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ClariS「ウソツキ」で新年を暗い気持ちで始めよう

まえがき

この 怪文書 ブログを書き始めて2ヶ月、いつの間にか総PV数1000越えを達成していました。
ご愛読下さる読者の皆様にひたすら感謝。
スキ・コメント・ツイッターでの感想リプ、全部励みになっています。
これからもどうぞよろしくお願い致します。

そんなわけで、日頃の感謝を込めた1000PV記念企画やります。
題して「読者の皆様からリクエストされた曲で記事を書いてみよう!」

ありがたいことに複数リプをもらい、以下3曲を採用させて頂きました。
①ClariS「ウソツキ」
②ClariS「ねがい」
③ClariS「ループ」

早速ですが、今回は①「ウソツキ」を紹介していきます。

曲紹介

作詞・作曲・編曲:丸山真由子

4枚目のアルバム「Fairy Castle」(2017年1月25日発売)の9曲目。
またもや丸山さんですが、筆者が選んだのではなくリクエストですよ!
ClariSTはみんな丸山さんが大好きなんです!
先日のLet’s Snow Parade!(ClariSの単独コンサート)では、クララがソロ歌唱したことでも話題となりました。
プリンセスクララ美しすぎた・・・。

歌詞

曲全体としては、ひたすら「もう会えない君」への未練を歌い続けるClariSの中でも屈指の悲しい曲だと思います。
1点だけ気になるのが・・・君ともう会えない理由が「ただの別れ」なのか「死別」なのかがハッキリしないんですね。
歌詞を読んでたら「なんか死別でも全然成り立つんだよなぁ・・・」という気もしてきてしまい。

ただですね、我らがクララさんはただでさえ普段から「薄幸の未亡人」と言われるくらい悲恋・失恋曲が似合ってしまう切ない声質なのです。
これでウソツキが死別曲なんて解釈が定着したら・・・。

クララさんはまだ26歳(多分)のうら若き乙女なんですよ!
未亡人だなんて言わせない!

というわけで、死別解釈は一旦封印して失恋曲ということにして進めたいと思います。
※歌詞は歌ネット(https://www.uta-net.com/song/222736/)からの引用

1番イントロ・Aメロ・Bメロ

会いたいよと 震える想い
凍えそうな 夜空の果て

街は白く染まって 冷たい風が頬を刺すよ
痛みで思い出すの 届かない場所にいるんだね

今も耳をすましたら その言葉 溶けないで積もってる
巡る季節の向こうに もう君はいないから

「会いたいよと 震える想い」と最初に明示することで、もう会えない関係性だと初っ端から聴き手に分からせに来てます。
「ここから1ミリも明るい方向には行かないよ?」という犯行予告ですね。
しかも「凍えそうな 夜空の果て」・・・。
どこまで暗く辛い心象風景なのでしょうか・・・。

「街は白く染まって 冷たい風が頬を刺すよ
 痛みで思い出すの 届かない場所にいるんだね」
雪で白く染まった街、冷たい冬の風。
冷たい風が頬を刺す痛みで思い出す、君がもう届かない場所にいることを。

う~~ん、なんというか・・・。
1番の出だしからどれだけ暗いのでしょうか・・・。

「痛みで思い出す」っていうのが、君との別れがどれほど辛かったのか、今もどれだけ痛みを感じているかを暗示させます。
もしかしたら、君と別れたのも同じ冬だったのかもしれないですね。
だから、頬を刺す風の冷たさの痛みで、あの時の別れの痛みもその時の風の冷たさも全部一緒に思い出してしまう、という描写なのかもしれません。

「今も耳をすましたら その言葉 溶けないで積もってる
 巡る季節の向こうに もう君はいないから」
君の言葉を「溶けないで積もってる」と雪のように表現してます。
君との思い出が雪のようにいつか溶けてしまう(遠い過去のことになって記憶が薄れてしまう)のがきっと怖いんじゃないでしょうか。
なので、溶けないように大切にしている。

「巡る季節の向こうに もう君はいない」なので、単純にこれからの未来を君と一緒に過ごせないってだけじゃなく、冬しか君のことを感じられない、みたいなニュアンスもあるような気がします。
「溶けないで積もってる」と合わせると、やはり冬に君との忘れられない何か(出逢い・別れ?)があったのかなと想像してしまいます。

丸山さんの歌詞で特徴的なのが、曲の序盤でこういう季節感や時間帯、主人公が感じてる五感情報(風景・温度・音など)を描写することですね。
もちろん歌詞では当たり前の表現なんですが、ClariSの他の作詞家さんより頻度が多い印象があります。

ウソツキの場合だと、
・夜空、白く染まった街(視覚・季節・時間帯)
・記憶の中の君の言葉(聴覚)
・風の冷たさ(触覚)

筆者の個人的な感覚なんですが、こういう情報を序盤に描写してくれると、曲の主人公への没入感が高まって歌詞の世界に深く入りやすい気がします。
筆者が丸山さんの歌詞が好きな理由の1つですね。

他の丸山さんの曲では、例えば「with you」だと
・紅葉で色付いた10月の街並み(視覚・季節)
・秋風の冷たさ、手に取った落ち葉の感触(触覚)
・夕暮れ時(時間帯)

色を変えた 10月の街並み
少しずつ冷たさを纏う 秋風
ひらひら舞う 落ち葉を手に取って
あの日を思い出した 夕暮れ時

https://www.uta-net.com/song/148454/

「忘れてもいいよ」だと、
・空の星、砂浜の足跡を消す波(視覚)
・波の音、記憶の中の彼の優しい言葉(聴覚)
・記憶の中の彼が握ってくれた手の温もり(触覚)
・夏の匂い、(直接書かれてないが)海の潮の匂い(嗅覚・季節)
・黄昏(時間帯)

波の音 静かに響いて
黄昏の空 淡く光り出した星たち
砂浜に並んだ足跡
白い波の隙間に溶けてく

夏の匂い かすかにまだ残ってた気持ちをくすぐってる
この手の温もりも優しい言葉も 確かなもの

https://www.uta-net.com/song/322437/

他にも色々あるので、丸山さんファンの方は是非探してみて下さい。

1番サビ

変わりたい 変われない あの日のまま
少しの傷跡 広がってく
バラバラに壊れちゃう前に 早く迎えに来て

戻りたい 戻れない あの頃には
笑顔も 涙も どこにもない
ひとりきり 今日も探してる

ずっとここにいると誓った 君はウソツキ

君との別れを引きずっている自分から変わりたい。
でも変われない。
別れたあの日のまま、ずっと立ち止まっている。
小さかったはずの心の傷・欠落はどんどん広がっていく。
私の心がバラバラに壊れちゃう前に、早く迎えに来て。

う~~~ん、これサビですよね?
aikoか宇多田ヒカルの歌詞かと見紛う救いの無さ・・・。
まあClariS × 丸山真由子なのでファン的には驚きは無いんですけど(白目)

個人的には「笑顔も 涙も どこにもない」が好きです。
君の笑顔も涙も、探してもどこにも見当たらない。
君が涙を浮かべていた過去の場面(嬉し涙?別れた時の悲しい涙?)でさえ、もう君に会えなくなった今の私にとっては「戻りたいあの頃」。
どんな表情でも良いからもう一度君の顔を見たいって気持ちなんですかね。

もしくは、「笑顔も 涙も どこにもない」のが私という解釈も可能かもしれません。
その場合、笑顔だけじゃなく涙も無いというのがポイントかなと。
もう散々泣いて悲しんで苦しんで、涙も枯れるほど泣き尽くしたから「涙もない」っていう心境かもしれません。
1周回って何も感じなくなってしまったというか・・・。

この解釈を考えていて、筆者にはある映画の1シーンが浮かびました。
ご存じスタジオジブリの名作「紅の豚」で、マダム・ジーナが行方不明のまま死別した亡き夫のことを思い出すシーンです。

「3年待ったわ、もう涙も枯れちゃった」

・・・やっぱり未亡人じゃねーか!!!
ダメダメ!この解釈はダメ!
笑顔も涙も無いのは君!ファイナルアンサー!

というのは冗談として、真面目に考えると「ひとりきり 今日も探してる」に自然に繋がるのは前者の「君の」笑顔や涙を探してる方ですかね。
いや~、でも単純に「もう会えない君をひとりきりで探してる」とも捉えられるし・・・。
ここの解釈は人それぞれですかね。

2番Aメロ・Bメロ

肩を竦め歩いた 思い出ばかりリフレインだよ
2人の輪郭 そっと遠ざかるのはどうして?

いつか曖昧になって 消えてゆく 真っ白な足跡
誰も覚えてなくても 私は忘れない

「肩を竦め歩いた思い出」なので、やっぱり君との思い出は冬なんですかね?寒い冬に肩を竦めながら一緒に歩いた記憶なんでしょうか。
その記憶をずっとリフレイン(繰り返し)し続けていると。

「2人の輪郭 そっと遠ざかるのはどうして?」
ここもダブルミーニング的な捉え方が出来そうです。
1つ目は「君と別れて時間が経つごとに、君との記憶や君と過ごした日々が遠い過去になって薄れていってしまう」。
2つ目は「記憶の中の私と君が2人で歩いているのを、今の私はずっと立ち止まって遠くから見ているだけ。記憶の中の私と君は私の前を通り過ぎてどんどん遠くに行って、そのうち見えなくなってしまう。私はあの日から変われず立ち止まったまま」。
輪郭がそっと遠ざかる、と映像的に描写されると今の私が(心の中で)見ている映像みたいにも捉えられますね。
丸山さんの歌詞ってとにかく映像的に心情を描写してくれるので、筆者の頭の中では常にドラマや映画の1シーンみたいに再生されるんですよね。
それが筆者の好みと凄く合ってて好きですね。(何回好きって言うねん)

「いつか曖昧になって消えてゆく 真っ白な足跡」も同じ気持ちですよね。
雪の上に残った足跡は、翌朝になれば新しい雪に埋もれて消えてしまう。
私たちが一緒に歩んだあの日々の足跡も、どんなに残そうとしてもいつかは消えてしまうのかもしれない。
誰も覚えてなくても、私だけは忘れない。

なんかこの「誰も覚えてなくても 私は忘れない」からも微妙に死別感を感じてしまうんですよね。
君が死んでから月日が経って、世間が君のことをどんどん忘れていったとしても、私だけは君のことをずっと忘れない。的な。

ていうか、丸山さんはこの「2人で歩いたあの日々の足跡が消えていく」って表現を色んな所で使いますよね。
この記事でも触れた「忘れてもいいよ」の「砂浜に並んだ足跡 白い波の隙間に溶けてく」もまさにそうじゃないですか。
そのあとの歌詞が「夏の匂い かすかにまだ残ってた気持ちをくすぐってる」なので、「夏の匂いのせいで、かすかに残ってた君への未練がくすぐられた。君と2人で砂浜を歩いたあの夏の記憶を思い出す。現実の私は今1人で砂浜を歩いていて、私1人分の足跡(1人分だけど左右で並んでる)が波に覆われて消えていくけど、あの日の2人で歩いた足跡も時間が経つごとに消えていくみたい」っていう心情なのかな?っと筆者は思ってるんですね。

もう、なんか丸山さん自身がこういう失恋を経験をしてるんですかね?
そうとしか思えないくらい色んな曲で出てくるので、もう筆者は丸山さんの過去の恋愛事情をインタビューして聞いてみたいくらい気になってますよ!

2番サビ

触りたい 触れない あのぬくもり
繋いだ絆が 凍りついて
バラバラに砕けちゃう前に 元に戻せたなら

守りたい 守れない あの約束
同じ未来を 夢見たはず
ひとりでは 辿り着けなくて

ずっとここで立ち止まってる 私ヨワムシ

2番のサビまで来ると、むしろ失恋みが出てきましたね。
「繋いだ絆が凍りついて バラバラに砕けちゃう前に 元に戻せたなら」
一度は結ばれたはずの2人の絆が凍りついて砕けてしまったらしいので、ここを聞くと何かがキッカケで2人の関係に亀裂が入ってしまい破局に至ったようにも思えますね。

あの約束を「(私が)守りたい。(でも私は)守れない」なので、私が何か君と約束をしてそれを守れないってことなんでしょうか?
パッと思いついたのは以下3つ。
①君が何か夢を追って離ればなれにならざるを得ないから別れた、とかだと「1人でも大丈夫。ちゃんと幸せに生きるから」みたいな約束を君としたけどやっぱり無理・・・本当は一緒にいたかった・・・みたいな感じ?
②君から普通に別れを切り出されて「別の人ともっと幸せになってやるから!」みたいに強がってみたけど・・・ってのも一応あるかも?
③君が死ぬ間際に「大丈夫。1人でもちゃんと生きるから。見守ってて」って約束したけど・・・ってやっぱり未亡人じゃねーか!ダメダメ!

でも「繋いだ絆が凍りついて」とか「同じ未来を夢見たはず」なので、死別っていうよりは恋愛の亀裂だと思うんですよね~。
となると①か②なんですけど、まだ自然なのは①かなあ。
うーん、でももうちょっと普通の失恋でも当てはまりそうな感じもするので、なんかもっと良い解釈あったらコメントとかで教えて欲しいです。

そのあとが「ひとりでは辿り着けなくて」なので、これは「あの約束」とか君と一緒に見た「同じ未来」に1人では辿り着けないってことかなと思ってるんですね。
となると「あの約束」の中身も、幸せだった頃の2人が夢見た未来図(結婚して幸せな家庭を築くとか、君とずっと一緒に過ごすとか?)みたいなもうちょっと素朴な物の可能性もあるのかもですね。

「ずっとここで立ち止まってる 私ヨワムシ」
うん、筆者は可愛いと思うよそういう女心・・・。(キモチワルイ

Cメロ~ラスサビ

無数の星たち(輝いて)
泣いてるみたいな(月に今)
願いをかけるの(もう一度君に)会いたい

変わりたい 変われない あの日のまま
少しの傷跡 広がってく
バラバラに壊れちゃう前に 早く迎えに来て

戻りたい 戻れない あの頃には
笑顔も 涙も どこにもない
ひとりきり 今日も探してる

ずっとここにいると誓った 君はウソツキ

「星」「月」が出てきてカレン(星)とクララ(月)をさりげなくイメージさせるのが良いですね。
実際に歌うパートも「星」はカレン、「月」はクララが歌ってますね。
1st 武道館コンサートでウソツキが歌われた時に、ステージの背景映像で夜空の星のモザイクアートで大きな月と星が描かれたの素敵でしたね・・・。
※歌詞の中で「星」「月」を使い始めたのがカレン加入から2年以上経ったFairy Castleからなのは理由があると勝手に思っていますが、それはいつか別の記事で触れることにします。

で、ラスサビで前に一歩踏み出すのかと思いきや、1番と同じ「変わりたい変われないあの日のまま」に戻っちゃって終わりました・・・。
う~~~~ん、救いをください丸山さん・・・。
まあでも、最後に切なく「ウソツキ・・・」って言って終わるこの終わり方も切なくて好きです。
丸山さんの曲で「失恋なんて乗り越えたらぁ!新しい恋見つけっぞ!あたしは変わるんだ!」ってフェミニズム的なたくましさで終わる曲って少なくともClariSでは多分無いですよね。まあClariSがそもそもそういうイメージのアーティストでは無いからだと思うんですが・・・。
クララとカレンがもっと大人になったら、いつかそういう曲も歌って欲しいなと女性視点恋愛曲マニアとして勝手に夢見ています(キモチワルイ

あとがき

はい、というわけで初の読者リクエスト記事「ウソツキ」いかがだったでしょうか?

長い、長いよ・・・。
読者リクエストだからなるべく自分の書きたいことは抑えて3000文字ちょいの読みやすい感じにまとめようと思ったのに結局6000文字越えたよ・・・。丸山さんの歌詞は語りたい事が多すぎて全然まとまんねーよ!

でも超楽しかったです。
ひたすら未練歌うだけの曲なのでそんなに語ること無いかと思いきや、書き始めたら無限に湧いてきました。
丸山さんの歌詞を語るときに短めにまとめるなんて最初から無理だったんだ・・・次からは最初からその覚悟で書きます。

では、また次回。次も読者リクエストに応える予定なのでお楽しみに。

最後に、LSPリスニングパーティでとあるFFさんが私のボケに返してくれた素晴らしいツッコミを貼って終わりたいと思います。

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