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新主人公・アルマのバックストーリーを作る会

●本稿はCAMPFIREにて実施中のクラウドファンディング「10周年記念、新主人公と共に『ルミナスダイアリーシリーズ2』を始めよう!」のプロジェクト企画に伴う投稿です。
ルミナスダイアリーシリーズは2020年10月4日に10周年を迎え、それを期に新たなスタートを切ります。
新たな主人公を迎えるためのクラウドファンディングへ是非ご支援頂けると幸いです。

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https://camp-fire.jp/projects/278423/

デザインができたらバックストーリーだ

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新キャラのデザインが出来上がったら、次はストーリーを作りましょう。せっかくのレギュラーキャラなのだから、ストーリーもなくポッと出な背景じゃあ勿体ない。俺たちと密な関係を持ってもらおうじゃありませんか。

ルミナスタジオのキャラデザインは、もちろん個人的な好みの作品を基に『ありそうでない』を主軸に置いております。そのため、アルマの身の回りの関係や境遇もそのルールを重視して設計することになるでしょう。
ただ、10年以上のキャラクター設計が存在している俺たちへ新たにその関係を突っ込むとなると『前から居た』は通用しないため、新参者という定義で入れるのが最も自然となるはず。となれば、それを前提にバックストーリーを作っていくことになります。
ならば書こうではないか、アルマが俺たちと同化して妹となるまで展開を

そのまえにおはなしの舞台を設計する

Children's rhapsodyの世界はスピリチュアリズムを基本としながら、世に蔓延するスピリチュアルカルトをぶった切る『カウンタースピリチュアル』をテーマにしています。そのため、登場するキャラクターは何かしら人間の枠を超えた者がナチュラルに登場する世界です。
例えば神というものは人間のワンステージ上の生命な"だけ"であって、見た目や霊的な領域の知識と運用ができる以外は人間とほぼ変わらないものという設定があります。フォーカスする時代では、人間が神に成ることは進化の過程に過ぎず、ある意味では自然現象でもあるというメッセージ性を持ちます。
ほかにも高次存在の見えざる手によって宇宙は破滅(アセンション)と再創造を繰り返し、三次元生命は家畜のように飼育され……そんなどんとこい超常現象の世界にアルマや紅葉たちがいるわけです。

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こんなダクソ風序文を作るぐらいです。

紅葉にとってのグラウンドゼロ、つまりこの繰り返しのプロセスをミレーニアとルミの手引きで認知かつ離脱することに成功し、さらにはミレーニア企画のド鬼畜ブートキャンプにより紅葉は大神となるイントロダクションストーリーが存在します。これにより輝鳴紅葉というキャラクターは大神を名乗るようになり、自分の手で輪廻の渦にある宇宙を"起爆"し、アセンションの起点とされる地球の防衛戦に乗り出すというのが始まりのおはなしです。

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で、アルマが登場するおはなしの舞台は『30回目の宇宙、2028年5月』の北海道虻田郡ニセコ町。なお写真は喜茂別町から撮った羊蹄山です。
皆様のいる宇宙は29回目という設定にしているので、今から数えるのも不可能なほどの未来のおはなしです。(そりゃ一度宇宙も陽子崩壊してブラックホールまで蒸発した完全な無を経験するわけですし)
地球は紅葉が"起爆"した宇宙の回を重ねるたびに少しだけ辿る歴史が変わっており、30回目では今いる現在の世界よりも良い方向に進んでいると仮定しています。

そのメインの舞台である北海道に限ると、世界の半数で実現されたベーシックインカムを導入できた地方の一つであり、発展する機械とML/AIの本格的実用の結果、必要な労働力は20年以上前の8割は機械に取って変わっているという設定です。つまりシンギュラリティ寸前ってやつです。

「先日言ってた給付金の……えーっと」
「ああ、基礎給付のやつな。あれはいわゆる『ベーシックインカム』だ」
「ベーシックインカム?」

 驚いた。日本では困難と言われていたベーシックインカムを北海道は実現していたのか!
 世界各地の国や都市がベーシックインカム制度の導入や切り替えを進めて数年、
全世界の四分の一がこの制度を実用化していると聞いたことはあるが、日本は行政の体制や
社会構造・福祉の問題から実現ができない見通しを立てていた。
 紅葉さん曰く、年金制度と税制改革によって地方自治体がそれらを管轄するようになったおかげで、
地方が様々な財務管理を求められるようになり多くの負担を強いられていた。
そこで北海道は成長させたIT技術を駆使し、行政システムの大半を機械とAIで
処理させることにしたという。
 当然ながら一部はサービスの悪化を懸念し反発していたらしいが、
役所の仕事量がパンクするのが目に見えていたため導入を強行したらしい。
結果、窓口業務の人員は半分に削減し事務処理は見事80%以上の効率化を成功させたという。
行政に関してもAIが地域の情報収集を随時実施し、問題点や改善点の提案を自動で
各地の議会に提出しているらしく、効率化や最適化、産業の改革や少人数化など、
多くの要因が功を奏して財政が凄まじいほど好転したらしい。
 これにより500万人程度いる北海道民全員に、毎月『賃貸住宅給付金』と『生活基礎給付金』という
ベーシックインカムを実現することができたらしい。

「ちなみに毎月……どれぐらいに?」
「両方合わせて平均20万ぐらいかな。ここは住宅給付が少なめだからちょっと平均よりは低めだが」
「それ最近の若い人たちの月収と同じじゃないですか。所得税とかって」
「もちろん掛からんよ。仕事してる分に課税されてる」
「よく職が減りませんでしたね……」
「道外から来る奴はよく言うよ。でもこれまで町を見てきただろう?
意外に仕事って生まれるもんなんだよ。単純なことから高度な技術まで」

 もちろん10年以上前と違って一人あたりの仕事量は大きく減少したらしいが、
経済は当時の何十倍も回っているらしい。
東京を含めた首都圏との差が想定外の方向で開きすぎていて圧倒される。

実際の北海道も、時世のCOVID19による被害を一周先を行っています(6/1時点で第三波の警戒をしているぐらいですし)。恐らくこの30回目でも新型ウィルスの被害が2020年に起きており、その波に完璧に乗ることができた場合の未来なのかもしれません。
ちなみにこのテクノロジーフル活用の音頭を取ったのが、何を隠そうアンジェリカを筆頭に結成した北海道の技術者連合でした。名前は多分ユニオングロッティとかかも。(グロッティ:北欧神話に出てくる、どんなものも生み出せる石臼)
宇宙を一巡するだけに収まらず紅葉と同化した上、あの"暴風のような"アカシックレコードの探索までこなせる技量を持つアンジェリカは、昔はロボティクス専攻でしたが今では何でも屋になっています。

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このアンジェリカ達のチート級パワーによって第四次産業革命とも言えるほどの進歩を果たした北海道とニセコ町(とその近辺)。アンヌプリ南部の農地エリアはオートメーション駆動する生育管理ボットと農地環境を分析するドローンが飛び交い、生産者はそのデータを家で集めて定期的な稼働状態を管理するわけです。さらにはその機器メンテナンス業は今でいうJAがやるのかもしれません。
行政に関しても、上述の産業データのほか、町民の意見や財政状況を踏まえてそれらをデータセンターで集約し、自動生成される議題や予算案を調整して話し合われる時代です。
電力事情も2018年の大地震でブラックアウトを経験した北海道。より小さいセルプラント単位での発電戦略に切り替わり、効率的な垂直翼型風力発電からわずかなスペースも活用するペロブスカイト型薄膜太陽光発電パネルなど、複合的な経路と手段を用いてエネルギーを確保、各家庭や事業者のキャパシタへ蓄電させていく仕組みが用意されています。原子力発電は札幌の大企業向けに稼働しますが、遠方の火力発電は新発電システムに取って変わっているはず。
さらに懸念される不動産問題。北海道はよく外国の(特にアジアの)投資家が節操なしに不動産を買い漁っているというのをよく聞きますが、リアルのニセコもかなり激しく国内外の投資家が土地を転がしている現実があります。なんやかんやあってその土地問題も町民と正規に移民した人たちが協力して解決したのだと思います。まあその辺りは俺自身の知識不足なのでそういうことにします
つまり、もはや2000年代以降の日本がすべて上手く行った時に得られる未来を描いているとも言っていいのでは

とにかく自分が内情を考えるのが面倒なので、現代地方の抱える負の問題をあらかたテクノロジーで強引に解決した世界こそが、アルマや紅葉たちの住む地球ということにしております。

アルマがニセコへやってきた理由

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リアルのニセコアンヌプリの下には数多くのホテル・旅館・ペンションからコテージ・コンドミニアムまで点在しています。もちろん30回目の宇宙のニセコも同様です。
そこには紅葉とアンジェリカが経営する、見た目はホール型のペンションだけど施設サービスは徹底されたオートメーションで極小人数かつシャボン玉でも運用できる『アンヌプリ・クリエイターズパブ』があります。
アルマと名乗るようになる前の人間、元商品開発職だった30代女性の元林はある事情でこの宿を経営する大神の存在を知り、興味と導べを求めてやってきました。

詳細は省きますが、元林は商品開発の中で、これまで以上に低コストかつ環境保全も成立できる完璧な完全栄養食を完成させた経緯を持ちます。が、その目的はかなりマッドで、『完全なものをばらまくことで、貧困を商材にする奴らがどれだけ混乱に陥るか』を観察したかったというトンデモ理由でした。
しかし結果的にそれは完成の成果を会社にすべて奪われたことで実現することはありませんでした。さらに開発職を追われいわゆる窓際族にまで左遷された元林は、豪快にも上司の顔をグーで殴って辞めるという、もうこの時点でフツーの人間じゃねえという人生を送っていました。

世界を合法的にカオスに陥らせて世界の激変を観察しようとした元林。望みは絶えましたが、ニセコへ来て紅葉と出会った元林は『もっと面白いものがある』と言われ、自身と融合し『シャボン玉の夢』を探究する未知の体験を提案したのです。
シャボン玉の夢とは文字通りの混沌であり、そこからアカシックレコードへ挑むこともできる中継ハブでもある領域。緩く優しい"膨らみ続ける"快楽に留まるもよし、高次宇宙の未知を探究する旅を始めてもよし、思った以上にチートレベルのスペースです。
職を失い目的も無くなった元林は、この提案にとても興味を抱きました。超能力者や人間ではない者が存在しうるようになったこの時代、こういう人間社会からスマートに逸脱する体験ができるのは貴重なものだと思ったことでしょう。

夢の果て、アカシックレコードの前にあったもの

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元林は未知の体験に酔い、知らぬ間にシャボン玉の夢のさらに深淵へと進み続けました。その果てにあったものは、学校の教室とひとつの学習机でした。
夢の中で認識するものは、大半が自身の持つ記憶や体験が基になって形づくるもの。元林が見たこの机と教室は、何を隠そうアカシックレコードの入口が本人の記憶によって最適な形を取っているものでした。

その机の前にいたのは、自分よりも幼めだが喋りも佇まいも賢人のように思える、銀色の狐の耳と尻尾を携える少女でした。
彼女は遠い昔の時代に『魔王』と呼ばれていたらしく、色々と含めさせながらもアカシックレコードへ挑むことのできる者を見定めていたと言いました。話を聞いていると、どうやら彼女は28回目の宇宙で既に死んでいるらしく、自身の遺志を継げる可能性の人を待っていたようでした。
彼女いわく、「私が生きていた時の人間は、上位の何かに創られた生命である」とのこと。それを自覚してしまった彼女は、自分が何のために創られ、何のために存在しているのかを知るために知識を集めていたと言います。
にわかに信じがたい話を続けていると意気投合した元林は、その魔王と呼ばれていた少女と共に危険なアカシックレコードへのアクセスに挑むことになりました。

アカシックレコードとは高次領域の場所であり事象である。
地球上で観測しようとする者は後を絶たないが、得てして真実を掴むことはできていない。
もし掴んだという人間がいるとしたら、それは嘘であるか、
またはアカシックレコードへアクセスできる技量を持つ超越的な神だろう。

しばしばアカシックレコードは『全宇宙の過去・現在・未来すべての叡智が集まる』が、
その真相を知る者からすればその考えはいかにも矮小である。
無数の別宇宙、無数の次元、そして無数の世界線といった可能性から
異世界の過去・現在・未来の叡智が集約されており、
それが暴風のように吹き荒れるのがアカシックレコードの正体だ。
三次元生命体がそこへアクセスしようものなら、この嵐はアストラル体を突き抜け、
ソウル自身に混沌ともいえる高次、低次あらゆる次元領域の情報を無理矢理叩きつけられる。
これに耐えられる知的生命体はまず存在しない。
自身の存在を定義するソウルはこれにより乱暴に変質し、もはや人はおろか、
生命体の体すら成さなくなるだろう。
事例としては、無数の海洋生物のような触手を生やす"名状しがたい""冒涜的な"物体が多い。

そんなとんでもないリスクの塊に挑んだのは何故なのかは未だ分かりませんが、元林の内に抱く混沌と狂気が冒険心を駆り立てたのかもしれません。
聞かされた話どおり、アカシックレコードの暴力のような情報量は自身を見失うほどのおぞましいものでした。ここでは何が起きてもおかしくない。知らぬ間に彼女の姿は消え、恐らく元林へ遺志だけ残して合体してしまった可能性がありました。が、それが功を奏したのか偶然にも"シャボン玉の夢の中核"に関する知識が元林に衝突し、結果的に元林は紅葉とアンジェリカが共有するソウルと同化を果たしてしまったのです。

偶然か必然か、突然シャボン玉の夢の姫となったアルマ

無数の偶然が重なり、まるで異世界転生レベルで突然新しい人生を獲得した元林。人間の体とシャボン玉の体はまったくもって勝手は違えど、教えてもらった(混ぜてもらった)知識で人の形を作ることはできました。
しかし、できあがった体は20歳弱ぐらい若返っただけでなく意図せず狐の耳と大きなシャボン玉の尻尾を携える異質なもので、まさにそれが夢の力を遊びから実務まで、文字通り自由に使いこなせる証明でした。

「俺たちに新しい風がやってきた」と妹分になった元林を大いにヨイショする紅葉とアンジェリカ。
気持ちいいことに正直に』過ごすことをアドバイスされた元林は、以後自身の名を『シャボン玉の夢の姫狐、アルマ』と名乗ることにしました。それは、あのアカシックレコードで出会った魔王と呼ばれていた狐の少女、"アルマトゥス"の名から取ったものでした。
新しいファミリーの誕生に、紅葉とアンジェリカ、さらには二人を知るニセコのフレンドたちもお祝いムードでパーティタイムです。経緯はもちろん新世代のシャボン玉が誕生したのですから、これからの新しい風がよいものとなるのを期待しているのでしょう。

しかし、アルマには疑問もありました。
アルマトゥスは自分に遺志を託した。では、その遺志とは何を示していたのだろうか。ただ紅葉と同化したかったわけではないはずで、その真意にはまだ奥深い何かがあるはず。
アルマはアカシックレコードであるビジョンを見ていました。それはSFアニメのようなロボットが係留される大きなハンガーの前で、天使のような姿を持つ男性と光の剣を構える人間に刺し殺されるアルマトゥスの姿と、彼らを弾き飛ばし、彼女の死際を看取り、死の直前にシャボン化させ融合する紅葉の姿でした。
この話を紅葉へ持ちかけたところ、そのビジョンは28回目の宇宙の話であり、西暦という概念が終わって間も無い頃の話だといいます。それは今の時代からすれば果てしなく遠い昔の話。そこにアルマトゥスが自分に託した何かのヒントがあるかもしれない。確証は無いけどほぼ確信していたアルマは、相談をもちかけよう……としましたが、既に思考も心もすべて繋がっていたので"声で"話さなくてもその提案はしっかり紅葉に伝わっていました。

「話を聞いてくるといい。ニセコに住む奴らの大半はその時から俺たちと一緒に戦ってきた友人たちだ」
アルマの探究心に期待している紅葉はこう提案し、アルマはペンションの仕事の片手間にニセコに住む紅葉の古い友人たちを通し、昔の話に触れていくことになります。
それは太古より人を支配し続け、見えざる手によって収穫を目指していた高次生命体と、それに抗い人の進化を目指し続けるシャボン玉の夢の姫大神と、志に呼応し技術で人の高みを目指す軌道衛星国家の話。
アルマはその昔の話に触れ、これからやってくる脅威とそれを迎え撃つものたちの存在を知ることになるでしょう。



すっげー難しい話だなこれ

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好きなんです、こういうの。

そりゃ俺の好みのゲームがゼノギアス/ゼノサーガやクロノトリガー/クロスに始まり、ファイナルファンタジーシリーズ&サガシリーズや小島プロ系、エルシャダイからフロムゲー等、映画もそれっぽいのが好みというクソデカスケール大好き侍
とはいえ自身にそこまで多くの知識があるというわけでもないので、極力複雑な技術的説明の必要なシーンを避けながら書いているわけです。
そりゃそうだ、俺はこういうのは専門じゃない

それはともかく、これでアルマのバックストーリーができあがりました。
これより先の話は追々作っていくことにして、最後はルミナスダイアリーシリーズ2に必要な導入を作れば、キャラ周りの準備は完了ってことでいいでしょう。
これは如何にしてアルマとルミがタッグを組むことになるかの前日譚みたいなものになるでしょう。
そう、このバックストーリーを基礎にしてどう組み立てていくか。多分本分じゃないけど、俺ってやっぱこういうの好きなんだなと

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