AXIS THE COVER STORIES ティム・ブラウン × 田川欣哉 「デザインと未来」に参加しました

先日開催されたAXIS THE COVER STORIES ティム・ブラウン × 田川欣哉 「デザインと未来」に参加したので、その中から印象に残っていることを書き留めておこうと思います。ちなみにですが会の流れとしては、Takramの田川さんが司会役で、田川さんもしくは客席から質問が投げかけられ、それに対してティムさんが答えるというスタイルでしたので、そう思って読んでいただければと思います。

# もし参加された方が読まれて、私が聞き違って間違ったことを書いているようでしたら是非指摘してください、、、

Q. デザインのことを全く知らない人に、デザインによる問題解決などの活動や効果をどのように伝えるか

デザインは、それで何ができるか「説明する」時には説得力はありません。一方、デザインは、人が実際に何ができるか「体験する」時や、「結果を見る」時に説得力があります。そのためにできることは、、、

1. プロセスの中に人を引き摺り込む
クライアントと一緒にデザインリサーチします。このように一緒にデザインをするという体験によって心を開かせることができるのです。

2. プロトタイプなしに会議をするべからず
抽象的なものか、具体的なものかで、議論の中身が全く違って来ます。抽象的なものを具体的なものにする、手に持てるものにしましょう。プロトタイプによって、実際に体験させることで、人の理解を深めましょう。そのためには、ストーリーテリング、映像などあらゆる手段を用いるのです。
IDEOでは、ビジネス、サービス、デジタルデザイン、、、あらゆる分野でプロトタイピングしています。

Q. IDEOにおける組織のデザインについて教えてください

IDEOの組織は、多くの一般的な組織とは大きく違います。
全ての職業がクリエイティブになるよう注力して、クリエイティビティを最大化できる組織にしています。組織デザイン、組織文化について10年以上チャレンジしているのです。そのためのツールは多くはなく、次の2つです。

1. 特定の組織以外にもクリエイティブな人を組織に増やす
全ての職業がクリエイティブになるよう、R&Dやデザインチームという、一般的にクリエイティブとされる組織だけでなく、人事、MKチームにももっとクリエイティブなメンバー(デザインシンキングをできるようなメンバー)を入れます。

2. Project Centered Work
プロセスじゃなく、プロジェクトに力を入れます。一般的に、多くの人はプロジェクトで働いていません。彼らはプロセスの中で働いています。そうではなく、人間はプロジェクトにフォーカスするべきです。
AIはあらかじめ決められたタスクが得意です。つまりプロセス遂行はAIが得意なんです。今後、プロセスはテクノロジーによってマネージされるようになると思います。
一方で人間は、変化するところ、プロジェクトにフォーカスすべきです。クリエイティブなところを人間が実施する必要があります。

Q. デザインシンキングに制約はありますか

デザインシンキングは、複雑だったり抽象的だったりするアイデアを表現するという点でヒューリスティックなのもです。そのヒューリスティックという点が、デザインシンキングの制約になっていると考えます。

その制約は近道がないということ。何度も何度も繰り返すことで、ルールを破っていけるのです。それが本当のクリエイティビティなんです。

例えば、楽器。簡単なところから初めて、練習を続けていきます。練習はとても退屈なことでクリエイティブではありません。けど、それを行った上でルールを破ったジャズの演奏ができるようになる。その演奏はとてもクリエイティブなこと。

デザインシンキングも一緒です。デザインを繰り返しすることで、より良いルールの破り方がわかってくるんです。簡単なところから始めましょう。なぜならヒューリスティックなことは、シンプルなアイデアから始まるからです。

Q. デザインの今後**

現在は、第4の産業革命の時代です。機械学習、ロボティクス、AIによって、あらゆる社会が変わろうとしています。

時代を振り返れば、19世紀後半のヨーロッパのデザイナーは、産業革命に応えようとしていました。現在のデザイナーは、その時と同じ立場にあるんです。今、社会システムを考え直す必要があります。教育、医療、都市、組織などを考える必要があります。

これらは、とても複雑で、時間がかかる問題です。美しいテーブルと椅子を作るというような1プロジェクトとは違って、複数のプロジェクトが、長期間のコラボレーションをしないと答えが得られないような、そんな複雑な問題に取り組まなければならないのです。

どうすれば長期間に取り組めるか、IDEOでは組織を考えて取り組んでいます。今まで雇用してなかったようなタイプの人を雇用し始めているんです。例えば、多くのデータサイエンティストを雇用しました。(これについては次のQで詳細が語られています)

そして、より高い次元のコレボレーション、産業横断型のコラボレーションをやりたいと考えています。一緒に問題に取り組む仕事をするために、様々な分野の会社を募りたいんです。新しい問題にチャレンジすることは、とてもエキサイティングなことです。

Q, デザインシンキングは今後どのように変わっていくべきか

1. データの時代
データをどのように活用するか。データを駆使する能力が必要になります。例えば、データの学習システムを作ることができる能力です。量的なリサーチから質的なリサーチへのシフトが語られていますが、私達は量的なデータをどう扱うかというのも大切だと考えています。新しいインサイトを得るために、データを使えるものにする必要があると考えています。

2. リニア経済から循環型経済への変遷
リニア経済では、素材を見つけ、作って、売って、使って、捨てるという流れでした。それが循環型経済になると、プロダクト、サービスの寿命が長くなります。そうすると、デザインが関われる点が多くなるのです。
デザインのできることという枠組みを過去の基準にとらわれず広げて考え直す必要があると考えています。

3. シミュレーションの重要性
デザイナーはプロトタイプには慣れていると思いますが、これからはシミュレーションが重要になってきます。
データセットを元にしたシミュレーション、ロールプレイで人がどうやって反応するか、行動するか予測できるようなことにデザイナーが慣れていく必要があるのではないかと考えています

会のまとめ : デザイナーになるなら今が最高の時代

デザインが役割を果たせることが増えています。
テクノロジー業界から、従来の方法を崩して、新たな方法を見出すことに興味がもたれています。産業界からは、デザインについて多様な見解を得たいという興味をもたれています。

このような活動によって、日本は、過去10-15年の停滞を超えて、これから攻勢に出れるのではないでしょうか?世界に向けて、日本の製品、サービスが広がる可能性を持っていると思います。

ここで、会は終了でした。

たかおかのまとめ

IDEOの現CEOであるティム・ブラウンさんの口からデザインシンキングについて語られるとても貴重な機会でした。そして、デザインが世の中に対してできることが今までよりも広がっていることを改めて感じる機会になりました。

メーカーにいると社会システムとは縁遠いですが、もっとこの分野のことを勉強して自分の知識や技術を活かせる幅を広げたいと考えました。そして「繰り返せ」という師の言葉を胸に、日々頑張っていきたいと思います。

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lyo takaoka

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