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レビュー 22/23 リーグアン 第11節 ロリアン×スタッド・ランス

こんにちは。今回は10月16日に行われた、22/23 リーグアン 第11節 ロリアン×スタッド・ランス の試合のレビューをやっていきます。



この試合の両チームのスタメン

灰:スタッド・ランス 橙:ロリアン



オスカル・ガルシアの後任は異色の経歴の持ち主

スタッド・ランスは10月13日にオスカル・ガルシア監督の解任を発表しました。

ガルシア監督率いるスタッド・ランスはリーグ戦で10試合を消化して1勝5分け4敗という成績で、ガルシア監督自身も娘さんの体調が思わしくないことから毎週バルセロナに帰っていた事情を踏まえて解任という形に踏み切りました。

暫定的にアシスタントコーチを務めていたウィリアム・スティルが指揮をとることが発表されましたが、ここから少しスティルの変わった過去について紹介していきます。

暫定監督のウィリアム・スティル

1992年10月14日にベルギーで生まれたウィリアム・スティルはなんとまだ30歳。チームキャプテンのアブデルハミドは35歳なので、キャプテンよりも指揮官が若い、「ナーゲルスマン現象」が起こりました。

両親はイギリス人でベルギーでは英才教育を受け、学校はフランス人向けの学校に通いました。さらに、フランドル地方のクラブでプレーしていた時にオランダ語も覚えたので、マルチリンガルという語学力に優れた人物です。

2人の兄弟もサッカー選手で、スティルはシント・トロイデンのユースチームやベルギー4部リーグでプレーしました。そこから17歳の若さで指導者への転身を目指すことになりますが、その理由が少し異質です笑笑。

「フットボールマネージャー」や「チャンピオンシップマネージャー」などのゲームで手応えを感じて、ランカシャー州の養成学校に通うことを決心します。ゲームでやれそうだと感じてコーチになることを決心するあたりは少し面白い経歴ですね笑笑。

最初は試合分析官、ビデオアナリストなどのアシスタントコーチ以外の仕事も担い、主にベルギーリーグで経験を積みました。2021年からオスカル・ガルシア監督のアシスタントコーチに招聘され、一時はライセンスの問題で退団するも、今季から再びスタッド・ランスに戻ってきました。



モフィの涙をこれからの糧に チームはここからまた強くなれる

だいぶスタッド・ランスの話題を多く書いてしまいましたが、ここからはホームチームの試合の振り返りを綴っていきます。

前節はブレストとの「ブルターニュダービー」を制してリーグ戦6連勝と、止まることを知らない今シーズンのロリアン。

この試合では守備はボワスガーが前に出る形で4−4−2。相手のCBにはフリーで持たせ、後ろのスペースを埋めていこうという狙いがあったと感じました。攻撃時は相手のWBが前からウィングに当たってきたため、SBは比較的自由にプレーすることができました。

しかし、そんなロリアンにアクシデント。相手に踏まれたモフィは一度はプレーしますが、数分後に出場を断念。怒りを露わにしつつ、悔しさから涙をこぼしたエースをベンチメンバー全員が宥める様子は最高にエモーショナルなシーンでした。

30分台から中盤でのドゥエルのシーンが増え始めた中で、痛感したのはモフィの偉大さ。代わったイブライマ・コネはポストプレーなどで前線で張るようなプレーを得意としていないため、いつものような前進方法はできませんでした。

しかしながら、そのパターン以外にも豊富に持っているのが今季のロリアン。ポゼッション率はほとんど相手が上回っていた中でウアッタラはサイドで毎度のごとくドリブルが光り、ボワスガーは途中からル・フェとダブルボランチを組んで組み立てに貢献しました。

後半の立ち上がりにまたしてもウアッタラがドリブルで相手ディフェンスを翻弄してロピの退場を誘います。

数的有利になったロリアンはボールを持つ時間は増えたもの、攻め急ぐ様子が見られ、自分達の時間を有効に活用することができませんでした。

攻撃の手段としてはウアッタラの個人突破にかなり頼ってしまい、ウアッタラも責任を感じて焦りが見えてしまうなど、他の選手とのコンビネーションプレーは皆無に近かったように感じました。

ステファヌ・ディアラは68分から出場したことで右サイドにいたウアッタラが得意の左サイドに回って少しは落ち着くことができたのではないかと思います。

ロリアンとしてはモフィのアクシデントがこの試合の一番の出来事となったまま、得点することはできませんでした。しかしながら、こういったアクシデントがあってもまたしてもチームは敗れませんでした。

相手が最終的に9人で戦うことにもなったので心的な余裕はあったかとは思いますが、欲を言うのであれば勝ちたかった1戦でしょう。次節以降はモフィが出場できるかは不透明ですが、彼がいなくてもどう攻撃を生み出していくのかが今後の鍵になりそうです。



退場劇は続くよ どこまでも

伊東純也が出場停止の中、前節はPSG相手に引き分けたスタッド・ランス。相手が10人だったとはいえ、王者相手にも通じる攻撃力の高さを証明しました。

攻撃時は相手がそれほど前から出てこないのもあって相手の2トップの脇からCBが前進。そこから繰り出されるロングボールを前線に収めればといったところでしたが、不用意なボールロストとパスミスが前線で目立ち、攻撃にリズムは生み出せませんでした。

守備は中央のアグバドゥまでもが左サイドのカバーに入るぐらい、相手のウアッタラがいる右サイドをスピードで攻略されピンチを招きました。

途中からロッコが下がって、フリップが前に出るような形で4−3−3に変更。ゼネリは左サイドによっていたがためにバログンが前線で孤立してしまう状況となっていました。

バログンとムネツィの強靭なフィジカルで縦にゴリ押ししていく場面もありましたが、ムネツィは前半のうちにまさかの負傷交代。さらにバログンが孤立するような状態に。

後半のまだ始まったばかりのところで、ウアッタラのドリブルに誘われてロピはこの日2枚目のカードで退場処分に。

前半は11人で耐えたとは思っていましたが、1試合を通して戦うことはできませんでした。4−4−1のフォーメーションに変更して自陣に全員がいる守備を展開。

ポゼッションは前半に比べてかなり下がる結果となりましたが、ゼネリのドリブルでラインを徐々に上げながらドゥンビアとバログンの3人で仕上げようという姿勢は見えました。

守備では相手の良さを消してうまく耐えていましたが、アディショナルタイムにアグバドゥが超絶スライディングをお見舞いして1発退場に。

10人で戦うことはもう慣れ事になってしまったとは思いますが、まさか9人で戦うことになるとは誰が予想したでしょうか。もはやお笑いになる程退場者が絶えないスタッド・ランス。

この変な伝統?呪い?は監督が変わっても変わることはありませんでしたが、次節は11人で戦ってくれることを願いましょう。次節は降格権を争うオセールと戦うため、ここはなんとしてでも勝ち点3を得て、上昇気流に乗っていきたいところです。



10月16日 0時00分 22/23 リーグアン 第11節 ロリアン×スタッド・ランス

会場: スタッド・ドゥ・ムストワ

ポゼッション率: ロリアン 48%  スタッド・ランス 52%

総シュート数(枠内): ロリアン 10本(3本)  スタッド・ランス 7本(2本)

パス本数(成功率): ロリアン 393本(80%)  スタッド・ランス 419本(80%)


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