見出し画像

ストイックな愛が注がれた食べ物を食べる


私は「食べ物」に一目置いている。
食べ物は大事だ。適当に食べていると適当な自分になっていることに気づいたりする。憂さ晴らしで飲み食いした後は、憂さ晴らしが詰まった自分になっている。
逆に、素材でも料理でも、丁寧に作られたものを食べると、丁寧に作られたものでできた自分を、いつもより丁寧に扱いたくなる。

久々に、一本筋の通った食べ物をいただいて、自分への扱い、しごとへの取り組み、食べ物への愛、料理の楽しみを思い出した。
タイトル画像にあげた、ペリメニ(ロシアの水餃子)を食べてきた。

前菜でニシン、野菜のピクルス、ビーツ入りのポテトサラダ。
近所にあったら通う。でもグラスワインはやってないそうだ。
ペリメニに合うお酒、ミードがたくさん揃えてある。
私はオレンジのミード、濾過、無濾過、日本のミード、の3杯をいただきました。オレンジといっても果汁ではなく、オレンジの花のはちみつから作るお酒。素敵。短編小説が1本書けそうです。無濾過のほうが好みです。
このお酒を選ぶところからもう、店主は「ペリメニに合うお酒しか置いていません」と言い切り、「ミードは飲んだことがないのですが、ワインより甘い?」と尋ねると「ワインによります」と答える正確さ。確かに。けれど1分後に「甘いものは吟醸酒くらいと思ってもらえれば」と付け加えるフォロー。ツンデレか。


皮は2日かけた手作り。数種の白い粉をブレンド(笑)。
中味は日によってラインナップが変わり、豚、牛、カモ、鹿、羊など。
シンプルなラインと、スパイスの効いたフレーバーものがある。
とろみのある白いソースは自家製サワークリーム。
私たちがいただいたのは、豚(定番)、カモ(定番)、牛(スパイス)でした。
いっしょに行ったのがインド料理のスパイスマスターと、粉もの講師。
味を絶賛しながらも、あれこれ中味を詮索しながら、よもやま話で盛り上がりました。


カウンター内の厨房がみえるつくりなので、マニア(粉もの講師)から「あの生地は、ペリメニの皮ですか?」とマニアックな質問をすると店主「これはライ麦パンの生地です」「じゃあ、パンも頼まなきゃ」「パンを頼むならさっき気になってた背油のハムを頼みたい」とマニアックなオーダーをする食いしん坊たち。


デザート。
(私はお酒をもう1杯いただきました。酒の〆は酒派)
同世代の長いつきあいの(もう16年)の友人と、仕事や子育てや食べ物や健康(笑)の話で盛り上がりながら美味しいものを食べて、ストイックな店主からほとばしるメニューや仕事や人生観の話を聴き、問い、語り、たのしい一夜を過ごしました。


幡ヶ谷のペリメニ・キッチン
粉や肉や発酵や料理に一家言ある友人たちと一緒にまた行きたい♪
ストイックな愛の注がれた食べ物は、私たちの命を活性化すると思うから。

そして、ちょっと、、、、ペリメニ、家でも作ってみたいかも。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?