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結果か育成か

はじめに

タイトル的に仕事にも通ずる話ですが、小学サッカーでも結果と育成のどちらを優先するべきか?というジレンマにハマる体験をし始めました。

そもそも正解が存在しない一番難しいテーマなので、個人的な考察を述べてみます。

ちなみに、インプットは東京都内での情報が前提なので、エリアによっては条件が違うこともあると思いますがあしからず。

ジレンマの背景

まず小学サッカーは”蹴ってたくさん走る”と勝てます。これは小学生4年生までは顕著にその傾向が出てるように観測できました。理由は皆さんご想像の通りこの年代まではフィジカル面での差分がまだ大きく出るからです。

しかし小学5年生になると単に蹴って走れば勝てる相手と、蹴って走っても勝てない相手に分かれてきます。理由はよく言われるている「フィジカルの差分が無くなってくる」ことや、仮にフィジカル差があっても「脳の成長がフィジカルを埋められる方法論を実行可能にさせる」からと推測していますが、この年代からこの単なる勝ち負けを通して、これまでにあまり感じることのなかった”結果か育成か”のジレンマを強く感じるようになります。

主な理由は以下3つあたりと想像しています。

1.5年生になると大会そのものの設計が4年生までの地区での争いから東京都全体まで拡張されるようなっていること
2.中学以降のことを考えるとそれなりの大会で目立っていたいこと
3.教える側も結果で判断されてしまうこと

1.5年生になると大会そのものの設計が4年生までの地区での争いから東京都全体まで拡張されるようなっていること

実際4年生でもハトマーク フェアプレーカップと呼ばれる東京中央大会まである大会がありますが、これまで通り地区完結型の公式戦が2大会あり目線は地区に収まりやすいのに対して、5年生になるとプレミアリーグだったり、JA東京カップなど地区だけで完結しない大会が出てくるなど地区から東京全体に目線感が広がります。そうなるとこれまで対戦しなかったような他地区の競合と試合をすることが増えるので、自分達のやり方を再考する機会がそもそも増えます。

2.中学以降のことを考えるとそれなりの大会で目立っていたいこと

小学サッカーの1つの目標は全日本U12です。ここで勝つことが1つのゴールだと思うのですが、実際に子供のサッカーはまだ中学以降も本人が希望する限り続きます。できれば良い環境でサッカーを続けさせたいと思うとそれなりの大会で試合をし、それなりのチームの関係者に子供自身の存在に気づいてもらう必要があります。そのためには大会で勝っていく必要があり、これを無視して自分達のやり方をゼロから見直すのは中々大変な意思決定だろうと推測します。

3.教える側も結果で判断されてしまうこと

ここもまた難しい所かと思いますが、教える側もやはり短期的には結果で判断されてしまいます。小学生を教えているチームの指導者にとっても小学サッカーで結果を出すことが自分の評価に繋がります。J下部などジュニアユース、ユースとその後に続くチームを持っている場合は、小学サッカーの場を育成と割り切ることも一定できますが、小学サッカーのチームしかない場合は翌年の入部希望などの側面などでみてもそうも言ってられません。これは教える側のジレンマとして必ずあるかと思います。それを理解できるだけに親側もジレンマみたいな感じがあります。

総括

最初に述べた通り、このあたりのジレンマに何か正解があるわけではありません。実際にやってみてどうかという世界。いわゆるシルバーバレットは無いというやつです。そうなると意思決定と自分たちを信じれるかどうかみたいな世界に入ってくるので、コーチと選手はもちろんのこと、親とコーチのコミュニケーション量も増やして目標の合意とプロセスの透明性を担保することが結局重要なんだろうと思います。

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