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【俳句】新年についての考察とも言えないようなもの

    大いなる影うごき出す初日の出    梨鱗 

「あけましておめでとう」
その挨拶の意味を考えます。
無事に新年を迎えたよろこびを現すためと言います。
豊穣をつかさどる年神様を迎えた感謝の詞が由来だとも言われます。

一年という区切りは、太陽の運行を以てはかることができます。
その物差しを一度知れば、一年は365日に他なりません。
今年と去年のあいだには、明確な一本の線が横たわります。

「今年も良い年になりますように」
初詣のまなうらには、すでに眩しい365日が見えている気がします。
ほんとうの一日一日の色彩は、地味なものです。
昨日と今日のちがいは、本人が望むほど鮮やかなものではありません。

だからこそ、区切りのこちら側へ立った証を
自身へ
周囲のひとへ
宣言したくなるのかもしれません。
「あけまして、おめでとう」

言祝ぎの中には、忘れられたように眠るささやかな企て
それもまた、悪くはないと思うのです。

  
               陽だまりに仲間をみつけ初雀



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