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酷だと思った。

体育の実技試験の時に思ったことは、
年配の先生方には酷なことだということだった。

東京の教採は比較的若い人が多かった。
しかし、地元の教採は若い人も年配の人も同じようにいた。
各年齢の方々が同じ程度にいるように思えた。
大学4年生から中には40代半ばか後半位までの方がそれぞれ同程度いるのである。

水泳もそうだが、
40代、特に後半と見られる方々が鉄棒やマット運動をしている様子を見るのが辛かった。
試験はみんなが見ている前でやるのである。
その中でできる人もいれば当然できない人もいるわけである。
申し訳ない表現をするが、
ある程度ふくよかな中年の方ができない逆上がりを一生懸命にしている。
マット運動を一生懸命にしているができない。
そして競泳用水着を着て必死になって泳ぐ。

中には試験だからそれは当然だと思う人もいるとは思うが、
私は、ある程度の年齢の方が、しかもふくよかな方ができない鉄棒、できないマット運動、できない水泳を一生懸命にみんなの前でやらされるということは酷だと思ったのだった。

そしてこの方々は何年も十何年もおそらく試験を受け続けている人たちなのだろう。
そしてその当時どこかの学校で臨時として働いているか、非常勤として働いている方々なのだろう。
それでも正採用になりたくて試験を受け続けているわけだろうと思った。

1、2年生の前でできない逆上がりをやらされて大笑いされる23歳の若者の私ならばまだ笑い話で済むが、
40代、もしかしたら50代の先生ができない体育の実技をみんなの前でやらされるというのは残酷以外の何物でもないと感じた。


実際実技ができなくても指導はできるわけで、
前の記事に書いたように指導方法がわかっていれば子供たちに教えることはできるわけであり、自分自身に指導方法を実施すればできるようになった私がいるわけである。

まぁそれはまだ若かったからかもしれないし、
40代の私はもう既に逆上がりができない。
ただ、指導法を知っているから指導をすることはできる。

本人が必ずしもできる必要はないのではないか、できたとしてもできないにしてもみんなの前でやらせるのはおかしいのではないかと思った。

そして思い出したのだがバスケットボールの実技もあったような気がする。

若い人はそれなりにできる人が多いが、
もう既に40代50代になって、
普段もうそんなことをしていない人たちにとって、
ドリブルもパスもシュートも辛いのではないだろうか。

見ていてそんなことを思った記憶もある。


しかも体育実技の試験官は中高の体育の先生であった。
普段から体育指導をしたり体を動かしている方々ならばできるのが当然という体だろうが、
普段そんな運動をしていない人からするとしんどい。

まぁ、
そういう体育実技をしっかりできる人材こそ欲しいのだろうし、
採用数自体が少ないのだから落とすのには格好の状況ではあると思った。

当時は、なんだかインターハイに行っただとか全国大会だとかそういう人が先生になっているケースが多かったように感じたが、
おそらくそういう元気溌剌上位下達の体育会の世界だったのだろう。


今もそういう試験をしているのかどうかは知らないが。


そもそも不合格者を集めて臨時採用として現場で働かせているのがおかしいのである。
学校の仕事でやっていることは正採用も臨時採用も同じである。
ただ試験に合格したかしなかったの違いであって、
正採用と臨時採用の待遇も違っているし、
地元の臨時採用の先生は常に毎年別の学校に行かなかればならないのである。(1年契約であった)


それは未だに同じであり、
教採を受けて落ちた人を講師登録して正採用と同じ現場で同じ仕事をさせているのである。
同じ仕事ができるのであればそれはもはや合格であろう。
ペーパーや体育実技、音楽実技ができないから不合格で、それでも学校現場では普通に戦力として活躍している先生方である。

もはや試験の意味がないのではないだろうか。
臨時採用で1年間働くことができたら次の年からは正採用でいいのではないかと思う。
まぁ、自治体の財政的にそうしてしまうと破綻してしまうところも出てくるという理由もあるのかもしれないが。


そして今となっては先生が足りなくてかき集めても足りなくて、
東京では大学3年生から教採受験可能にしたり、
地方で会場を作って受験可能にしたりなど、
とにかくなりふり構わない状況である。
免許がなくても特別免許状を付与して現場に立ってもらうくらいである。
保護者や地域の中で教員免許を持っている人を探して声をかけるくらいである。


東京はまだそういうことはないのかもしれないが、
隣県では始業式時点で先生が足りなくて担任不在で始まるところもあると聞いている。


つい熱くなってしまって話が逸れてしまったが、
40代、50代の先生にできない鉄棒やマット運動や水泳をさせることに対して私は酷だと思ったのだった。


そんな感じでバイクの免許を取って、東京と地元の教員採用試験を受けて私の夏休みは終わったのだった。

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