第二回サムネ

弱点から考える2019年楽天ドラフト指名予想

 お疲れ様です。ルパン22世です。

 10/17のドラフト指名会議を控え、様々な場所で指名予想が囁かれ、実際に仮想ドラフトも実施されています。

 今回は「弱点から考える2019年楽天ドラフト指名予想」と題して、ドラフト戦略と実際の指名を考えたいと思います。戦略を考える際のテーマとして
 ① 弱点を補強する
 ② 3年後に優勝を目指す

という2つを定めました。これに従って考察していきます。

 今回の構成は以下の通りです。

⓪. 今回の目的

 今回の予想の目的は「ドラフト戦略を考える」ことです。
 石井GMや三木新監督の言葉から、楽天はAクラスではなく優勝を目指すという姿勢を強固にしていることは明らかです。また、監督やGMの平均的な任期から考えると、今回のドラフトでは長くても3年後の優勝を見据えた指名をすると考えました。
 そこで今回は
 ① 弱点を補強する
 ② 3年後に優勝を目指す

というテーマを定めて考察していきます。

① 楽天の弱点を探る

 今回は
 ▼ポジションごとに必要となる選手像を分析
 ▼リーグ成績からどこが弱点なのかを数値で分析
 ▼年齢表から3年後を見据えた時の弱点を分析
という3つの手法で分析します。

 ▼ポジションごとに弱点を探る

 まずはポジションごとに分析し、弱点を探ります。
 なお、選手比較にはチームへの貢献度を数値化した*WARという指標を使います。

*WAR (Wins Above Replacement):
 打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表す指標である。同じ出場機会分を最小のコストで代替可能な控え選手(リプレイスメント・レベルの選手)が出場する場合に比べてどれだけチームの勝利数を増やしたかによって計算される。
1.02 Essence of Baseball より引用

 〇先発投手

2019先発成績

 今年はエース則本選手を欠いた状態でシーズンが始まり、また岸選手も序盤で離脱するなど、先発事情は苦しい状況が続きました。その状況でも美馬選手が規定投球回数をクリアして先発陣を引っ張り、チームWARトップを記録しました。弓削選手や石橋選手など若手の台頭により先発ローテを埋めなんとか1年のシーズンを終えましたが、結果としてWAR 0.0を下回った選手が5人しかいないなど、先発投手全体として考えた場合あまり悪くないことが表からは読み取れます。しかしWARの値は全体的に低い、つまり「エース」と呼べる存在を失ったと言えます。
 各球団の「エース」と呼ばれる選手を挙げると千賀投手、山本投手、菅野投手、大瀬良投手、大野投手などがいますが、楽天が必要とするエースも「球速が速く三振を取れる投手」と言えるでしょう。
 そのため、弱点としては「エースの不在」が挙げられるでしょう。

 〇中継ぎ投手

2019中継ぎ成績

 今季は松井祐樹選手をはじめ盤石の中継ぎ陣を築きました。
 シーズン通してフル回転した森原選手・ブセニッツ選手の活躍もあり、リーグトップの中継ぎ防御率を記録しました。
 驚くべき点はWAR 0.0を下回った選手がいないことです。つまり、中継ぎ選手は誰も足を引っ張ることなくチームに貢献しました。
 弱点としては、「今のところなし」です。

 〇捕手

2019捕手成績1

 今季は堀内選手・嶋選手・太田選手を中心として1軍の捕手を回しました。しかし嶋選手の退団が決定的となった今、堀内選手・太田選手という両捕手育成の方針を転換するかどうかを決める大事な時期に差し掛かっていると言えます。
 球団がこのまま両選手を育成する方針を変えない場合は若い捕手、方針を転換する場合は即戦力捕手の指名が求められるでしょう。
今回はテーマとして「3年後に優勝する」ということをあげているので、即戦力捕手を獲得する方針にします。
よって弱点としては「シーズンを通して任せられる捕手の不在」が挙げられます。

 〇内野手

2019内野手成績

 今季は浅村選手の加入によりセカンドのポジションが埋まり、銀次選手がファーストのポジションに回ることができました。また茂木選手の復活により1軍の内野については問題なさそうです。茂木選手の守備位置をどうするか(ショート継続 or サードへコンバート)という将来的な問題やウィーラー選手の成績の下降などの問題はありますが、期待できる若手が多いことや外国人選手の補強もできることから、あと3年は考えなくても良い問題でしょう。
 弱点としては「今のところなし」です。

〇外野手

2019外野手成績

 表から分かる通り、全体的にWAR 0.0を下回っている選手が多いです。
 センターに関してはドラ1ルーキーの辰己選手の活躍が光りましたが、WAR自体はそれほど高くありません。ただ期待のできる若手選手なので、田中選手との併用によって調子の良い方を起用することができます。弱点ではなさそうです。
 またレフトでは島内選手が安定した成績を残しました。数年間は考えなくては良いと思うものの、その後継者となる存在があまり育っていないため、シーズンを通して島内選手に任せるのではなくほかの選手と併用することで、少しずつ世代交代を図りたいところです。
 今季はライトのポジションを固定できず、ブラッシュ選手が最多出場となりました。ブラッシュ選手をDHに置き打撃に専念してもらうと考えると、シーズンを通してライトを守れる選手が必要です。和田恋選手の長距離砲としての覚醒を個人的には願っていますが、ドラフトで補強するのも1つの方法でしょう。
 弱点としては「若手外野手の不足」が挙げられます。

 〇DH

2019DH成績

 DHに関しては特に弱点ということはありません。
 今季外国人の補強がない場合はブラッシュ選手がDHとして固定されるでしょう。
 弱点は「今のところなし」です。

 以上をまとめるとこうなります。
① 球速が速く三振を取れる投手の不在
② シーズンを通して任せられる捕手の不在
③ ライトをシーズン通して守れる選手の不在

 ▼リーグ成績から弱点を探る

リーグ成績比較

 盗塁・*UBR・*wSB以外の数値はすべてリーグ平均以上の数値です。つまり、走塁だけが弱点ということができます。
 石井GMのコメントや中日から奈良原コーチを招聘し、チーム全体として走塁に力を入れることも予想されることから、ドラフトで足の速く走塁技術の上手い選手の指名は必要だと考えます。
 以上より、「走塁意識の高く、走塁技術の上手い選手の不足」が弱点と言えます。

*wSB(weighted Stolen Base runs): 盗塁を試みた事によりどれくらい得点に貢献したかを表す指標
*UBR(Ultimate Base Running): 盗塁以外の走塁でどのくらい得点に貢献したかを表す指標

 ▼年齢から弱点を探る

年齢早見表

 ()内が育成選手です。
 ここから分かる弱点として以下が挙げられます。
① 左投手の不足
② 高卒外野手の不足

 特に左投手が少ないというのは将来的に響きそうです。松井投手が絶対的な抑えとして君臨しているため、特に先発の左投手が欲しいところです。外国人投手を補強することもできますが、できればドラフトで選手を獲得したいところです。

② 弱点から考えられる戦略

 以上の弱点をまとめるとこうなります。
① 投手: エース、若手左投手の不在
② 野手: 即戦力捕手、高卒外野手の不在、走塁意識の高い外野手の不在

 現在の支配下登録者数は63名なので、今年は5-6名の指名が妥当だと考えます。よって2019年ドラフトでは以下の戦略が考えられます。

○ 投手×2-3 (将来のエース候補、左投手)
○ 捕手×1 (即戦力)
○ 外野手×2 (
走塁意識の高い外野手、高卒外野手)

 弱点から考えられる戦略は以上です。

③ ドラフト会議の特徴から考えられる戦略

 次はドラフト会議の特徴をおさらいし、そこから戦略を考えたいと思います。

特徴①: 1位指名が重複した場合は抽選で決定
特徴②: 2位指名以降は偶数指名位ではウェーバー方式、奇数指名位では逆ウェーバー方式で決定

 特徴①に関してですが、まず1位指名選手を12球団がそれぞれ発表し、重複した場合は抽選、そうでなければ単独指名ということになります。抽選で外れた場合は(外れ)1位指名選手を再度選択し、重複した場合は抽選となります。この流れを12球団が1位指名選手を指名し終えるまで続けます。

 戦略を考える際に重要なのが特徴②です。これは2位指名以降の偶数指名位では球団順位の逆順で指名をし(ウェーバー方式)、3位指名以降の奇数指名位では球団順位の順で指名を行う(逆ウェーバー方式)というものです。
 また2018年までは交流戦の成績によってリーグの順番も決まっていましたが、2019年から1年ごとにリーグ順を交代することになりました(2019年はセリーグ、2020年はパリーグが先に選択)。

 つまり2019年の指名順は以下の通りです。

画像9

 以上がドラフト会議の主な特徴となります。
 そしてこの特徴からは2つのドラフト戦略が考えられます。

 ① 1位指名では競合してでも欲しい選手を取りに行く
 ② 1位指名では単独指名を狙い確実に弱点を補強する

 ここで注目したいことは、2019年の2位指名が8番目とかなり遅いことです。また今年度は投手が豊作の年と言われていることから、1位指名を外したとしても一番の補強ポイントである「エース候補となる投手」を獲得できると考えられます。
 よって、競合してでも1位指名では欲しい選手を取りに行く戦略をとります。

④ 実際のドラフト指名予想

 では以上の戦略を踏まえて指名を考えます。

▼1位指名選手 佐々木朗希(大船渡) …エース候補

佐々木ろうき

▼外れ1位指名選手 宮川 哲(東芝) …エース候補

宮川哲

▼2位指名選手 田中 誠也(立教大) …左投手

画像14

▼3位指名選手 郡司 裕也(慶應大) …即戦力捕手

郡司裕也

▼4位指名選手 谷川 刀麻(近畿大) …足の速い外野手

谷川刀麻

▼5位指名選手 小泉 龍之介(横浜) …高卒外野手

小泉 龍之介

⑤ まとめ

 今回は「弱点から考えるドラフト指名」ということで、来年からの戦力を上げるという視点からドラフト戦略と実際の指名選手を考えました。
 2軍の試合を回すことをほとんど考えず「弱点を埋める指名」という前提条件のため実際の指名とは異なる部分も多いかもしれませんが、石井GMの優勝を目指す姿勢からも分かる通り優勝を目指す球団作りをしているため、考えとしては似た戦略になるのではと思います。
 実際のドラフト会議では様々なドラマも生まれるので、楽しみです。

  ここまで読んでくださり、誠にありがとうございました。
 ご意見・ご指摘などがあればどしどしコメントをお願いします。

 では、また次回。 

⑥ 参考

1.02 Essence of Baseball
https://presidents-diary.com/


























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