ブファルとウナヒがいたアンジェはなぜ最下位? アンジさんと考える原因と今後の展望
カタールワールドカップでのモロッコ代表の躍進にはかなり驚きましたし、勇気をもらえました。冬開催だったこともありまだ記憶に新しく、振り返ればあれから約5ヶ月も時間が経っており、1年の4分の1がとうに過ぎました。
さて、そのワールドカップで躍進したモロッコ代表を支えた選手の中にはリーグアンのクラブに所属していた選手が多くいました。なかでも攻撃面で支えた、ブファルとウナヒという選手はアンジェというフランス西部の街のクラブに所属していました。
両者が活躍したことでアンジェというクラブの名も少しは広まったのではないかと思いますが、現在はリーグ戦29試合でわずか2勝、勝ち点11と大きく遅れをとって最下位に沈んでいます。
あの2人を輩出したクラブがなぜこんなにも苦しんでいるのか。今回は自分から簡単な今シーズンのトピックを前半に紹介し、後半はアンジェを応援している「アンジ」さんをゲストにお招きしてアンジェについて具体的なお話を伺っていこうと思います。
前編 今シーズンのアンジェ
出入りがかなり激しかった市場の動き
冬も含めると、今シーズンは記録上では加入が25人、放出が19人とかなりの人数が動きました。補強の目玉としては夏にGKベルナルドーニが復帰し、冬にはナポリで一時期「世界最高の左サイドバック」とも称されたグラムが加入しました。放出面ではワールドカップ効果により市場価値が高まったブファルとウナヒは売らざるをえない状況になりました。
悪く言えば「寄せ集め」と言ってもいい集団が完成した次第ですが、アンジェというクラブ自体が若手を集めて高く売ることを長年やり通しているチームのため、致し方ない補強戦略であったと思います。
2人の監督の更迭 3月には会長が辞職し後任に息子を指名
昨シーズンはバティクル監督のもとで14位フィニッシュ。しかしながら、今季は開幕2試合を引き分けたのち黒星が4つ続き、その後連勝して立て直したかに思えましたが、その9月の連勝を最後にリーグ戦では1勝も挙げられていない状況です。
クラブはこの状況を踏まえてワールドカップ前にバティクル監督を解任し、後任にブアザマ監督を据えて中断期間中の立て直しを図りましたが、負の連鎖は止まらず。
結局ブアザマ監督も更迭され、現在は暫定でアレクサンドル・ドゥジューが指揮をとっています。
先日の記事でも紹介しましたが、この低迷ぶりを受けてサイード・シャバヌ会長が3月の終わりに辞職し、後任として息子のロマンが就任しました。
自滅による失点が後を絶たず、流れを壊してしまう
そもそもなぜこんなにも負けが続いたにもかかわらず、クラブはバティクル監督をワールドカップ前まで引っ張ったのでしょうか。
答えは明白でバティクル監督の志向する戦術が理にかなっていて、ポジティヴな要素も試合の中でいくつかあったことです。
アンジェはバティクル監督のもとで守備一辺倒のチームから脱出し、ポゼッションもできるチームへと成長している段階でした。
特に魅力的だったのはベンタレブを中心とした中盤の質的優位を保ったうえでのサイドからの仕掛け。前半戦の左サイドではウナヒとブファルがいて、彼らの良さを引き出すための配置をしっかり整えている印象がありました。
しかしながら、その戦術も打ち砕いてしまうのがミスの多さ。特にディフェンスラインの集中力を欠いたミスが多発し、せっかくのムードが台無しという状況がずっと続いているのが原因であると考えます。そもそも補強により連携不足の新顔が揃ったことでうまくかみ合わず、ミスを犯してしまっているように感じました。
身の丈に合った戦術により特に立ち上がりは自分たちのムードを作れていますが、守備の集中力が持続せず自滅するような展開が続いたことでバティクル監督は更迭されました。もともとサイード会長も長い目で見る方だったので、我慢に我慢を重ねた結果だったと思います。
ブアザマ監督になってからは立ち上がり良い入りができているという状況はほとんど変わらないものの、どちらかといえば守備的になりながらも最終ラインのミスは絶えず、最近では要のベンタレブにも影響が出ている現状です。
個人的な見解はこのぐらいにして、ここからは日本からアンジェを応援しているアンジさん(twitter: @angers_jp)さんをお招きして、なぜアンジェというクラブを好きになったのか、クラブの現状をどう見ているのかを聞いていきたいと思います!!
後編 アンジさんへインタビュー
リーグアンを観るようになったきっかけを教えてください。
アンジェというクラブを応援するようになった理由はなんですか。
今シーズンのアンジェを簡単に振り返ってどんな印象をお持ちでしょうか。
今季の低迷の主な原因は何であるとお考えですか。
今シーズンの補強面に関してはどのような印象をお持ちですか。
今シーズンはバティクル監督とブアザマ監督の更迭、最近ではサイード・シャバヌ会長の辞任もありました。3人の印象を簡単にお聞かせください。
スタッド・レモン・コパ(ホームスタジアム)の雰囲気はどのように感じていますか。
低迷するチームにおいてポジティヴな要素は何でしょうか。個人的にはベンタレブのアンカーとしての覚醒が唯一希望をもたらしている存在であると考えています。
カタールワールドカップでのモロッコ代表およびブファルとウナヒはアンジさんの目にどう映りましたか。
両者の活躍は予想できましたか。また、活躍した両者の今冬の移籍は避けられないことだったのでしょうか。
アンジェについて今後(残りのシーズン)はどのような戦い方を期待していますか。
徐々にリーグドゥへの道が近くなってきている次第ですが、来季はアンジェにどのようなことを期待したいですか。
最後に改めてアンジェというクラブの魅力について教えてください。
最初はPSGのサポーターだったアンジさん。ブファルの個サポからアンジェというクラブを応援するようになったとのこと。それにしてもなぜアンジェというクラブに興味を持ったのかお聞きしたく、今回お話を伺ってみました。珍しいと言っては失礼なのかもしれないですが、このような方が今後も増えてくれるとサッカーの話題は永遠に尽きないですよね。
低迷の原因は私と同じ見解を持っていらっしゃいましたが、4月からこれを忘れさせてくれるような活躍はできるのでしょうか。それでも結果に拘らずにアタッキング・フットボールを期待するアンジさん。残りのシーズンも過渡期を迎えてきましたが、その期待通りの戦い方で何かしらのインパクトを残してくれることを私も期待しています!
アンジさん、この度はありがとうございました!!
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