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ももた、再入院

タイトルを打ち込んで、そこで手が止まってしまいます。

ももたが退院した初日は、これまでももたが食べていたウェットフードを出して、食べようともしないことに驚きました。
シリンジを動物病院でもらっていましたが、それであげられるようなたべものが、ちゅーるぐらいしか家にない。
通販で注文したものが届いていないし、なんとかなると思ってしまうぐらい、これまでのももたは大食漢だったのです。
困って、この日は、母がウェットフードを手で丸めて肉団子状にし、ももたの口に放り込むという手段を取りました。
でも、初日から、フィルター付きの給水器から水を飲んでくれたことが、大きな希望になりました。

ウェットフードの在庫を見直していると、賞味期限が数か月きれてはいたのですが、ロイヤルカナンの退院サポートという缶詰を発見。
これは、先代猫が死ぬ前に、前に通っていた動物病院かどっかでもらったものじゃなかったっけ…。
と思い出しながら開けてみました。
これが柔らかさといい、使いやすく、2日目からはシリコンのスプーンで口元に運ぶ方法を取りました。
名づけて「わんこそば方式」。舐める動きにあわせて、舌にのせる。
最初は舌の動きがぎこちなく、舐めるのも大儀に見えました。

ロイヤルカナンの退院サポート。
メルミルの介護期用の高栄養食。特に、まぐろ味のほう。
それに、スペシフィックの腎心肝アシスト、はごろもの無一物の13歳用(これは少し水分おおめ)、アイシアの健康缶のエイジングケア(これもちゅーるぐらいの柔らかさ)など。
試しているうちに、ももたはスプーンを舐めるのがうまくなり、にんげんのほうもうまくなり。
それどころか、ももた、お皿から舐めようとする行動も見られるようになってきました。
餌を噛んで口に入れる動作をまったくせず、少し硬めのペーストになると表面を舐めるだけで口の中に入らないのですが。
顔を洗う仕草もまったく見せず、身づくろいもしないため、ごはんを食べた後は、顔やその周辺をふいてあげないといけません。

日が経つにつれて、大声で吠えることもなくなり、気づくといつものももたの声に戻っていました。
寝る時間が増えて、事故の前から好んでいた寝場所に、ころんと丸くなり、こんこんと眠ることが増えてきました。
ケージの中に自分から入って寝ることもあり、ケージも無駄にならずに済んだようです。
歩いてはすぐにへたりこむし、背中をなでると背骨がこつこつとあたるし、痩せてきたのを感じて、かいぬしはひやひや。
食べさせるためにがんばってはいるけれど、絶対量が少ないのはわかっていたから。

28日。退院後一週間の通院日。ももたの体重は数百グラム減っておりましたが、「もともと痩せた方がいい体型でしたから」と、獣医師さんからは問題ないと言われてほっとしました。
血液検査の結果は、貧血も改善。炎症反応もなく、極めて良好。
次は一か月後に受診して、下あごの手術をするかどうかを話し合うことを提案されました。
下あごを手術したからといって、今より積極的に食事ができるようになる保証はないが、外見はもとに近づくようです。
その場では決められなかったことと、ご飯をどこまで食べさせられるかが不安だったことで、2週間後に受診する予約をして帰宅しました。

その夜のこと。
ももたをふと見ると、左目の手術跡近くに薄桃色のどろりとした液体がついていました。
自分でちゅーるを舐めようとして、顔についたのかな?
拭き取ろうとして、においが違うことに気づきました。
拭いても拭いても、じわじわと染み出てくる。
膿のようでした。体液や血液も混じっているのかもしれませんが、独特の甘いようなにおいは、膿です。
歩けば床に転々と落ちる。頭を震わせては四方に飛び散る。
拭いてもしばらくしてはべっとりと顔につく。
大きめのさじで1杯分以上。もっとじゃないでしょうか。
この小さな生き物の、小さな頭から、どれだけたくさんの膿が出てくるのか、怖くなりました。

深夜でも診てくれる夜間動物病院に今すぐ連れていくのがいいのか。
それとも、手術をしてくれた動物病院に、明日まで待って連れていくのがいいのか。
気持ちとしては今すぐなんとかしてあげたい。
けれども、体調のよくない中で遠方に運転していく自信がなく、翌朝には仕事も抱えていました。
いろんな観点から考えて、翌日の昼間にこれまで診てもらってきた動物病院に診てもらう方が適切な判断と処置をしてもらえるだろう、と頭ではわかるんです。
それでも、自分が横になって寝ている間に、ももたが死んでしまったらどうしようと怖くて怖くてたまらない夜になりました。

翌日、幸い、いつもの主治医が勤務していました。
左目を摘出した、その眼窩に膿が溜まっているとのこと。
目の下の人間なら頬骨になる辺りは粉々になっており、そこからなのか、それとも鼻のほうからか。
ももたの事故の様子を聞けば聞くほど、胸がぎゅっと押さえられるような気持ちになります。
どのように処置をするか、聞いていて気持ちのいい話ではなかったのですが、その場でどうこうするよりも、しっかりと治療をしてほしいと思い、もう一度、動物病院に預ける判断をしました。

病院のケージに入ったももたは、小さくうずくまっていました。
舌を少しだけのぞかせている顔は、すっかり見慣れましたし、逆に愛嬌を感じます。
外見を整えることだけが目的なら、下あごの手術はしなくていいかもしれない、と、初めて思えました。
それよりも、まず、眼球摘出と様々な骨折が治りますように。
猫は痛みに強いと言うけれど、痛みに苦しめられることは減りますように。
日にち薬で、声が戻ったように、右目の瞳孔も前よりも収縮するようになり、食べやすさもせっかく回復してきているのだから。
皆さんからいただくたくさんの応援と祈りが、ももたにも理解できるといいのにな。
福招きでお返しするのよ。

写真は、ももたが事故のときにつけていた首輪です。
鈴がへしゃげていました。それだけの力が、かかったのだろうと思います。ももたがいないと、やっぱり寂しいのです。
ちゃんと食べれているかな。ちゃんと眠れているかな。
今日は仕事帰りに会いに行ってこようと思います。

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