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【一人カフェ】アール座読書館


秋晴れのある日、久々にドタキャンをくらってしまった。

この日はSNSで知り合った友人と、川越で着物レンタルをする予定だった。

彼女とはすでに一度会っており、とても感じが良かったけど、当日になって連絡が途絶えた。


普段ならかなり取り乱していたが、この日はなぜか、平然としている自分がいた。

元々季節の変わり目で、身体が休息モードだったのか、なんなのか。


池袋駅で乗り換えを見合わせ、けろりと一人カフェへと向かうことに。

いつもは今から会える友達を探すところだが、今日は一人でいいやと思えた。

自分でも少し驚いてしまうくらいに、落ち着いていた。


高円寺のずっと気になっていたアンティークカフェ。 "会話禁止" という少し風変わりなルールがある「アール座読書館」へ。

このカフェは過去に何度か訪れていたが、いずれも休日の午後だったからか満席。オープン時間は12時と遅めなので、今から向かえば オープン凸 で入れる…!と。  


久しぶりの高円寺駅。カフェの前に到着すると、予想通り、まだ誰もいない。

あっさり一番乗りで入店。しかし出てきた店員さんは、「いらっしゃいませ」の一言もなく、無言で階段下の看板を裏返しに行ったのでちょっとびっくり。

接客が悪いという口コミを見ていたので、勝手がわからないことに加えて少しドギマギ。別の投稿の「水槽の席が人気」という情報を頼りに、とりあえず大きな水槽のお席へ。 


お水だけ無言で出してくれたものの、ここは会話厳禁のカフェ。注文を聞きにきてもらえるのを待つこと15分。ようやく店員さんが来てくれてほっとする。

後に口コミを拝見したところ、挙手や小声で注文をしても問題ないようだ。その際の店員さんはどこか柔らかい雰囲気で、これまたほっとする。

今日はなんだか自分に余裕がある。ドタキャンされても、接客に違和感を感じても苛々せず、和やかだ。


ひとつ上の階の「エセルの中庭」には友人と訪問したことがある私。メニューはそこまで変わらず、ドリンクの種類が豊富だ。

カフェインが苦手な私の中で、ノンカフェインのドリンクが多いカフェはポイントが高い。

毎回迷ってしまうけど、今回は「キャラメルミルクティー」「クッキーの盛り合わせ」を注文。


古書が並ぶ本棚からピックアップしたのは、ムーミンのコミック本。自宅にも何冊か所持しているけど、まだ読んだことがないシリーズを見つけたから。

程なくして注文したものが出てくる。盛り合わせは市販のクッキーなのだが、ドリンクとよく合う。

咄嗟に水槽の席に座った私だったが、やっぱり壁際の席が可愛く見えてきて、写真目的でそちらへ移動。


それぞれの席に小さな仕掛けがあるこちらのカフェ。空いていれば席の移動は可能らしく、わたしはその後もさらに窓際の席へ移って空間を満喫した。

その席には「鉱物博物館」と称された引き出しがあり、これまた可愛い。(個人的にはここが一番お気に入りかも)

ボタンを押すとライトアップする芸の細かさ


ワンドリンクで2時間まで滞在可能とのことだが、それでもここで過ごす時間はあっという間。

午前中から予定のなくなった休日にはぴったりだ。
(土日午後からだといつ入れるかわからない状態で待ちぼうけになる可能性が高いのでおすすめできない)


書籍は新品というよりも古本屋さんでありそうな古書がほとんど。でも小説、絵本、漫画、雑誌などジャンルは多く、どんな方でも気になる一冊が見つけられそうだ。

レターセットの販売もしていて、書き物をするにも最適。またこれまでに訪れたお客さんのメッセージノートがあり、それを読むのも楽しかったり。


読んでいると、意外と悩みを抱えている人が多くて、みんなそれぞれ色々あるんだなあと実感。普段はこういうの書かないタイプだけど、つられて何かメッセージを残したくなってしまう。

「生きるのが辛い」みたいな各自の悩みとともに、「みなさんが幸せでありますように」みたいな言葉も多く、謎のあたたかい一体感が生まれる。


店内は本当に静かで、振り返るまでほぼ満席になっていることに気づかなかった。読書や執筆に集中していたせいもあるかもしれないが。

でも全くの無音ではなく、水槽の水が流れる音や、微かなBGMがあるので、緊張し過ぎずに済む。

メニューには瞑想の楽しみ方なども記されていて、瞑想に来たつもりはなかったけど、帰り際にはどこか心がすっきりしていた。


同じく気になっていたヴィーガンのカレー屋さんで遅めのランチを食べて、雑貨屋さんでハンドメイドの指輪をいくつか購入して、帰路につく頃にはすっかり夜。


まったり、だけどあっという間の秋の休日。

明日は何をしようかな。





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