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米国で密かに成長中、缶入りワインのススメ

えっ、ワインを缶入りにするの?

ワインは繊細な飲み物です。ワインは長期熟成できるお酒です。
だからこそ、沈没船から救い出したワインも飲めます。

しかし、それはワインだけの性質ではありません。

やはり「ガラス」でつくられるボトルに入れられるからこそ、
適切な温度で保管されるという前提において長期保存ができます。

でも、ワインが缶入りになったらどうでしょうか。

缶というのはあまり飲み物を美味しく感じさせませんよね。
ビールもグラスのほうがいいし、コーヒーもカップのほうがいい。

ワインを缶入りにするというのは、
ワイン愛好家にとってはかなり「ひどい話」のように聞こえます。

しかし、缶ワイン市場が成長しつつあるんです。
理由は「いつでもどこでもワインを飲めるから」ということです。

缶ワイン市場はまだ小さいが前年比80%の伸び

調査会社ニールセンによると缶ワインの売上は、
前年比で80%も伸びているといいます。

売上高は0.9億ドル(約100億円)とボトルワインの150億ドルと
比較するとまだまだ小さいですが成長率は極めて高い
と言えます。

ワイン専門店のTotal Wine and Moreでは、
今後、缶ワインの取り扱いを増やしていく予定だといいます。

近年米国で急成長しているワインの産地であるオレゴンからも、
缶入りワインに力を入れるUnion Wine Companyがあります。

既存のワインメーカーも新しい販売方法を模索しており、
缶入りワインを製造し始めています。

ワインメーカーにとって缶入ワインは技術的な課題がある

一方でボトルワインとは製造方法が全く異なるため、
缶ワインを製造するには別の製造ラインが必要です。

ワインが酸化しないように窒素を入れて封をする必要があります。
またライナーが腐食しないようにテストする必要もあります。

消費者の視点からも一般的な350ml缶ではワインには大きすぎます。
そのため一部の生産者は187ml缶や250ml缶を採用しています。

加えて香りの面からもワインには不利な点があります。
飲み口が非常に小さいために香りを楽しむことができないのです。

缶入りワインはスパークリングと相性がいい?

人気の高い缶入りワインは発泡性だったといいます。

缶は「冷やして飲むもの」という印象が強く、
赤ワインだろうが、ロゼワインだろうが、白ワインだろうが、
キンキンに冷やして飲まれることも多いようです。

また、発泡性のワインは「缶といえば炭酸」という、
消費者イメージととても相性が良い
といいます。

確かに日本で販売されているサワー系の飲料でも、
ワインやサングリアをベースにしたものが売られてますね。

缶入りワインのメリットと今後の課題

缶入りのワインの一番の欠点は、
ワインの最も重要な「香り」「色」を楽しめない点です。

やはり同じワインを飲むならグラスのほうが、
よりワインを楽しむことができます。

一方で、缶入りワインのパッケージデザインは、
非常に可愛らしいものやおしゃれなものが多いので、
女性向けのカクテルとの相性が非常に良いようです。

パイナップルや柑橘系のジュースや、
果物からつくられるアルコールとの相性が良いものもあります。

くわえて持ち運びしやすい点も良いトコロです。
缶でワインを持っていってグラスに注ぐというのもありですね。

ピクニックやキャンプなど野外でわいわいと、
ワインを楽しめるようになるといいですよね。

あと、バーベキューにも持っていきたい!
美味しいワインを気軽に飲めるようになるといいなぁ。

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