マガジンのカバー画像

夫I氏の研究

6
私の3人目のパートナーである夫I氏の生態を研究しています。しかしながら、私が見ている夫I氏は、生きているI氏本人とは違っていて、つまりこれはノンフィクションではなく、私の思考判断… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

火事場で気づいたこと

火事場で気づいたこと

先日、私が住むマンションの1階にある店舗が燃えた。4階に住む私は、ベランダから逃げるという人生初めての体験をした。

あれは夜8時を過ぎた頃。先に気づいたのは夫だった。
窓際にいた夫は、普段と違うきな臭さに、外を見に行った。ドアを開けると煙が充満している。慌ててドアを閉めて呼びに来た。
「ライチ、これ、うちだ」

私は使っていたノートPCを閉じ、財布と携帯とともにショルダーバッグに詰めた。これさえ

もっとみる
感謝に感謝する

感謝に感謝する

なかなかnoteまでたどり着かない日々だけど、これは書き留めておきたい、と思ったことがあったので。
夫I氏も私も疲労と老いについてよくこぼしながら家事を押し付けたり担ったりしている。昨夜のやりとり。
「豚肉を焼いてほしい」「いいよ。この野菜たちは?」「つけあわせ」「え~めんどくせ~」「かぼちゃは煮てもレンジでも好きな調理していいよ」「ほうれん草も鍋つかうんでしょめんどくせ~」「シュフのみなさんは何

もっとみる
一緒に暮らす、家事を担う

一緒に暮らす、家事を担う

家事を負担に感じることがある。
家事=妻や母の仕事、って決められてるような気が、私はしている。
家事=家のこと、家にいる人みんなが担うもの、と思いたい。

けれど娘niko(高2)は、「ママの仕事でしょ」という態度だ。
彼女に関してはもういい、と思っている。料理はたまに気が向いてやると上手にできているので必要があればやるだろう。掃除や洗濯も技術的にはできる。小学生のころには、一緒にやる、お小遣い制

もっとみる
ミートソースの魔法

ミートソースの魔法

このシリーズは、私にとって興味深い伴侶である夫I氏について研究しようと思って始めたのですが、どうも夫I氏を通した自分研究のような気が、回を追うごとに強まっています。

夫I氏の得意料理はいくつかあるのだが、ミートソースはその一つ。
いま、うちの家族は賃貸マンションの3DKに住んでいるのだけど、第一子のichikoが独立する際に、空いた部屋にシェアメイトを迎え入れた。
音大生のRちゃん。今年で同居生

もっとみる
スキンシップ

スキンシップ

夫I氏は、味方と認定した人との距離が近い。
家によく遊びにきていた友人S氏談。初めて仲間宅の飲み会でI氏と出会った時に、たまたまじゃんけんか何かでS氏とI氏で酒を買う役になったそうだ。屋外に出たとたん、I氏が手をつないできて(!)、S氏の頭の中にはすごい速さで考えが駆け巡ったそうだ。「えっと、これってつきあいたいみたいな好意の表現?それとも、単に友情?ていうか、手とか普通つながないよな?男同士で…

もっとみる
骨を外してくれる男

骨を外してくれる男

娘が高校入学祝に、おばあちゃんと1週間、海外の親戚のもとへと旅立った。
私はこの1週間で仕上げたい仕事があって、20時過ぎても食卓でPCにつかまっていたら、夜勤明けの夫I氏が起きてきた。
「眠いけど、いま起きないと、次の勤務の前の睡眠ができない」

というので、「じゃあ、ナムル作って」と言ってみたらしぶしぶほうれん草と豆もやしのナムルを作ってくれた。

ほっけを焼いたところで、私の分の箸を置き、骨

もっとみる