伝説的ロックバンド GODIEGO(ゴダイゴ)のこと
もうかれこれ15年以上前のことでしょうか。当時わたしは「Jupiter」などで知られる平原綾香さんの大ファンで、出演されるテレビ番組は欠かさずチェックし、各地のライブにも追いかけていくほどでした。今ではそこまでのバイタリティこそないものの、楽曲は変わらず好きです。
それでその頃、何かの番組、確か「saku saku」だったと思うのですが、突然「ミッキー吉野」という名前が、平原さん以外の出演者の口から飛び出しました。その前後の脈絡は全く覚えていません。ただその名前が出たので、「おっ!」と耳をダンボに画面を見ていましたら、平原さんは「誰それ?」というような顔をしていたのです。(彼女が20代の頃の話です)
「あーや(平原さんのこと)がミッキーを知らないとは!?」
と当時は思ったものですが、よく考えてみれば、1984年生まれの彼女が(特にそれまで仕事で関わることがなかったのであれば)ミッキーさんを知っていることの方が不思議ではあります。そしてわたしも、どちらかというと世代的には平原さんに近いわけで、そのわたしが「ミッキー吉野」と聞いて「おっ!」という反応をする方が、むしろ不思議だったりします。
そんな前振りから入ってみましたが、今回はミッキー吉野さんがリーダーを務める、日本の伝説的ロックバンド「GODIEGO(ゴダイゴ)」について、ファンになったきっかけなどを書いてみたいと思います。
GODIEGOとは
元は1975~1985年にかけて活動していたロックバンドです。
わたしは活動当時をリアルタイムで知っているわけではありませんが、当初はそこまで売れていたわけでもなく、ドラマや映画の劇伴やCMソングなどを数多く手掛けており、知る人ぞ知る的なバンドだったようです。ところが1978年、NTV系ドラマ「西遊記」のサウンドトラックとしてリリースされたアルバム「西遊記」が爆発的にヒットします。
代表的な曲は「ガンダーラ」「モンキー・マジック」「ビューティフル・ネーム」「銀河鉄道999(The Galaxy Express 999)」など。国内でのライブ活動も精力的に行っていたほか、海外公演も実施。1980年には「第一回中日友好音楽祭」に出演し、中国に初めてロックが入ったとも言われていて、その模様はライブアルバム「中国 后醍醐」に収録されています。
平原さんが生まれた翌年には解散(当時、対外的に言われていたのは「インターミッション=活動休止」)しているので、平原さんがGODIEGOの曲を耳にしたことはあっても、リーダーのミッキー吉野さんのことまで知らなくても不思議はありません。
GODIEGOは1999年に期間限定で再結成した後、2006年から活動を再開しています。1999年以降も参加しているメンバーは以下の通りです。
ミッキー吉野さん(1951~)
神奈川県出身。GODIEGO結成当初からのメンバー。バンドのリーダーで、キーボード、作曲のほか、ほぼすべての曲のアレンジを担当。タケカワユキヒデさん(1952~)
埼玉県出身。GODIEGO結成当初からのメンバー。メインボーカルのほか、大半の曲の作曲を担当。スティーヴ・フォックスさん(1953~)
宮城県出身。GODIEGO結成当初からのメンバー。ベースを担当。宣教師になるため1980年に脱退するも、再結成後の1999年より再参加。浅野孝已さん(1951~2020)
東京都出身。GODIEGO結成当初からのメンバー。ギターを担当。2020年逝去。トミー・スナイダーさん(1952~)
アメリカ合衆国出身。1977年より参加。ドラムスを担当。吉澤洋治さん(1957~)
東京都出身。1980年より参加し、スティーヴさん脱退後にベースを担当。2014年よりGODIEGOに復帰し、ギターも担当。
ファンになったきっかけ
世代的には完全に外れているわたしが、GODIEGOを知ったのは、1990年代の後半のことでした。そのきっかけは、当時交際していた方がドラマ「西遊記」を大好きで、タケカワさんのファンだったからです。
その流れでCD、確か「GODIEGO GREAT BEST VOL.1 -Japanese Version-」だったと思いますが、それを借りて聴いている間に、もっと聴きたいと思うようになり、「GODIEGO SINGLE COLLECTION」を購入しました。
これらのCDで代表的な曲を聴きこんでいる間に、それ以外のアルバムにも興味を持ち、当時はまだネット配信などありませんでしたから、CDショップで見つけて購入した「DEAD END」が決定打となりました。そして交際相手よりわたしの方が、より濃いGODIEGOファンになっていたのです。
英語アレルギーを克服
わたしは学生時代、英語がどうしても好きになれませんでした。言語としての英語というより、その「教科」が苦手で、嫌いになっていたのでしょう。ちょっとした英語アレルギーに近い状態でした。
GODIEGOを聴き始めた頃も、借りたCDが「Japanese Version」だったこともあり、日本語の曲を中心に聴いていましたが、シングル曲などで英語の曲も聴いているうち、その音楽と歌声をとても心地よく感じるようになっていました。そのような頃に出会ったアルバムが前述の「DEAD END」で、これが文字通りガツン!ときたのです。
もっとも英語という教科は苦手だったので、英語をしっかりとヒアリングできるはずもなく、当時は意味なんかわかっちゃいなかったんですけど、英語の歌声の美しい響きに強く惹かれたといいますか。今のわたしが洋楽を抵抗なく聴けるのは、間違いなくGODIEGOのおかげです。
タケカワさんの歌声は、まるでキャンディを口に入れて歌っているような、なめらかな歌声で聴き心地がよく、英語の歌にピッタリなのです。もともとGODIEGOはワールドワイドを志向していたため、英語で歌うことを前提とした曲作りをしていたようです。
アルバム「DEAD END」は、1977年当時の社会の閉塞感をテーマにしているので、歌詞の意味を見ても暗く重いものが多いのですが、音楽的にはGODIEGOの数ある楽曲の中でも特にロック色が強く、非常に聴きごたえのある1枚となっています。
CMソングでますますハマる
GODIEGOは、初期のまだ売れていなかった頃から、かなり多くのCMソングを手掛けています。リアルタイムでCMを実際に見たことはないものの、商品名は知っているものも多く、「ピーチ・ネクター♪」や「小枝~♪」のように商品名を歌っているのも微笑ましいのですが、どれもこれも完成度が非常に高い曲ばかりなのです。
これらのCMソングは、「西遊記」で大ブレイクする前年、1977年にリリースされたアルバム「CMソング・グラフィティ」と、人気が落ち着いた頃、1982年にリリースされたアルバム「CMソング・グラフィティ VOL.2」の2枚に、その多くが収録されています。
おわりに
今回は、わたしがGODIEGOを好きになったきっかけと、初期のアルバムを数枚、ご紹介いたしました。
GODIEGOの楽曲については、今後もまだまだ語っていきたいと思っています。すべてのアルバムが、現在はサブスク配信サイトなどで聴けるようになっているため、GODIEGOをあまり知らなかった方も、よかったら聴いてみて頂き、興味を持っていただけると嬉しいです。
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