移動体通信 #10 6G

株式会社リュディアです。5Gの通信サービスが始まってまだ間がないですが、次は2030年の第6世代目指して熾烈な覇権争いが始まります。移動体通信 #7 までに初代から 5G までのまとめを行い、#8, #9 で 5G を実現するための要素技術について説明してきました。今回は 6 G について現状でわかっていることを含めまとめてみたいと思います。

ITU から Network 2030 というタイトルの White paper が公開されています。6G がどのように実現されるかはまだ未定なのですが、1つの参考になると思います。

また 2020年1月に日経で以下のような記事が出ています。

今回の記事では NTT DoCoMo の White paper を参考にしてまとめていきます。具体的には ドコモ6Gホワイトペーパー 2.0版(2020年7月公開)を参照しました。

6Gで目指す無線技術の要求条件として以下の6項目が記載されています。英語で記載されているのでまずは英語のまま記載します。

Extreme high data rate / capacity : Peak data rate > 100Gbps, > 100x capacity
Extreme low latency : E2E very low latency < 1ms
Extreme coverage : Gbps coverage everywhere, new coverage area, e.g., sky (10000m), sea (200NM), space, etc
Extreme high reliability
Extreme low energy and cost
Extreme massive connectivity : Massive connected devices = 10M/km2

順番にみていきましょう。

Extreme high data rate / capacity

100 Gbps を超える通信を目標としています。5G が 10 Gbps だったので 10倍となります。容量も 100 倍を目指しています。

Extreme low latency

End-to-End での遅延を 1ミリ秒以下としています。5G が 1ミリ秒を狙っていたので、それよりも短い遅延時間を目指していることになります。

Extreme coverage

広い受信可能地域。特に驚いたのが新規の受信可能地域の例として以下の情報が記載されていたことです。 10,000m の上空200海里以内の海上宇宙など。人のいない領域も受信可能地域として考慮しビジネス領域として広げていく方向性が見えます。200海里以内というのはいわゆる EEZ(排他的経済水域)のことです。

Extreme high reliability

ベストエフォート型のみではなく帯域が保証されるようなシーンを想定しているようです。リアルタイム性を要求される製造現場、工場の遠隔操作を利用するシーンでは非常に重要です。

Extreme low energy and cost

高いスペックを実現する一方で低消費電力化、低コスト化は常に要求されます。通常はスペックをあげると、電力は増加し、コストはあがりますが、それでは普及しませんし、普及しなければ大量生産できずいつまでもコストが高止まりします。実は最も大変な項目かもしれませんが、頑張ってもらいたいものです。

Extreme massive connectivity

10,000,000個の同時接続性を目標としています。5G では 1,000,000 個の同時接続性を目指していたので 10 倍です。

6G は10年後の2030年付近から実現化されてくる未来の技術です。ここに書いた内容がどこまで実現化されてくるのか、実現化されたときに想像できなかったようなことが可能になるのか、意外に従来の延長上にあるのか楽しみですね。

では、ごきげんよう。


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