニアをうまく突いて貴重な2点目を挙げたとともに、自身はリーグアン初ゴール。相手が少し前がかりに攻めていたスペースをうまく活用できました。

長らく批判の的になっていた南野拓実ですが、ゴールが出たことでまず一安心できたでしょう。チームメイトからサポーターに挨拶に行くことを促され、熱烈なサポートを受けた南野。ここから巻き返してチームに貢献してくれる子と共に、ワールドカップに向けて日本の10番に期待したいところです。

終了間際には南野はエース、ベン・イェデルの今シーズン初ゴールをアシスト。ゴールが遠かった柱となる2人の選手に初ゴールが生まれたこの試合。

モナコは苦しみながらも、後半に立て直して3発快勝でリーグ戦3連勝を飾りました。



自分で自分の首を絞めるのはもう終わりにしなければ

内容は良かったものの、引き分ける試合が多かった中で第2節以来の黒星を喫することとなったスタッド・ランス。

この試合ではゼネリのトップ下での起用が予想されましたが、試合が始まるとゼネリが左、伊東が右サイドに入った5−4−1のフォーメーション。

おそらく両者の適性を考えての采配でしたが、序盤はその戦い方が功を奏しました。

攻撃時はトップのバログンにターゲットを絞ってボールを預け、それに呼応して周囲の選手も動き出すというまたリズミカルな動きで相手を翻弄しようとしていました。

しかしながら、その良い時間がまたしてもすぐに終わることに。ボールを前線に蹴り出した後に、アフターでエンボロの足に足裏を見せた状態で蹴ってしまったロッコが一発退場に。

親の顔より見た今季の退場劇で、またしても10人で戦うことになりましたが、オスカル・ガルシア監督は誰か1人下げるという判断はせずに徹底抗戦します。

グラヴィヨンが左サイドに回って4バックを形成しますが、危ないシーンももちろん少なくなく、ディウフが度々防いでくれました。

自陣に全員が戻ってブロックを敷き、かつ少し荒れ模様となった前半はスコアレスで折り返します。

後半開始早々にディフェンスのスライドが間に合わなかったところをつかれて先制点を与えてしまいますが、伊東を中心に攻撃の糸口を探り続けました。

伊東は突破力とそのスピードで何度も相手を翻弄し、最後までその存在感が色褪せることはありませんでした。

一時的に左サイドに回る場面もありましたが、53分からは右サイドに再び固定され、バログンとの相性を考えるとやはり適性は右サイドにあるようです。

終盤になってまだ1失点の状況で、何としても同点にすべくチーム全体で少し前がかりに出ますが、逆にその裏をつかれて短い時間で立て続けに失点を重ねました。

息切れして3失点を喫して敗北することになってしまいましたが、11人で戦っている時はポジティブな内容を残すことができました。

しかし、またもや10人で戦うことになってしまい、自分で自分の首を絞める状況が続いています。オスカル・ガルシア監督への風当たりも若干強くなっていますが、一番はインテンシティ高く11人でしっかり戦うことをまず身につけていかなければなりません。



昨季は見られなかったリーグアンフリークにはたまらないこの瞬間

南野拓実(左)と伊東純也(右)

昨季は酒井宏樹と長友佑都がマルセイユを去って、フランスの地で戦う日本人選手はストラスブールに所属する川島永嗣のみという状況でした。

今シーズンはさらにそこに3人の日本人選手が加わりました。昇格に貢献したオナイウ阿道含め、新加入の選手は現地でも盛り上がりを見せました。

スタッド・ランスに移籍した伊東はこれまで前線の選手と縦の速攻で良い連携を見せ、持ち前の突破力やスピードで今やチームの欠かせない存在に。試合前まで批判の的となっていた南野は、体が重くボールロストのシーンが目立っていましたが、この試合ではゴールという重要な結果を残すことができました。

何よりもリーグアンフリークとしては写真のような日本人選手がフランスという地で対戦するということがとても嬉しいのです。

昨シーズンはこういった対戦がなかっただけに、彼らのような日本人選手がいるだけでも微笑ましいことですが、今回は南野拓実が目に見える結果を残してチームの勝利に貢献しました。

さらなる活躍が期待される両者ですが、これからも与えられた時間と役割をしっかり活かして今後のリーグ戦とワールドカップに向けて頑張っていただきたいです。



9月18日 20時00分 22/23 リーグアン 第8節 スタッド・ランス×モナコ

会場: スタッド・オーギュスト・ドゥローヌ・ドゥ

得点(アシスト): 47分 ゴロヴィン(ディサシ) 87分 南野(エンボロ) 90分 ベン・イェデル(南野)

ポゼッション率: スタッド・ランス 32%  モナコ 68%

総シュート数(枠内): スタッド・ランス 9本(2本)  モナコ 20本(11本)

パス本数(成功率): スタッド・ランス 256本(71%)  モナコ 550本(86%)


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