JOLEDが民事再生を申請

リュディアです。2023年3月28日に JOLED が民事再生を申請しました。

JOLED についてはよくもっているな、と思っていましたが結局民事再生を申請することになりました。開発部門だけはジャパンディスプレイが継承するとのことです。ジャパンディスプレイも綱渡りのような経営をしていると言われますが JOLED を助ける余力があるんですかね。

ここでジャパンディスプレイとJOLED について整理しておきましょう。もともとジャパンディスプレイ(JDI)は日立、東芝、ソニーの小型液晶部門を経産省主導で統合した日の丸液晶の会社です。しかし主要顧客の Apple が液晶から OLED に移行したため売上が急減し経営が危なくなっていました。

JOLED はパナソニックとソニーの有機EL = OLED ディスプレイの開発部門を統合した会社です。当初は液晶はだめだから国策企業であるジャパンディスプレイに任せて、OLED で自分たちの食い扶持にという気持ちもあったのかもしれませんが OLED 開発部門の統合は遅れました。世界標準であるOLED 製造における蒸着方式に対し、JOLED は印刷方式を提唱し量産にこぎつけました。

報道によると印刷方式がコストの観点から蒸着方式に勝てず民事再生の申請に至ったとあります。もうOLED も日本では作れないんですね。

この報道を見てやはり国主導の会社はうまくいかないものだと思いますね。INCJ = 産業革新機構はどれだけの損益になっているのかしっかりと報告する義務があると思います。エルピーダメモリの時代から金を突っ込んで、結果として外資にみついで、ということの繰り返しに見えます。

先日、国主導で半導体復権のシンボルとして立ち上がったラピダスも同じような結果にならないことを祈るばかりです。

では、ごきげんよう。

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