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クラスター対策班が明らかにすべきこと

社会経済活動と感染対策の両立においてクラスター対策班にぜひ回答してほしい疑問がいくつかある.彼らは各地の保健所や行政から集約的に情報を集めていたのだから,これらに対して答えるだけの情報を持ち合わせているか,持ち合わせていないかも含めて何らかの回答ができるはずだ.生活と感染対策を両立する上で多くの市民が参考にすべき以下の話題に是非答えてほしい.

1.東京出張感染の実態は?

 地方の報道記事を見ていると東京出張後に感染が判明した人が多数いた.これらの人は普通の出張で感染したのだろうか?夜の街やハイリスクな場所に出入りしたから感染したのか,通常の商談・ビジネスホテル宿泊・新幹線や飛行機の移動で感染したのか.これが明らかにならないと感染拡大地域への出張を見合わせるべきなのか,慎重に行うべきかの判断がつかない.個人的には航空機感染は機内ではなく,検査場など機外で起こっている可能性を疑っている.

 東京都内で市中感染と思われる事例が増えているが,これもどの程度のリスク行動をしていたのか感染者を大雑把に層別化した上で,リスク行動別の感染者割合を公表することが重要なのではないか.

2.学校保育園クラスターにおいて子供から親への感染はどの程度生じたのか?

 多くの子供は感染しても無症状か軽症であり子供自身に命の危険が及ぶことは少ない.しかし子供から親へ,親から祖父母へと感染が広がれば重症者も増えてくることが予想される.この伝播がどの程度の確率で生じるのかがはっきりしないと第2波が到来したときに学校閉鎖を広く行うべきなのか,発生した学級を閉鎖すれば済む話なのか判断がつかない.親としても子供を学校へ行かせ続けるべきなのか判断できない.学びの継続は高齢者の命と同等かそれ以上に日本にとっては重要であり,この点について回答を示してほしい.

極端なN=1を紹介するような報道だけが先行し,市民が知りたいデータ(個人情報ではなく統計的情報)が出てこない世の中では過剰とも言える反応やそれに対する反発から招く慢心がはびこるのも無理はない.日常生活の参考にするためにも,是非上記の疑問に対して回答を示していただきたいと思う.




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